Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

ダイビルサロン室とロビー

さて、ダイビル本館建設秘話ツアーも終盤に近付いた。
ダイビルの歴史を紹介するサロン室から外に出て夜景に輝く外壁。
かの村野誠悟がかつての写真から再現された部屋の調度。
どっしりと重厚で、上品な佇まい。


    

    

    

    


往時を偲ぶあちらこちらの意匠をカメラに収めるのもおこがましいが、
場所はわかっていても今度いつ来ることが出来るかわからないと思うと、
凡人の浅ましさ、何枚でも写真を撮りたくなってしまう。
天井を見上げ、床を見下ろし、ソファ地をためつすがめつ、
木彫を眺め、カーテンの襞が作る陰影を味わい、
どこをじっくり見ていいものやら、キョロキョロウロウロ。


    

    

    

    


サロン室から出て1階のロビー、階段と床・壁の色彩と造形が美しい。
何ともモダンでこざっぱりとして味わいのある空間だろう。
大正から昭和、大大阪を支えた由緒ある建築が大切に再現され、
未来に向けて再構築されたサロン、記念室、もっともっと見ていたい。


    

    

    


この素敵なサロン室で、月刊中之島の人が記念撮影をしてくれた。
建築専門の人も、私のような門外漢の物好きも、
ナカノシマ大学の講座で過ごす、贅沢なひととき。
街で学び、街を知り、街を創る、そういう結びつき、
いつかはそんな仕事が出来ればいいなと心の中で思っているが。


    

    

    

    


天井を見上げているうちにモダンな白黒碁盤目模様が、
チェス盤のように見えてくる。事務所ビルの天井模様、
目に見えない頭脳戦、仕手戦の縮図、暗示、設計図なのか。
今は眩しいぐらいに照明で光り輝いているけれど、
昼の光が入る様子はどのようなものなのだろうか。


    

    

    

    


昔の郵便ポストも記念として大事に設置されたままだ。
ダスターシュートで集められた郵便、さぞかしハイカラだったろう。
仕事場に向かう入口、仕事を終えて帰る出口、
とても士気が上がる景色だなあと感じ、ちょっと僻んでしまう。
過去から未来へ託された郵便はどこに届けられるのだろう。


    

    

柔らかい照明の中に浮かび上がる天井や壁のレリーフ
昔そのままの床タイルの渋い色、この独特の空間に浸っていたい。
後ろ髪引かれる思い。されど、予定の見学時間は終わり。
せめて、美しくライトアップされた外壁をじっくり眺めて帰ろう。


大大阪モダン建築 輝きの原点。大阪モダンストリートを歩く。

大大阪モダン建築 輝きの原点。大阪モダンストリートを歩く。

  
大大阪イメージ:増殖するマンモス/モダン都市の幻像

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