Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

定番の家族の休日

午前中、ダッシュ和泉市の弥生博物館へ。こういう時は一人で鑑賞に限る。
坂の上の雲』のお陰で、「頭の中が明治」になっているから、
今、この勢いでこの展示を見ないと、なかなかその「時代性」の中に溶け込めない。



「子規の叔父・加藤拓川が残した絵葉書−明治を生きた外交官の足跡−」展。
なかなかこれだけの資料を一気に見ることは、こんな田舎の都会では出来ない展示。
よくもまあ見せてくれたものだ。残念ながら仕事でばてていて、気が付けば前期展を見逃し、
今日が最終日。何が何でも滑り込んでみなければ・・・。

 
    


インターネットも国際電話もない時代、外交官の目と耳と記憶だけが頼り、
人間の持てる知性と感受性と国際感覚が時代を左右した時代、
弱小国日本が鎖国を解いて一等国の仲間入りを仕様と喘いだ時代、
そのさなかにあって、時にはスマートな外交官であり、時には危ない橋も渡り、
火種と火消しになるような自分物を懐に抱え、情報戦に明け暮れ、
それこそシャドウ・ゲームの日々。

    


世界を見たいと切望しながらも病を得て、内的な世界を掘り下げた結果、
文人として歴史に名を残した正岡子規。その叔父もやはり「ただ者」ではなく。
当時の優れた人材はあちらこちらで接点を持ち、密度の濃い交友を、
綺羅のような人生を凄まじい勢いで駆け抜けていったのだなと、
改めて考えさせられた次第。力づけられたものの、
生まれた時代と社会状況、自分の卑賤さ、無力さを思うと、
ただただ哀しくなってくるので、鑑賞者に徹しなければと思った次第。


  

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