Festina Lente2

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娘の発表会

私の20代のころのソフトスーツを着て、発表会に臨む。
写真はリハーサル時のもの。まだ着替えてはいない。
本当なら変奏曲全部弾いてほしいものだけれど、ようやっと、
トルコ行進曲が暗譜できた。
もう一つの現代音楽は、かーさんには理解できない類だが、
何とか弾きこなしてはいたようだ。



お役目ごめんというべきか、大役を果たしてお疲れ様というべきなのか。
暖かい目で、娘の演奏を見守ってあげられない自分がいる。
要求水準が高いというわけではないと思うが、
自分が13歳の時はこんな風だっただろうかと比べてしまう。



トルコ行進曲を弾いたのは、4年生の時だった。
長い長い変奏曲が終わって、第2楽章があって、
突然聞いたことのあるメロディになって、
ピアノの先生が後にも先にも一度だけ、レコードをかけてくれて、
譜を読む前にメロディーを覚えて帰った。



曲のイメージをどのように持っているのか、
育てているのか、今の先生の指導法はわからない。
辞めたいと言わないで続いているのだから、ありがたいが、
この子は何をものにするのだろうと、ガンガンに習い事をさせずに、
ボーっと大きくしてしまった娘に申し訳なさが一杯。
泣こうがわめこうが、習い事をもっとさせるべきではなかったかと。



戦いすんで日が暮れて、とーちゃんがわざわざ帰阪してまで見に来てくれた、
大事な大事な発表会が終わった。
君は、何を糧にして成長してくれているのか。
日々、遠ざかっていく毎日に、つかみどころない。
手応えのない一日ではあるのだが。


こちらの先生にお世話になってから3度目の発表会。
5年生、6年生、中学校1年生、
こんな小さな子供は娘だけだ。
あとはみんなお姉さんお兄さおばさんおじさん、
年配の方ばかり。だから、かわいがって頂いている。
なのに、娘にはそのありがたさがわかっていない。
練習をさぼる常習犯で、小さな時から習っていても、
全く身についていないなあと嘆かわしい。


私は好きな曲は習い終わってからでもよく弾いた。
レッスンに関係なくても指慣らし代わりに弾いた。
落ち込んでいる時、テンポの速い曲を選び、
その時は無理でも、片手だけでも難しい曲に挑戦したい時は、
難解な譜面を前に、とてもじゃないけれど広がらない指を広げ、
チャレンジもまた楽しと、メロディーを拾った。


娘の練習にはそういう遊びが全く見られない。
レッスンの二日前ぐらいしか弾いていない。
新しい曲、知っている曲、なじみの曲、好きな曲、
何時間でも弾いていたいと思う時が無いのか、訪れないのか。
そういう意味では、不幸な子だと思う。
ボーカロイドだ何だ間だとはやりの歌に執着していても、
自分で弾きたい、弾きこなしたい、アレンジしたい、
作り出したいという欲求なしに、
この年齢まで来てしまったんだとさえ思う。


娘をこのまま習わせていていいものなのかどうか、
自分が知っているような変化や欲が表れてくるものなのかどうか、
まだまだ待たなくてはいけないのだろうか。
それとも…。

習い事探訪記

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今さら、ピアノ

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