Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

今年最後の保護者懇談

担任の先生は若いのになかなか抑制のきいたいい先生で、
この1年間色んな授業参観を見せて頂き、その頑張り具合がよくわかった。
教師が授業をするというのは、それは毎回毎回プレゼンテーションと同じ。
下手を打てば、クラス全員討ち死に、とまでは行かないが責任問題。
理解度が格段に落ち、クラスの子どもの相互作用をもってしても修復不可能な、
学級崩壊とやらを招くことにも成りかねないのだが、
幸か不幸か6年間、崩壊クラスはただの1度だけで、後はまともだった。
6年生がこの担任の先生だったのは、幸いだったといえよう。


どうも、話が娘は幼い時からおっちょこちょいで、忘れ物が多い。
更年期の健忘症が募るかーちゃんの真似をしなくてもいいものを、
律儀に親子似てくる所が痛し痒しの遺伝のなせる技?
あれほどご飯を作ってかーちゃんの帰りを待ってくれているというのに、
家庭科の成績が下がっていた。何故だ?
劇のシナリオを書いているらしい。ものを描くのが好きなのは血か。
ああいえばこういうで、男子とやりとり、いや、やり合って口喧嘩。


こういう関係はどうなっているのだろうと、気が揉めていたのだが、
相手の男の子はどうやら互角に言い返してくる手応えのある女の子に
ちょっかいを出したいらしい。おやおや。困ったものだ。
気に入って貰えるどころか、ウザがられているというのに。
色んな交友関係を聞くにつれ、暮らす崩壊学級でひたすら読書にいそしみ、
自由にさせて貰っていて良かった。いじめっ子と離れることだけが望みだった、
中学年時代から、男子にも女子にも仲間がいる、
開かれた関係の中で自分を出せる子に成長していたのが何より。


心配しすぎるのは親の常。不登校になりはしないか、
いじめは激化しないか、そんな思いも過去のことになりつつある。
この今の前向きな気持ちがポキンと折れぬよう、何をしてやればいいのか。
先生曰く、とーちゃんもかーちゃんも側にいる時間が少ないので、
本当はもっと甘えたくて寂しいのではないかという見解。
うーん。さもありなん。
必要以上に我慢をさせて、大人にしてしまったからなあ。


娘の来し方を思うと、親の自分が随分甘えてきて、
トシを理由にあれこれと負担を掛けすぎたのは、本当。
されど、20代の親だったら出来なかったことを、この年齢だから、
経済的にも精神的にも出来た部分もあるのだから、よしとしよう。
何もかも手にすることは出来ない。帯に短したすきに長し。
不惑を過ぎて授かった一人娘は、良くできた子だと手放しで喜んでおこう。


一家の支えと成るのは、稼ぎ手ではなく、
稼ぎ手の、父母の心を和ませる存在。
じじばばの、眼を細めさせる存在。
日々成長し、知らない面を見せてくれる存在。
それが子どもの存在。我が子のありがたさ。

健康とストレス・マネジメント―学校生活と社会生活の充実に向けて

健康とストレス・マネジメント―学校生活と社会生活の充実に向けて


我が家は女系家族。父親は単身赴任で日常居ない。
じいじはもはや80を超す老爺。ばあばはややボケボケ。
我が家には男性原理が少ない分、自ずとかーちゃんは女性性減。
娘はアニマよりアニムスの勝ったませガキで成長。
運動神経はかーちゃんに似て鈍くさく、読書は偏り漫画好き、
似て欲しくない所ばかり似て、醒めた物言いをする思春期の入り口。
されど、天の神は見放したまはず。ちゃんと女の子らしい体つき、
親ばかの目から見ても差し引いても、背の高いスタイルの良い子に育った。
これで、頭も良く運動神経も除ければ鬼に金棒なのだが、
娘の運動神経は、水の中だけで発揮されて陸上では如何ともし難い。
人魚姫のような・・・。


おっとっと。アンデルセンの人魚姫と違って、魔女に声を取られることなく、
歌も歌えるが、アニメソングばかり歌っている昨今、
昨年音楽部で鍛えたソプラノが泣こうというもの。
クラブで特別な人間関係を経験したせいか、批評家のように
新しい音楽の先生に厳しい。
まあ、音楽教室で何人もの先生の教え方を経験し、
ここまで来れば、あれこれと先生を比較して見るのも当然と言えば当然か。


このこまっしゃくれた娘を、良くも悪くも親以外の多くの人が関わって、
育ててくれている。親の受け入れ難い部分も見ていない部分も、
それなりに受け容れてくれ他者あっての家族。
家族とは異なる価値観の人々に育まれ、鍛えられ、
どこまでその翼を鍛えることが出来るのか、娘よ。
かーちゃんに出来るのは、美味しいご飯を確保すること。
暖かい寝床を確保すること。そんなもんだぞ。


懇談終わって、水泳教室に娘をピックアップに行く。
肉屋で揚げたてのコロッケを買う。熱々に二人でかぶりつく。
そんな月曜の夜。