脂肪戦隊

それは、たまたま、とあるブログを覗いていた時だった。
娘がまだよちよちの赤ちゃんだった頃から読み聞かせていた
せなけいこの絵本の表紙があるブログだった。
ただし、その有名な絵本は、非常に知的に装飾されていた。
娘は私に似て非常に宵っ張りである。幼児教育上望ましくない。
私はせっせと絵本を読んだ。「ねないこだれだ」
ブログのイラストは「ねないこダレダー」
(出処を教えていただきました・・・やったね！）
http://asame2.web.infoseek.co.jp/nenaiko.html

いやだいやだの絵本 4冊セット

　　

キカイダー大全―人造人間キカイダー・キカイダー01の世界

石の森章太郎のファンである、漫画オタクの私のベッド下から
「人造人間キカイダー」の特集号を見ていた娘は、喜んだ。
同世代人である家人にも大受けした。
その後、ハカイダー、ビジンダーの話から、どういう訳か
阿修羅男爵云々という訳のわからない話になって、
娘からマジレンジャーの話題が出た。私にはわからない。
「魔法戦隊だよ」「ふーん」
「アバレンジャーなら聞いた事があるなあ」
「渦潮戦隊、トクシマンっていうのもあるぞ」
超ローカルヒーローだって、それは。

ママにはさっぱりわかりませんってばさと、軽くいなして
終わろうと思ったが甘かった。その後、駅までの道のりを
ワカランジャー、オコルンジャー、ドツクンジャー、
キレルンジャー、タタクンジャー、サケブンジャー、
などなどなど、挙げたらきりの無い応酬が続いた。

目的地について、優雅に名物茶碗を鑑賞し、お茶会に臨み、
ウインドウショッピングを楽しんでいる時、
たまたま入った漢方薬局で血圧等を測った。すると・・・
121、83、64、28.2、乏血型　TPKS167　心負担7744　総抵抗2150
「お客様は血液の循環がお悪いようですねえ」と、お声がかかった。
理由は、28.2が示しているので、何も言いたくは無い。
総抵抗を見ても明らかだ。機械のせいだとは言えない。

気を取り直して、夕食に臨んだ。疲れていたので、
てきとーに食事ができる、それでいてちょっと高級なバイキング。
お刺身、うどんすきがあって、サラダや煮物も豊富な
ヘルシーを売り物にしている、調度もシックで落ち着いた店だ。
機嫌よく、ぱくつく私に、娘は恐ろしい一言を発したのであった。

「脂肪戦隊フトルンジャー！」

家人は食事が出来ないほど笑い出し、娘は図に乗って歌いだし、
食事の席は、調子に乗った娘の「脂肪戦隊、フトルンジャー♪」の
はしゃぐ歌声に巻き込まれた・・・。
むろん、私は「脂肪戦隊、ヤセルンジャー」とは言い返せなかった。
娘の歌声を聞きながら、ひたすらプリン、姫りんごゼリー、
白玉団子、ワッフルとデザートをしっかり食べ込んでいたのだった。

娘よ、歌うがいい。フトルンジャーの卵細胞遺伝を気にする時が
いつか、きっと、来る。