サクラファミリア再び
午後から源氏物語の勉強、の筈が、
土曜の昼下がりに市内に出向くという慣れない行動に戸惑う。
昨夜来たばかりの場所に、同じ場所だというのに昼間歩くのは、
全く景色が異なり、何だか違和感甚だしい。
中津、というこの場所に何かしら遠いものを感じるせいか。
梅田というと大阪の繁華街だが、隣の中津は立った一駅の違いで、
甚だしく僻地を感じさせる淋しい土地、というのが従来の私の印象だ。
地下鉄が中津止まりだったり、阪急が中津を素通りしたり、
そんなイメージのせいか、どうしてこんな所でサテライトキャンパスと
不審に思ったものだが、再開発地域で新しくなった教会を拠点にというと、
なるほどと納得できる、上智大学大阪サテライトキャンパス。
関西の大学でもビジネスマンが通えるように、
梅田界隈にサテライトキャンパスを持つ大学が増えているという昨今、
関東の大学が進出してきてもおかしくはない。
哀しいのは、その利用のために片道1時間以上、
下手すれば、2時間程掛けて出てこなければならないということ。
急行、特急の停まらない駅はなかなかに不便。
地下道で行ったり来たり出来ない場所に、抵抗を感じている自分。
何だかおかしいなあ。
大学は、身近にはなくて常に遠い所にある。
そう、思わざるを得ない環境だなあ。
教会で勉強、カソリックの司教座で。寺子屋みたい。
そんな同ても良いようなことが頭の中を渦巻く。
中津という地名に縛られて、肝心の源氏物語がお留守になりそう。
先生は、枕草子の講義にまた来て下さるらしいが。
映画も見ず、美術館もにも行かず、
結局源氏物語だけきいて、跡は聖書関係、
キリスト教関係の文物を扱う店にて自分へのお土産を物色。
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そうだ。私が中津でわざわざ降りたのは、学生時代以来かも。
30年以上前・・・。わざわざ紅茶の専門店を探して後輩と一緒に出向いた、
カンテ・グランテにて一服。
30年以上前にチャイを飲ませてくれる店は珍しく、
ここが本店だからとわざわざ来たことがあった。
それも遙か昔、大学生時代の話。
食が細くてがりがりに痩せていた中高生の時代は遙か昔になりにけり。
ブームが来る前からエスニックとお茶が好きだった私の、
それはあちこち旅に出る、読みあさる、20代の始まりだった頃の思い出。
一緒にお茶を飲んだ後輩は、既に仕事に疲れ、
身心を病み、辞めてしまった。
私はまだ、仕事を続けている。
教会の売店で、かつての巡礼旅行を懐かしく思い出す。
オメダイをお土産に買い求めた頃を。
何か私もせっかくサテライトキャンパス、
サクラファミリアに来た記念に、再びオメダイを。
そして、カンテの本店を探し当て、改築して佇まい変わった、
今の店でお茶を飲む。あの頃のようなドキドキ感はもう無くなったけれど。
小さな旅、学ぶよりも、中津にまつわる記憶を辿るような2日間。
源氏物語はすっかりお留守になってしまった。
本末転倒。
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