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癒しフェアとは?

大阪初の「癒しフェア」なんだそうだ。
陸の孤島インテックス大阪で。
仕事柄、とりあえず覗いておくことにした。
変わり毛糸の手編み猫耳帽子を被った娘同伴、
お陰で色んな人から声をかけられ、地下鉄で
乗り合わせた方からチケットを頂き、無料で入場。
それにしても、余りの人出に驚いた。


はっきり言って、どこが癒しかわからない。
癒しフェアに来て疲れが倍増したというか、
現代社会のの病巣の根源を見たというか、
予想外の、面妖な世界が展開されていた。
いや、これが癒しなら、やっぱり社会は病んでいる。
キリストが見て怒り狂って叩き壊した
市場と化したエルサレムの神殿と同じだな。


癒しは一方的に与えられるものではない。
無条件に天から降って湧いてくるものでもない。
まして、人の弱みに付け込んで利潤に走るものでもない。
もちろんそれを商売にしたい人は、幾らでも居るだろう。
言葉だけなら幾らでもカモフラージュできる。
この国の偉いサンのように、格差を広げ教育と福祉を圧迫し、
よその国が放棄した政策をさも立派なもののように取り上げ、
美しい国」を作るのだと嘯(うそぶ)いている。
そんな国のイベントに相応しい、禍々しいものだった。


ひとところ流行った「自分探し」という呪文。
探しているだけで、何もしない、何も創ろうとしない、
悩んでいるだけで関わろうとしない、
逃げてばかりいることを正当化したような、言葉。
本当に自分を探す者は、受身で生きてはいない。
能動的に行動する。自発的に行動する。自立している。
本質的な癒しは、そこに繋がる。


単に受身で与えられることを待っている、
何かの作用で一方的に浄化されたり
守られたりすることなどありえない。
自ら行動・鍛錬無しに、すがったり、
期待・依存する所からは生まれない。
ここでの「癒し」は蜃気楼のようなもの。
むろん、意味づけは人それぞれだろうが。

心を商品化する社会―「心のケア」の危うさを問う (新書y)

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沖縄ダークサイド (宝島社文庫)

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見本市なら見本市らしくすればいいのに、
「癒しフェア」とは姑息なネーミングだ。
夜の闇に紛れて、もしくは胡散臭い環境の下で
こっそり行われる密議・秘儀のような雰囲気の
占い、リーディング、オーラ等の類。
まるで神社仏閣を失った狐狸妖怪の類が、
人間の姿を借りて現れたかのような一角の出現。


人に救いをもたらすのか、本当に守りになるのか、
チャクラや運命や悩みを司る霊験あらたかな石の類。
一番の多いのは水晶やメノウの類だが、
縁起物はともかく高級なテキヤの屋台と変わらない。
そう、癒しフェアの名前を借りた祭り、縁日。
あぶく銭を掠め取る商売を、近代的に行っているに過ぎない。


様々な水、蜂蜜、プロポリス、ダイエット食品、健康食品、
リンパマッサージ、ロミロミ、エステ、アロマセラピー
カラーセラピー、アニマルセラピー、書籍、ワイン、
講演会、ヨガの体験、メイク、ヘアケア、健康医療器具、
何故か世界遺産熊野古道の案内、お茶を点てるコーナー。
よくまあ、これだけ色々有象無象に集めたものだ。


ビジネス面から言えばチャンス、きっかけ、出会い。
そうかもしれない。でも、一般の目から見て、どうか。
営業スタイルとして洗練されているブースと、
お世辞にも? という所と。
ひどいのは某リンパマッサージ。手技も荒く、
説明もいい加減。アドレスをはじめ、
みんな、よく個人情報を平気で書いていくね。
おまけに、むくつけき男性営業では。


もっとひどいのは、健康器具。○%引き、今日契約すれば
勉強するよ、ついでに代理店販売の権利も付けて、と
膝の上に直ぐに購入契約を書かせようとする。
体験錯覚型押し売りと見た。要はマッサージ器を、
幾ら売るかにかかってくるわけだ、この2日間で。
権利も付けて、ねずみ講か? 不幸の手紙か?


ストレス測定、生活習慣病・・・ためしてガッテンで見た
血液サラサラ詐欺」とあんまり変わらないかも。
このコーナーは、お金を持っているある一定の年齢以上の
不安を煽って誘導しているとしか思えない。
少なくとも「癒し」にも「気休め」にもなっていない。


私の見方がひねくれているのかしら?
癒しフェアに見たのは、フリマよりも不健康な見本市。
マッサージもエステも嫌いじゃない。でも・・・、
禍々しく集まりすぎた、薄っぺらな胡散臭い集合体、
そういうものしか見えてこなかった。


娘にきれいに結晶が見えている透き通った水晶柱、300円。
サヌカイト並に音の美しい、モビール型の縞瑪瑙の風鈴。
娘が味見して気に入った、蒲公英味の蜂蜜を購入。
娘が気に入ったのはお手前をさせてくれる体験コーナー。
君が生まれて初めて立てた泡の無いお薄を、
かーちゃんはありがたく飲んだよ。
私も久しぶりにお茶を点ててみて、
まだ腕前が衰えていないことだけ確認。(笑)


娘よ、癒しは君の中にある。
私の癒しは、君を育て君と過ごし、
君と家族でいることの中にある。
喜びも悲しみも、疲れも癒しも、共にあること、
共に創ること、共に味わうことの中にある。
癒しはここにある。
・・・君にとって、癒しとは何?

愛と癒しのコミュニオン (文春新書 (047))

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人生を豊かにする英語の名言

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