Festina Lente2

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花鎮め、魂鎮め

花が散る頃、流行り病があるそうな。
花腐し(はなくたし)の雨の頃、木の芽時、春先、
黄砂の頃、流行り病があるそうな。
昔から自分の生まれ月は要注意、体を大事にという。
世間では、春だからおかしくなる人もいるのよね、
なんて言い方をする。どう、おかしくなるって言うんだか。


でも、おかしくなってしまった人が、信じられない事件を起こした。
そんなふうないい方をする人もいる。
やっぱり春だからねえ、なんて。
春のほうもいい迷惑だけれど。


「しづ心なく花の散るらむ・・・」
心穏やかならぬのは花ではなく、人。
心から、気の持ち方から、体の不調を招くのは、人。
もとより花に罪があるはずも無く、
「疑ひは人間にあり、天にいつはりなきものを」の世界。

からだに効くハーブティー図鑑―厳選98種のハーブティーカタログ

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こころと体に効くハーブ栽培78種

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という訳で、帰宅途中のカーラジオから流れてきた
花鎮めのニュース。言葉は知っていても見たことが無い祭。
鎮花祭、魂鎮めの祭り。
大神(おおみわ)神社、狭井(さい)神社の行事について。


霊験あらたかなる故、古来信心厚く、薬関係の方々も
沢山お参りされるとか。
そう、市内には疎い私だけれど、
大阪には製薬会社、薬問屋が沢山あるんだった。
商売繁盛だけではなく、心に感じ入るものあって、
多々、祈り奉ることもあろう。


家族に病人が出たりすると、近所からたまに、
「霊水」「ご神水」なる水を頂くことがある。
何も新興宗教ではない。美味しい山の湧き水、
清水だったりするのだが、体に良いとわざわざ下さるのだ。
この狭井神社の薬井戸の水を求めてくる人も多いとか。
一度はお参りしてみたい、春に歩きたい山之辺の里。


美しい花を見て心癒される人もあれば、
狂おしい物思いに取り憑かれる人もいる。
何ゆえに、美しい花の季節に、
人をも自分をも殺めたくなるような衝動に走るのか。
自然の中に隠された悪意にも似た、破滅的な眩暈、
破壊への衝動があるとでもいうのだろうか。


自らを傷つけるという、自然の理に反する行動を、
自然そのものを傷つけるという行動を、
最も顕著に表す生物、人間。
その人間に付ける薬はあるものか。治す薬はあるものか。
もはや、薬に頼ることはできない。


花鎮め、魂鎮め、和魂(にぎみたま)、荒魂(あらみたま)、
新たなる災い為すことなく、穏やかに過ぎて欲しい。
人の世の、ささやかで切実な願いを、
雨の日に祈る。心密かに。

ハーブ&アロマ事典―味わう・つくる・香りを楽しむ95種のハーブ

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