Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

料理、お昼寝、散歩

子供の頃、小学校低学年の頃。子供会行事だったのか、
教会の日曜学校の行事だったのか、定かではない記憶。
カラーセロファンに包まれたイースターの卵を、
公園だったのか、よそのお庭だったのか、
草むらや物陰に隠された卵を求めて、探し回った。


魔法のような色をしている卵、斬新な卵、
包みを開けてみれば、白い卵。剥いてみればゆで卵。
でも、食べていいのかどうかわからないまま、
そのまま食べていいのかどうか、迷ったまま食さず。
結局食べずに傷ませて、捨ててしまった。


イースターが来ると思い出す。あの卵を食べていれば、
「復活」のお相伴に預かることができたのか、どうか。
「復活」という言葉の意味さえ知らない、わからなかった頃。
何のために誰が死に、どのようにして蘇り、どうなったのか、
全く知らなかった頃、幼い頃・・・。


海外ブログはイースター休暇の話で盛り上がる。
溢れる花、色とりどりの飾りつけ、凝った細工の卵。
うさぎグッズ。そして、ミサ。
いずれにも無縁のまま、ボーっと1日が過ぎてゆく。
ささやかに「復活」気分を味わいたいのに・・・。

ア・イヤー・フロム・イースター

ア・イヤー・フロム・イースター


昨日の勉強会と、造幣局の夜桜見物で疲れたのだろうか。
胃の痛みは消えても、だるさは強くなったような気がする。
倦怠感。いやいや、ここでめげてはならぬ。
同様に不眠気味の家人の為にも、娘の為にも、
ちょっとした美味しいものを。


鶏がらで晩用のスープを取る。その間に卯の花を作ってみる。
今日のおからに入れるのは、人参、玉葱、
あ、牛蒡が無い。乾物のキクラゲ、海草類少々、豚肉、
乾燥のどんこしいたけを戻した汁で炒り煮、
砂糖、醤油、酒、オリゴ糖、タイ料理で使う甘味噌少々。


冷蔵庫の中身を整理するためにも、有り合わせの材料で
和風の「卯の花」からは遠ざかるものの、
仕上げにネギの小口切りを散らして、完成。
浅葱は無かったから、とりあえず、今あるもので。
娘に美味しいといわれて満足。しかし、おからって
どうしてこんなに増える? 予定より遥かに多い。


料理をし、手先を使っている時は楽しいのに、
作って食べると、どっと疲れが沸いてくる。
今までの寝不足も、明日からの仕事疲れも先取りしたかのように、
体の芯が鈍くなるような倦怠感、
思わず倒れるようにお昼寝。


夕方、あちらこちらの桜を見ながら図書館へ。
桜を追って近所を散歩。いきなりギリシャ正教会がある、
不思議な住宅街。ミサは夜中から明け方までだったらしい。
ああ、どんなに荘厳な儀式だったのだろうか、
来年は参加してみることができるかしら?
キリスト教徒でもないのに、それは不謹慎か・・・。
張り紙を見る私に娘が尋ねる。「イースターって何?」


夕闇に浮かぶ小さな銭湯、細い坂道、桜吹雪の吹き溜まり。
社宅の入り口、カレープランツ、ローズマリー
花にらの香りに包まれる、小さなときめき。
夕闇に香る家々の夕餉の匂い。小さなざわめき。
冷えたコンクリートの階段に響く、軽い足音、娘の気配。


復活祭の思い出の向こう側、一心に卵を探す昔の私。
探すことが目的? 卵はどうすればいい?
・・・そう、わからない。まだこの歳になってもわからない。
特別な卵は食べてはいけないのか、食べてもいいものか。
「食べなさい、これは私の体。飲みなさい、これは私の血」
では、卵は? 鶏が先か、卵が先か。


私は、何が生まれる卵を探している?
私は、何の復活を願う?

十字架への道、復活からの道―レントとイースターのメッセージ

十字架への道、復活からの道―レントとイースターのメッセージ