Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

同志社女子大今出川講座へ

盛り沢山な1日。午前中勉強会。その足で京阪に飛び乗る。
淀屋橋から出町柳まで休憩兼ランチタイム。
本日は初めて出向く場所、今話題の会津ジャンヌ・ダルク
新島八重ゆかりの地、同志社女子大学へ。
目的は二つ、一つは初めて参加する同志社女子大学今出川講座
「旅と名所―『都名所図会』と西洋人が見た日本の名所―」。
もう一つは新島八重に関する展示を見ること。
 

  


さすが、京都の女子大だけあって(御所の向かいだし)静かな佇まい。
ちょうど講演が始まるぎりぎりに間に合った、純正館。
なので一番前の席しか開いていなくて・・・。特等席ですね。
(隣に人が来るのが嫌なのか、荷物を置いて空席を作る人もいて)
ご年配の方が多く、私などは若輩者なので申し訳なかったのですが、
緊張感のある席で、眠くもならず良く話が聞けた。
プロジェクターの図を見るのは少々辛かったが。


講演者は2人。新進気鋭と言っては失礼に当たるが、
お二人を若く感じてしまうのは自分の年齢のせい。
あと残り何年と定年までを数えて仕事を続ける人間、
同級生は孫もいるのに、中学生の母親をしている者にとって、
脂ののった年代の研究者さえも、若く見えてしまうのはご愛敬。
なので趣味兼ねて勉強されている諸先輩の質問には、とても付いていけない。



アンドリュー C. エリオット表象文化学部助教の「明治日本の欧米旅行者と近代観光」。
流暢な日本語での講演。外国人の目から見た旅行。
開国前後の日本旅行、そして現在の日本観光との共通点、差異を
分かり易く具体的に説明。高校生でも十分分かる内容だった。
トマス・クックの旅行、イザベラ・バード、少し懐かしい固有名詞を
久しぶりに耳にした。インターネットの無かった時代など、
想像できない若者には、海外旅行がどれほど刺激的だったか、
英語を話す、読むにどれだけ必死になったかなんて、
きっと想像も付かないのだろうけれど。


それにしても、当時の日本旅行のアドバイスに、
「靴を脱いで部屋に上がることが多いから、穴の開いた靴下は注意」とか、
「自分で料理するためにフライパン持参」など、笑える。
衣食住の違いに苦労したんだろうなあ。なのに、その明治維新
文明開化から150年程しか経っていない。
時代の流れ、文明の発達に恐ろしい気持ちになる。
それにしても、海外から見ればいまだに日本はアジアの中の一国、
相も変わらずエキゾチック・ジャパンなんだろうか。
昨年のオーストラリア・ホームステイでも、喜ばれたお土産は
「浮世絵の描かれた扇子」だったし。


西野由紀天理大学文学部准教授「これを都の案内者―名所図会に描かれた京都―」も、
当時の名所図絵、旅行イラストを読み解きながら様々な解釈。
(少し脱線した説明にはすぐに厳しい質問が飛んでいたが)
せっかくなので著書を2冊求めた。時間のある時に、
自分の住んでいる関西について、新たな視点から眺めるのも良かろう。
こういう機会でもないと、紹介されないし、読まないだろうし。
(名所図絵に興味のある方はこちらも参考に→http://www.meisyozue.net/


京都名所図会―絵解き案内

京都名所図会―絵解き案内

なにわ大阪 今と昔―絵解き案内

なにわ大阪 今と昔―絵解き案内

約250名の来場者があったとのことだが、元より学生の街京都、
学ぶ意欲の高い人々の街ゆえ、盛況なのは当たり前とお見受けした。
「文化果つる商都大阪」での同様の講座も、余生?を向学心に燃やし、
行動力溢れるシニアが席巻している。
若者は学ぶことなど考えもせず、その日暮らしの感。
振り返る時間を持たない毎日は、音楽を聴いても人の話など聞かぬ日々。
(受験勉強以外の勉強などに時間も割けず、入試が終われば終わったで、
失われた時間を取り戻すのに忙しいらしい)
それにしても、年齢層の高い集まりに圧倒される。


 


気を取り直して、別館へ出向き、資料室にて新島八重関連の展示を見る。
この女子大の建物は、関西建築の父とも称される武田五一ゆかりの建物。
もっと日の高いうちにしっかり見るべきであったが、致し方ない。
展示室のあるジェームズ館と同時に、隣の栄光館を夕暮れの中で拝見。
大急ぎで見て回ることとなった。

新島八重と夫、襄―会津・京都・同志社

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