Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

眠い体に戻る

年度末の仕事、家人の掟破りと予想される血液検査の結果、
母のハレホレヒレの物忘れ状態、気に病んでも仕方ないのに
気に病まざるを得ない、その結果、体がバキバキ。
体を横にして眠るのが辛くなる、座って寝る方が楽。
でも、そうなると余計に体が疲れる。悪循環。
鞭打ちの後遺症が、忘れた頃にやって来る感じ。
手足に痺れが出て攣り始めたら、出かける行きつけの場所。
こういう時は、10年以上のお付き合いの鍼灸院。
という訳で昨日の午前中、休日を幸い、出かけました。


鍼灸師の先生は、4つ年下。もはや気心の知れた仲。
デスクワークとストレスで動かなくなる肩・背中・腕・首。
整形外科で治らない腰の痛みも、ここでは取れる。
「腰痛は怒りである」だから? とにかく早く痛みを取りたい。
必要な時直ぐに。器質的に問題が無ければ、手っ取り早く。
運動不足・睡眠不足はわかっている。
自分で解消できないから、ここの先生に頼る。


先生が尋ねる。「今日は仕事に戻らないよね?」
職場から直行して痛みを消して、直ぐまた仕事に戻る。
そんな荒業を強行して仕事をすることを知られているから
尋ねられるのだが・・・。「うん、今日は休み」と答えた途端、
「じゃあ、強くほぐしておこう」と言われてしまった。
しまった・・・。やられたー。

からだをほぐすこころをゆるめる―東洋医学の養生法

からだをほぐすこころをゆるめる―東洋医学の養生法


鍼灸には好転現象として、「瞑眩現象=めんけんげんしょう」がある。
痛みが取れて、体がほぐれ血行が良くなり、
体がだるくなったり暖かくなったりする症状だが、
要は殆ど寝ていない私に、強制的に「休憩」を強いる訳で、
猛烈な眠気がやって来る。(微熱と倦怠感も押し寄せてくる)


本来休むべき正常な状態に、鍼の力で戻す訳だが
寝てしまったら何もできなくなってしまう・・・。
しかし、体を横にして寝たいという欲求がどんどん強くなる。
時に鍼灸院のベッドでしばらく寝ている時もある。
家では寝られなくても、鍼を打った直後は全く無防備な体。
「眠たい」と、素直に表現する体に戻っているのだ。


整形外科のPTの先生に、自分が診てきた中で恐らく1番堅い
鉄板のような背中とお墨付きを頂いた体に、
血が通うと急激にカロリーが消費されたような気持ちになる。
だるくて、眠い。難しいことを考えるのが嫌になる。
鍼の先生はそれを狙って「いつもより強くほぐす」と宣言する。


内臓が冷えていると言われている。
まあ、身も心も冷えているさ、と開き直る。
先生は私の愚痴を聞いて、サラリと流す。
「それだけ色々あったら鍛えられて強くなっただろう」
「うん、まあね」
「なるべく続けて来るようにしたら、もっと眠れるし、
 体もほぐれてくるから」・・・わかっているよ、先生。


人間眠って忘れるのが一番。眠っている時は平等。
なのに、横になって眠るのが怖い時がある。
横になって寝ている人を見るのが怖い時がある。
そういうお馬鹿なことを考えずに、眠気に逆らわず
いつの間にか眠ってしまえる体。
そういう体にさせてくれる、眠い鍼。
暖かいけだるさを連れて来る、眠い鍼治療。
お陰で娘の発表以降の曲は、殆ど寝てしまった。

いやしの鍼

いやしの鍼