Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

正倉院展

家族揃って奈良へ、正倉院展のために早朝出発。
恥ずかしいけれど、電車の中で朝食。9時半着。
既に長蛇の列。さすが大人気。
奈良・斑鳩1dayチケットで一生懸命来たというのに。
有り難いことに無料のコインロッカーが外にも設置。
待ち時間1時間に憂鬱だったけれど、思いのほか流れはよく、
それほど待たずに中に入ることが出来た。


2年ぶり、正倉院展。あの時は家人の入院中、気分転換に
娘を連れて小雨のぱらつく中、東大寺を見て、
鹿に餌をやって、閉館間際の空いた頃を見計らい、見学。
今回、家族揃って奈良に来ることができて嬉しい。
お盆の燈花会、春日大社萬燈篭以来。
ちなみに家人は正倉院展は初めてだと言う。


第59回正倉院展ネット上でも美しい宝物が見られます。
こういうときインターネットは便利だなあと思う。
思い本を開かなくても、すぐに見ることが出来るから。
でもわざわざ出かけていくのは、ナマで感動したいから。
本物を自分の目で確かめたいから。
平面ではなく立体を、くすんでいたとしても、まだ残る色艶を、
じっくりこの目に焼き付けておきたいから。

正倉院の世界 (別冊太陽 日本のこころ)

正倉院の世界 (別冊太陽 日本のこころ)

たまゆらの道―正倉院からペルシャへ

たまゆらの道―正倉院からペルシャへ

娘もにっこり、ろうけつ染め羊・鹿・猪・亀・猿の紋様。
何ともほのぼのとした味わいのデザインで、おっとりかわいらしい。
ろうけつ染めなどに使ったという蜜蝋の塊も出品されていてびっくり。
紐を通して大小のチーズの塊のようにまとめられている。
更に、それを保管していた袋も展示。


天平の芸術品、至宝の中によく見られるモチーフ。
花喰鳥、鳳凰、尾長鳥、迦陵頻伽(かりょうびんが)、
宝相華(ほうそうげ)、連珠円文、花鳥文。
いつまでも見ていたい細やかなモチーフ、文様の数々。
千年以上の時を隔てているとは思えない、遥々大陸から運ばれてきた、
色鮮やかなフェルト、花氈(かせん)。
貴族必携の小刀。洗練された文房具アイテム。
解毒の漢方薬効果のあるとかで、犀の角で作られた酒盃。


大人用子供用どちらの案内テープでも聞くことのできた、
管楽器「う(漢字が見つからない」その基部の模様が素晴らしい。
なんと迦陵頻伽が管楽器を吹いて演奏している。
人面鳥ハーピーが笙を吹いている感じといえばいいか。
大きく引き伸ばした写真が展示してくれているので、
ケース越しではわかりにくくても大丈夫。
説明はルビがあるし、展示としてはわかりやすい。
(逆に案内テープはお粗末というか、あっさり過ぎて割高感)

須恵器の一見粗末な感じの硯を豪奢に見せる、蛇紋岩の床石。
模様が一見螺鈿のよう。六角形の石と精緻な飾り台のお陰で迫力。
何ゆえに弓(弾弓)にここまでと思うくらい、細かい絵柄。
それも、楽しげな球遊び(弄球)、棒登りなど、ユーモラス。
何といっても話題の超豪華な柄香炉、紫檀に金銀の象嵌
鏡の上に置かれて展示され、2倍の輝き。


大きな琴、琥珀や真珠でできた数珠、今とは異なる筆、
色鮮やかな織物の断片、残欠。
墨色も麗しい展示の中に、徳島の地名を見つけてびっくり。
阿波国・板野・美馬など、他の地名と共に書かれていた
東大寺関連の公文書。地名には歴史があるなあ。
(勝手な合併で訳のわからん新地名、やめて欲しい)


色々感慨はあれど、退屈し始めた娘をなだめるべく、
お土産コーナー。ハンドミラーやクリアファイル等を買い、
歩き疲れていたので、地下のレストランでランチ。
ここの正倉院ランチよりも、外のブースの薬膳弁当の方が
健康的で、美味しそうだったかも。

読売新聞のブースでは、英文の特集記事も貰え、
娘はDSで正倉院クイズにチャレンジ。
県立美術館のシャガール展の割引券まで配布中。
常設展示を通り抜け、帰ろうとしたら、
何故か、鹿が水浴び中。あれあれ、まあ。
水の中から煎餅欲しさに首を伸ばしてくる。

風も無く日差しは穏やか。親の好みに付き合ってもらったので、
午後は娘の為に、生駒山上遊園地に向かってレッツゴー。
そうです。何しろ、妥協案が必要な訳で。
春先のロダン展のあと、須磨の水族館に行ったように。
http://d.hatena.ne.jp/neimu/20070513

正倉院の謎

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天皇のものさし―正倉院撥鏤尺の謎

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