強行軍を終えて - Festina Lente2

(写真を付けました）

眩しい日差し、いつも変わらずそこにある景色。
少し荒れたけれど。10年以上経つ学び舎は、
そこにいる人間だけが変わっているだけで、雰囲気は変わらない。
学ぶ。しかし、退屈でもあるし、刺激的でもある。

ワークショップ、講演、宴会。
知った顔もちらほらあるものの、久しくこういう場に出ない、
研究も著作も何もないまま、
日銭稼ぎの仕事に汲々と暮らす自分には、
眩しいばかりの世界の煌めきだ。
あれもこれも知の最前線、
そんな雰囲気さえ懐かしくもどかしい。

夜行で来て夜行で帰る。
かなりの強行軍だが致し方ない。
必要最低限の情報だけ仕入れて、南国の夏の日の空気と日差し、
恩師の顔、声、遙かに若い世代の活躍を垣間見て、
家族の夏休みの場、関東に戻る。

夜行バスの夜はあっという間だ。
24時間のうち、明るい間の数時間過ごすための贅沢な往復。
氷山の一角のように、学問に対する気持ちが見え隠れ。
学問の世界に生きることの無かった自分。
とうとう思い切って大海に身を投ずることの出来なかった
自分の未練を引きずりながら、
緑濃く闇深き、第2の青春、鳴門の地を後にする。

30時間前に離れた横浜の朝に戻って、地下鉄に並び、
電車に乗り、出迎えて貰って朝。
ささやかな徳島土産を披露して、仮眠を取る日曜の昼。
強行軍の週末の終焉。