Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

エイジア大阪公演

本日は「在りし日のプログレ少女」の愚痴です。
それでもよろしければ、お付き合い下さい。


別に最初から絶対行こうと思っていた訳ではなかった。
だけど、もう2度とスティーブ・ハウの音が聞けないかもよ、と思うと
情けなくも売れ残りの後ろの席のチケットを買ってしまった。
厚生年金会館、今一つ、音悪いから行きたくなかったのに。
そう、ファンってこういうもんなんだよね。懐メロにお金をつぎ込む。
自分の青春を蘇らせることはできなくても、すがりたくなる。
そんなコンサートだな、これって。


だって、プログレなんて、もう死語なんだもん。哀しいけれど。
だから、老残の無残な写真が載っているパンフはいらない。
年月を感じて、余計に落ち込むかもしれないから。
ELPの公演の時は、Tシャツや何だかんだとグッズを買ったけれど、
もういい、もういいんだ。音だけを胸に刻んでおきたい。
4半世紀前とどう違うのか、どれだけ聴けるのか、
それだけ、それだけだよね・・・。


大体、ここはロイヤル・アルバート・ホールじゃないんだよ。
何なの、この前奏曲と手拍子入場は? ま、許そう、イギリス人よ。
3階席。急斜面なので舞台は良く見えるが、何だ? この貧弱な照明。
60年代趣味じゃあるまいし、地味すぎる。持ち込み照明無し?
フットライトも無し? で、ハウの足元に引いてあるペルシャ絨毯は何?
申し訳程度の貧相なバックモニター。構成がまた下手。


全体的に見て、それぞれの持ち味は良くわかった。
サービス曲である、それぞれの背景のビッグバンドの曲を結構間違えたり、
甘い編曲でごまかしたりしたのは許せなかったけれど。
正面後ろでスティックを構えながら、「寸止め」でミスタッチ阻止。
危ない橋を何度も渡っていたカール。
ソロは相変わらず、見せて聞かせてくれましたけれどね。
しかし、君のドラムスってほんと、変わんない。
                  
         

Roundaboutでハウのギターを聞いた時は、
この1曲のためにチケット買ったのだと思った。
まあ、その後も、ELP・キングクリムゾン・バグルズ時代の持ち出しで
時間を稼ぐおじ様たち。度々の休憩はいい、歳なんだから。
でも、歌詞を間違ったり、ミスタッチで慌てたり、
バックスタッフとやり取りしながらイラついているのを見ると、
やっぱりちょっと哀しい。


でも、淡々と最後まで聞きました。
聞かせてくれたーやったーって感じのコンサートではなくて、
とにかく、みんな過去の思い出に浸りながら、
プログレの終焉を見届けているって感じだった。
だって、ケーハクなポップ化したイエスELP
訳のわからなさ倍増のキングクリムゾンの栄光をミックス。
そこに付いて来れるのかバグルス? 状態の空中ピラミッド、
何処へ飛ぼうと聴く人の思い入れの産物なんだから、
エイジアは。

詠時感(エイジア)~時へのロマン~ [でかジャケCD]

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クリムゾン・キングの宮殿 (ファイナル・ヴァージョン)(紙ジャケット仕様)

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エイジア、オリジナルメンバーの来日コンサート。
やっぱり来ちゃったよ。


カール・パーマーは相変わらずだね。遠目にも、一番若く見える。
目立ちたいけれど目立てなかったELP時代、
キーボードの御大とボーカルの太目の困ったチャンに、気を遣っていた君。
相変わらずそういう場面が見て取れたけれど、音は以前より少しタイトになった。
いや、力が無くなったとかじゃなくて、バランスよく叩いているのかな。
それにしても相変わらず、銅鑼(ドラ)が好きだねえ


期待していなかったけれど、ジョン・ウエットン、こんなに声良かったか?
ごめん、君、昔より良くなったかも。でも、この3階席はハレーションで
歌もギターも割れて聞こえるのが残念だ。全くもう・・・。
え、太目だっていい。グレッグの太り方に比べたら許せる。
クリムゾン時代のグレッグを知っていた人間には許せない太り方だから。
ジョン、君は頑張って歌っている。でも、歌詞を忘れて棒立ちになった
痛恨のミスをファンは忘れないよ。ちょっと許せんね。
「キングクリムゾンの宮殿」をやるからには、覚悟が要ったはずなのに。
                 

ハウ、あなたのRoundaboutのイントロが聞こえた途端、
夢じゃないかと思った。高校生時代に戻ったよ。
嘘じゃないかと思った。思わず涙が滲んだね。
1階席に居たら、ずっと踊っていたかも、私。
プログレの中で、最もイエスELPを愛するファンとしては、
あなたのパート以外は許せる出来ではなかったけれど、
枯れ木のようにやせ細ったあなたが、指先の動きはともかく
重そうにギターを抱えているのを見ると、何とも言えない気分。


まあ、俺は職人です、ギター弾きですっていう頑固一徹職人の
じーさんぶりが、また面白かったりしたけれど。
でも、グループの中では目立ちすぎたかも。
エイジアのバランスとしては、その音控えめにしても良かったかも。
アコースティックは言う事無いけれど、ごめん。
その音を聴くと、「海洋地形学の物語」で、リック・ウエイクマンが抜けて
君のギターで、抜けた音を処理した裏話を思い出してしまった。
音の響きが、やっぱりイエスだ。


庶民のファンファーレはELPファンには嬉しい。
アイススケートでもよく使われた名曲だ。(原曲がいいんだけれど)
でも、カールのドラムスは許せる。ハウ、その音でしゃばりすぎ。
キース・エマーソンとタメ張るのは無理なんだから、ジェフ、
君は即興部分忠実にコピーするか、徹底的に自分流にするかで良かった。
中途半端なアレンジで、むかついちゃったじゃないか。
でも、まあ、ラジオスターの悲劇ではちゃんとお株を守れたかな?
バグルズ時代のイメージを崩さずに。
まあ、器用なのは良くわかった。先輩キーボードにいかに憧れ、
この世界に入ったのかっていうのを、ちらりと思い出したよ。


アンコールまで大事に取っておいた Heat of the momentで
さようなら。やっぱりこの曲がラストだと思っていた、最初から。
みんな、お疲れ様。
1) Intro 2) Time Again 3) Wildest Dreams 
4) One Step Closer 5) Roundabout 6) Without You 
7) Cutting It Fine 8) Steve Howe solo (incl. clap) 
9) Fanfare for the common man 
10)The smile has left your eyes 
11)Don’t cry 12)In the Court of the Crimson King 
13)Video killed the Radio star 14)Here comes the feeling 
15)the Heat goes on (drum solo) 16)Only time will tell 
17)Sole survivor
Encore
1)Ride easy(acoustic) 2)Heat of the Moment

ELP 四部作(紙ジャケット仕様)

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こわれもの

こわれもの