千の風になって

お弁当を作り、娘を学童に送り出し出勤。
母が気になって昼に様子を見に行くと、案の定何も食べずにいる。
父だけが勝手に食べていて、適当に食べたらいいとほざく。
やれやれ、だから任せておけないんだよ。
仕方なく、昼食を作り職場に戻る。
良くぞ有給休暇を年度末まで貯めていたものだ。

歳は離れているものの、職場で数少ないママ仲間で、
一緒に色んな企画をした10年選手の後輩が転勤する。
お別れにお茶に誘った。こういう出会いはそう無いだろう。
もちろん私がご馳走した。いつか、彼女もそういう立場になる。
この歳になって、昔何も知らない若い頃、ご馳走してくれた
先輩達の気持ちが、ほんの少しわかるようになってきた。

大急ぎで帰宅。夕食をこしらえ、食べさせ、研修へ。
残念ながら私は食べる暇が無い。非常にお行儀が悪いが、
電車の中で何かを口に入れ、飲み、･･･毎回これだ。
逃すと、10時半まで何も食べられなくなる。
夜中に食べるのは避けたい。

勉強会に遅れて出席。母の入院中に出られなかった分の
資料を受け取り部屋に急ぐ。いきなりテープが回って、
「千の風になって」が流れ始める。･･･？
話の流れがつかめない。どういう展開になっているのか？

千の風になって スペシャル盤

千の風になって~スーザン・オズボーン名曲集

ここには色んな人が集まる。医療・福祉・教育関係はもちろん、
専業主婦も学生も、昼間はもっと様々な職業の人が。
ただし、みんな女性。それぞれ背負っているものがある。
ここで話し、学び、分かち合うことをどう受け止めるかは、
自分次第なのだが、遊び半分では来られない。

喪失感を抱きながら、心の痛みを抱えながら、
自分の体と向き合い、家族と向き合い、仕事と向き合う。
女性を取り巻く現状、家族の在り方、個人としての生き方、
それぞれに背負っているものの重さを実感しながら、
「千の風になって」を聴いている。

お互いの経験・体験・思っていること、感じていること、
何をどんなふうに失ったか、または得ることができたか、
これからどうしようと思っているのか、どうしたいのか、
今話せる状態ではなくても、人の話を聞いて振り返ることはできる。
自分を重ね合わせることはできる。そういう時間を持ちたいと思う。
その場で得られるものに、自分を委ねていたいと感じる。

自分というものから離す事のできない、個性。
性、体、心、家族。生、老、病、死。
代理出産が話題になる中で、新聞には取り上げられない
妊娠･出産・中絶を取り巻く社会状況。
結婚・離婚、不妊治療・養子縁組、
子宮･卵巣の摘出、医療現場での出来事、対応。

私達は話題には事欠かない。ただ、話せる場所を求めて
人の話が聞ける場所を求めて、集う。
安全で守られた場所。そこで自分を見つめ直すために。
人を信じる力を取り戻すために。
繋がりを作り上げるために。
話ができる場所を求めて、集う。
私達は、自分が風になることを知っている。
風になれることを知っている。

絵本 千の風になって

あとに残された人へ 1000の風 (ポケット・オラクル・シリーズ)