Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

音楽教室の発表会

娘にとって音楽教室での初めての発表会。
習い始めて3年目だが、幼児クラスの時は家の都合で出なかった。
場慣れしている他の子と比べて、
どうかな・・・?と気を揉んだのは親の方。
本人は全く緊張感が無く、集合前は友達とロビーで走り回り、
席に戻すのに一苦労。親の方が大丈夫かなと緊張。
なんてこったい。


プログラムは7番目。トイ・シンフォニー。
え? なんでおもちゃの行進曲って言わないの?
編曲してあるから? 作曲者名って書かないの?
モーツァルトの曲って司会で言っているけれど、いいの?
私が子供の頃はハイドンだった。
それからは、モーツァルトの曲と言われ、
その父親の曲だと言われ、現在では・・・
Toy Symphonyの作曲者は無名のエドムント・アンゲラー
・・・じゃなかったの?


連弾用の楽譜を、4つのパートに分けているわけか・・・。
え? ステージアで弾くの? フロッピー入れて?
これはオルガンやピアノの発表会じゃない。
エレクトーン、シンセサイザーの力を借りているだけじゃん。
ええー? 一本指の演奏会なの?
3年も習ってきて、冗談じゃない、これが発表会?

クラシックのおもちゃ箱

クラシックのおもちゃ箱

  • アーティスト: オムニバス(クラシック),福田一雄,ベッカー(ゲルハルト),フィードラー(アーサー),マルティノン(ジャン),ジュリーニ(カルロ・マリア),シュモーラ(エンメリヒ),ヤンドー(イェネ),マンドッツィ(グラツィシーノ),アンサンブル・シンフォニエッタ,デムス(イエルク)
  • 出版社/メーカー: ポリドール
  • 発売日: 1996/09/01
  • メディア: CD
  • 購入: 2人 クリック: 18回
  • この商品を含むブログ (3件) を見る


何の気も無しにボーっと習わせて来ていた。
大昔、自分が習ったことのある音楽教室だから。
でも、時代が違っていることに気が付いていなかった。
ピアノの個人レッスンでもない限り、それも、
エレクトーンではなくて、ピアノを希望しない限り
発表会はエレクトーンのみだ。
ピアノは発表会の会場から異なるらしい。


エレクトーンを、頭から嫌っているわけじゃない。
ピアノ以外の、色んな音が出せるのは楽しい。
伴奏を勝手に付けてくれるアンサンブル機能も、悪い訳じゃない。
でも、私は右手の主旋律さえ弾けば勝手にアンサンブル、
分散和音が付いてくるコンピューター演奏でもって、
自分がいかにも上手に引いているような錯覚に陥って
曲の中に取り込まれていくのは嫌いだ。


自分が出した音がどんなに拙くとも、
責任を持って自分の音を出して欲しいのに、
演奏できていますよと煙に巻いたような形での合奏、
コンピュータの補助が当たり前で、そういう形を
「音楽を楽しむ」と表現されることに抵抗がある。
こんなふうに考えるのは古い人間だからか?


ガンガンのプログレのキーボード達は、
右手も左手もきちんと使えるテクニシャンだった。
基礎にはクラッシックの指使いがあって、
キーボードの発達と共に、音を創り上げていった。
機械で作る、音やリズムの広がりを制御して行ったのだ。
なのに、今時の発表会は練習の時と違って、
一本指に限りない可能性があることを知らせるために
機械のアンサンブルを勝手に付けさせて立派な曲に
仕上げるのか、それが楽しく演奏できたということなのか。


残念ながら、娘がどのパートを弾いているのか
殆ど聞き取れないくらいだった。
かろうじて、間奏曲のソロの部分だけは聞き取れたが
ベース・左手通奏低音部分をを担当している
娘のパートの音は殆どわからないくらいだ。
親として、もどかしい気分。納得できない。
出来上がっている音楽は、元気な子供の演奏というより、
シンセサイザーの奏でる、やかましい編曲の音楽だった。


娘は一番前で、真剣な表情でステージアに向かっている。
それだけが嬉しかった。一生懸命弾いているのだ。
初めての舞台で頑張っているのだ。
親バカにとっては、それだけで嬉しい。
娘にとって初めての音楽発表会は、
親にとっても、色々考えさせられる発表会になった。


記念撮影も終わって、みんなとお揃いの白い半袖、
デニムのスカート、フリルの靴下で跳んではねている娘、
「ぜーんぜん、きんちょーしなかったよ。お母さん。
 楽しかったー。また来年出てもいい?」
もう来年の話か? 娘よ、君はタフで明るいなあ。
・・・かーちゃんは、疲れて眠たいよ。
という訳で、帰宅後ラーメンの遅い昼食。
みんなでお昼寝をしたのでした。


とりあえず、古い頭の私は、自分の手で
どれだけの音がでるのか、合奏すると
どんな音になるのか、キチンを見極めた演奏を聞きたい。
素晴らしい演奏の可能性を教えるのと、
発表会で演出される派手な伴奏付きの、
実力以外の発表会が、低学年の音楽の楽しみ方ですと言われたら、
そんな妙な万能感を植えつける発表会は、ごめんこうむりたい。
むろん、弾いて楽しむ主体者は娘だろうが、
親としての私は遠慮させて頂きたい。

ワルツィング・キャット~子供のためのオーケストラ・ポップス・コンサート

ワルツィング・キャット~子供のためのオーケストラ・ポップス・コンサート

モーツァルト父子:おもちゃの交響曲、そりすべり、ドイツ舞曲他

モーツァルト父子:おもちゃの交響曲、そりすべり、ドイツ舞曲他