Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

秋の日の一日

朝寝坊の日曜。朝食の用意(野菜スープ・食パン・鶏肉フライ・りんご)、
洗濯、食事。ベートーベンとモーツァルトをFMで聴く時間。
休憩。のんびり、パソコンに向かう。出かける用意。
近所の小さな神社へ、家族3人で七五三参り。帰宅。一服。
静かな住宅街。静かな町。静かな午後。


近所の大学は創立120周年。大学祭も終わりの日。散歩がてら、
後夜祭を眺めに行く。風が寒く、広い校内は後片付けの真っ最中。
そこここに溢れる若者達も、手元から巣立っていった存在だと思うと、
その言動も、おふざけやだらしなさ、賑やかさ、奔放ささえ、かわいい。
校舎の空中庭園から、周りの景色を眺め、空行く飛行機を眺める。
久しぶりに、金魚すくいを楽しむ娘。


応援団を先頭に、チアガールやブラスバンドがパレード。
この寒空にお臍まる出しミニスカートが、何とも言えぬ。
中央の舞台で、初めて聞く校歌。一同起立も通じぬ若者。
信じられぬほど大きい団旗を掲げたまま、後夜祭は進行。
中座して、風邪を引かぬうちに、帰宅の途に着く。
途中、寒がる娘のため、喫茶店で蜂蜜入りのハーブティ。
家人は香辛料・オレンジ入りのハーブティ。


余りの寒さに、急遽、夕食は石狩鍋風のスープと焼肉に変更。
水菜のしゃきしゃき感が嬉しい。お豆腐も美味しい。
でも、ちょっと昆布だし効きすぎで、娘には不評。
ちょっと味付けが濃かった、ごめん。
食後は梨で口直し。家人と娘はお風呂。
平日の家へと、北から南へドライブ。BGMはおじゃる丸
娘が突然、「おじゃる丸の、犬丸りんさん自殺したんだよね。
仕事ができなくなったから? 若くて柔らかい頃に戻りたかったの?」

おじゃる丸 ― オリジナル・サウンドトラック

おじゃる丸 ― オリジナル・サウンドトラック

おじゃる丸 ― オリジナル・サウンドトラック2

おじゃる丸 ― オリジナル・サウンドトラック2


娘よ、どこからそんなセリフを思いついてくるのだ?
少々おませな娘よ。かーちゃんはドキッとするよ。
七つの君に、「若くて柔らかい頃」なんて言われると、
かーちゃんは動揺する。君は言葉の意味をわかっているのか?
金魚の袋を握り締めたまま、車の中で、このCDを聴きながら、
君は、そんなことを考えていたのか?


そうだ、心が柔らかいうちに、君に色んなことを経験させたい。
この大学祭も、そう。君が大きくなって、大学に行く頃、
3人でこんなふうに歩けるかどうか、実際、心もとないから。
ちょっと焦っているかーちゃんは、君と色んな所に行きたいよ。
もちろん、とーちゃんと一緒にね。
ドラえもんの「のび太とおばあちゃん」の話を読んで、
涙している君。おじいちゃんおばあちゃんの愛情も、もちろん、
どんなに、君のことを思っているだろう、みんなが。


お休み。明日は代休。ゆっくり学童で遊べるよ。
かーちゃんは、仕事に戻る心の準備をする。
情熱大陸」でカリスマ左官と言われている、
久住有生(くすみなおき)の特集を見て、唸る。
専門職、専門家、仕事にかける人間の有り様に感動する。
そして、専門の仕事が形になって残る人を羨む。
かーちゃんの仕事は、形になるものは何一つ無いからね。
この思いや、意思や、志や、物の考え方の枠組みを、
伝えて行くだけが、仕事で生きている証なんだ。
楽しい時は少なく、辛い事が多い。確たるものが残らない。


娘よ、君に何を伝えられるだろうか、父と母は。
仕事人間で、普段かかわれないだけに、悩む。

壁の遊び人=左官・久住章の仕事

壁の遊び人=左官・久住章の仕事