Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

ルーブル美術館展へ

本来9月に出かける予定だったルーブル美術館展へ、やっと出かける。
古代ギリシア芸術・神々の遺産」・・・娘にとっては初めての京都旅行。
うん、この半年星座の本を読んで、地学的な星の知識のみならず
ギリシア神話に興味を示しだした娘にも、持って来い。
この10年近く、海外旅行から遠ざかってしまった私にとっては
美術館・博物館は心の洗濯・オアシスの場だ。
予期せぬ入院騒ぎでおとなしく過ごしていたが、
閉幕まで1週間とあっては、思い切って出かけざるを得ない。
普段の仕事場からは、子供連れでは片道3時間弱。
よって、家人のアジトから直行することにした。
暑くもなく寒くもない、のんびりとした秋のおでかけ。


しかし、のんびりした出足の家族と反対に、都会は混んでいた。
ちょっと期待した2階建ての京阪電車には乗れず、残念。
何故か、京阪三条に着いたら、生け花の側の書には、
「人生 七転び八起き」それが「七転八倒」に見える。
思わず、おなかの痛みを思い出す・・・。
我ながら、軟弱者。


私が愛用していた浜大津までの路面電車は、無くなって既に久しい。
ピカピカの地下鉄は、何だか京都の町にそぐわない気がする。
駅も電車も内装も色彩が派手で、何だかバサラ者の衣装のようだ。
地上に出ると、家人は突然、ここに入ろうと言う。え?
昼間から、「生湯葉鍋定食」かよ・・・。まあ、いいけどさ。
ということで、「芸術の秋」より「食欲の秋」優先。
しかし、この作戦が功を奏したのか、時間帯か、肝心の美術館は
土曜にもかかわらず空いていて、幸いすぐに入場できた。


娘が初めて見る京都市美術館http://www.city.kyoto.jp/bunshi/kmma/
建物を前に、家人が薀蓄を垂れる。

「これは帝冠様式と言って・・・」愛知県人の家人にとっては、
名古屋市役所や愛知県庁と同じ建築様式に、愛着があるらしい。
まあ、そういうことで、記念写真。http://www.teikan.net/


去年の夏、東京日本橋三越で、大理石の化石探しに
異様なほど熱中した娘は、
美術展を見る前に、建物の石壁に張り付いている。やれやれ。
子供用の音声ガイド、クイズ付き「入門編」に、娘は嬉々としている。
私達は、一般用の音声ガイド利用で、それぞれ自分のペースで見学。
こういうことができるようになったんだ・・・。成長したねえ。
娘に「アテネ」と「アテナ」の違いを教えたり、時々質問に答えながら、
ゆっくり鑑賞。テーマが絞られた造形鑑賞は、低学年でも大丈夫。
この夏の、大阪歴史博物館の大アンコールワット展で、
思いのほか彫刻に食いついてきた娘の
手応えのある反応が嬉しい。全く親馬鹿だなあ、我ながら。


必修の世界史未履修の問題が、世間ではかまびすしいが、
歴史は知っている方が面白い。絵を見るにしても彫刻にしても、
本を読むにしても何にしても。受験だけが人生じゃない。
学ぶ喜び知る楽しみを背景に、人の生活は豊かになるのだ。
世界の名品を前にして、何も知らずに佇むよりも、
各々その背景を思い描いて、物語を紡ぎながら鑑賞する方が、
どれだけ楽しく面白いか・・・と、しみじみするのだが。


神話の女神像一つとっても、ギリシア名とローマ名は違う。
神話の神々の相関関係を知っていると、日本と同じ、
この多神教の「神々の世界」は、人間臭くおどろおどろしい。
恋愛、戦争、親子、夫婦、恋人、その葛藤の生々しさに驚き呆れる。
知っていて見るからこそ、楽しい。歴史は楽しい。
近年映画で話題になった「トロイ」「アレキサンダー」から、
怪奇映画「メデューサ(ゴルゴン)」まで、
高尚なオペラから、あまたの文学作品・ファンタジー
小学生レベルの「スフィンクスのなぞなぞ」、
漫画「妖精王」や「聖闘士星矢」でさえも、
       この世界の知識があれば楽しい。


古代ギリシアの演劇、喜劇、悲劇。劇作家の彫刻を見ながら
高校時代の世界史の授業が甦る。
アイスキュロスソフォクレスエウリピデス」の覚え方。
「アイスクリーム・ソフトクリーム・売り切れです」と習ったのが懐かしい。
風邪で声が出なくなると、授業をカセットテープに吹き込んで、
MAXで流して、黒板を書いていた先生だったな。


ビーナス像の変遷を見ると、やっぱり思い出す「未来への遺産」。
歴史というもの、美術、美学、クロスオーバーな学問の世界の
ものの見方の切り口というものを、映像とナレーターの言葉から
感じ取った思春期を思い出す。


大学時代に1度、20代で2度、30代で1度、4回訪れたルーブル
今は「ダビンチ・コード」で、別の意味で有名になってしまった、
ガラスのピラミッド付きルーブルだが、まあ、それでもいい。
今度行く時は、娘も連れて行きたい。
そんな親子旅行が、したい。
子供用の美術展DVDを、カタログと一緒にゲットしながら、
かーちゃんの夢は、果てしなく広がる。

図説 ギリシャ神話「神々の世界」篇 (ふくろうの本)

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一日で鑑賞するルーヴル美術館 (とんぼの本)

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