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来迎図を見る

本日火曜日はナカノシマ大学。初めての場所、龍谷大学大阪楳田キャンパス。
絵解き仏教案内〜見て聞いて学ぶ仏教世界、今日のテーマは「来迎図を見る」。
8月の末に第1回があったのだが夏ばてと転勤したての職場のペースに慣れず、
仕事の後出向く元気も無くて申し込まずにいたを後悔した。
実際抹香臭くも宗教臭くも何とも無く、余りに面白くて、
最初の第1回目の講義を聞き逃したのが悔しくてならない。


    


講師の先生がまた良い。
ナカノシマ大学ではお馴染み釈 徹宗先生の仏教や心理学・民俗学を交えた解説、
龍谷大学 龍谷ミュージアム館長、入澤 崇氏の熱弁、
お二人の絶妙な掛け合い、ナイス。



実はこの一連の講座は龍谷大学エクステンションセンター(REC)と
ナカノシマ大学のコラボ。設備が整っているのは、
龍谷大学のサテライトキャンパスだからに他ならない。
市内に出向くのは実際お金も時間も掛かるけれど、
知的好奇心を未知の分野で満たすには、こうでもしなくちゃならない。



仏教に関しては中学高校で倣った歴史的な知識と、
専門に勉強した心理学の世界でちょっと関連事項で囓った内容、
後は手塚治虫の漫画「ブッダ」ぐらいしか知らない。
我が家は曹洞宗だが、家に仏壇も神棚もない。
地方の農家の土地無し分家の核家族には、従来の風習や慣習もない。
墓参りをする墓も持たずに、親戚筋の墓にかろうじてお参りする程度。



ああ、そう。仏教と言えばシルクロード
それから三蔵法師の出てくる西遊記
そんな文学的な寒天もちょっとは知識を持っていたか。
神社仏閣巡りが好きなのは歴女のハシリだったからで、
熱心な仏教徒でも何でもない。
そんな私でも心から面白い講義、興味深い写真、内容だった。



まさか心理学で学んだ阿闍世王の話が、ここで役に立つとはなあ。
死後に浄土へ向かいたいと願う人の臨終の際に、
阿弥陀如来がこの世に迎えにやって来る様子を描いた来迎図。
生きていた時の行いに従って、どんな風にお迎えされるか格付け。
それが上品上生から下品下生までの九品往生か、なるほど。
高校時代、史学部で調べていてわからなかったことが、今やっとわかった。



平安時代がどんな時代だったか、何故みんな来迎を待ち望んだか。
観無量寿経」という言葉も何度か聞いていたけれど、
今日やっと納得。臨床心理の勉強とこんな所で繋がるとはね。
仏教絵画を解説することで、仏教を多くの人々に広める営みを
「絵解き」とよぶのだそうだが、その解説を聞いているうちに、
今まで学んできたことが少しずつリンクしたり、
それこそ曖昧模糊とした知識の輪郭がはっきりしてきたような、
そんな気持ちにさせられる。



それにしても、実際に仏像を頭から被って、
いや、お面をつけて来迎を具現化したお祭りがそこかしこにあったとは。
それくらい、強いイメージを持たせることが宗教の救済の核だったのか。
それくらい救いを目指して生きることが必要な時代、
強いて言えば無常観が蔓延していたのだろうか。
あっという間に時間は過ぎて、終了後、食事をする場所も沢山ある
梅田界隈。これはこれで便利だ。というか、仕事後の非日常。
仕事とは関係のない学びの時間の、何と刺激的だこと。

絵は語る (3) 阿弥陀聖衆来迎図-高野山 夢見る力-

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阿闍世コンプレックス

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