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貴婦人と一角獣のタペストリー

貴婦人と一角獣」のタペストリーを観に行く。
フランス国立クリュニー中世美術館の至宝《貴婦人と一角獣》は、
西暦1500年頃の制作とされる6面の連作タピスリーだ。
かつて欧州の美術館を巡り歩いた頃、独りで見に行った修道院
このタピストリーを飾るための美術館に変わっていたんだっけ。
青空の下、日時計を見上げた思い出。


それを家族全員で眺めたいと、休日を楽しみにしていた。
久し振りに国立国際美術館まで出向こうと地下鉄の駅に着けば、
人身事故でいつ動くか見通しが付かない。
事故で地下鉄が止まるなんて、全くの想定外。仕方なく車で市内へ。
大阪市内に車で行くと、駐車場探しが大変。


予定していたベトナム料理の店は、土日祝のランチをやめてしまっていた。
経費節約で経営が厳しいのかも。
美術館から結構離れた遠い所で相場よりも500円も安い駐車場を探して、
予定よりも一人当たり400円安いランチを食べ、やっとこさ美術館へ到着。
かつてこの周辺にあった訳の分からないぼろぼろの民家は、潰され駐車場になっていた。

かつてフランスで観た懐かしいつづれ織り。
日本初公開とあって、その力の入れようは察せられた。
20年ぶり再会した『貴婦人と一角獣』展は素晴らしかったけれど、
音声ガイドは期待よりショボくてがっかり。
展示そのものは寓意について丁寧な解説があり、
同時代の作品等も並べて、タペストリーとは何ぞや、
楯紋章とは何ぞやと解説してくれていたので、そこは親切だった。
展示点数が少なめで、落ち着いて鑑賞できたのが何より。


六つの感覚、味覚・聴覚・視覚・嗅覚・触覚、
そして「我が唯一つの望み」(A mon seul désir)。
「我が唯一つの望み」とは何のことなのか。
小花や小動物戯れる小宇宙さながらの一連の作品に、
中学生の娘は何を感じ取ってくれたかな。
我が家ではユニコーンに触れることのできる資格を持つのは、
君だけだよ。ラ・ピュセル、乙女よ。


貴婦人と一角獣 (白水Uブックス181)

貴婦人と一角獣 (白水Uブックス181)

芸術新潮 2013年 05月号 [雑誌]

芸術新潮 2013年 05月号 [雑誌]

帰宅後、気合いを入れて夕食を作る。
1週間早い娘の誕生日を家族3人で祝い、ケーキを食べた。
私たちは映画鑑賞、娘は勉強。
しかし、夫婦で気分転換のはずの夜のお出かけ映画、
『ウルバリン・サムライ』の酷さに愕然。
未だに海外では日本のイメージは大きく誤解されていると実感、
自国の文化を侮辱された感、大。


21世紀になっても、日本は刀・ヤクザ・武士・鎧兜等のイメージ、
紋切り型の外国人好みのエキゾチックなイメージから逃れられないのだろうか。
SFアクションが外人を交えた和風任侠もの、和風暴力映画にしかなっていなかった。
がっかり。