問題意識に名前はあるか
ゲーテは言ったそうだ。
「名が何だ、薔薇は何の名前で呼んでも、良い香りがする」
5万人が中退だそう、私立大学。そりゃ、そうだろう。
第一面、新聞記事を見ても、何の不思議も感じない。
勉強したいことも、やりたいこともなく過ごしてきて、
働きたくないからとりあえず学生をしたい、と思っている学生大半。
「学生=遊ぶ人」という憧れが妙に強い、中高生。大学入学まで
散々遊び倒してきた者も多いはずのに、
本人たちは、「勉強した気」になっていたりする。
お粗末な受験勉強レベルでも。
何といっても、アジアで最も勉強しない小中高校生を有する、
未来への希望や展望が持てない国、日本の若者。
それが、囲い込み運動よろしく、きめ細かい指導を受けぬまま、
檻のような建物の中で一定期間飼われて、年齢順に先送り。
これが教育現場何だから。
何より、教師は冷遇されているから、「教師や教育なんて最低」と
思われているしね、残念ながら。
(医師免許がありながら、空き時間の有効利用と称して
駐車場整理をさせられたって世界も、驚愕だけれど)
ゆとり教育で、自ら考える前に考える面倒くささを放棄。
考える=とりあえず、一部の人間に任せればいいこと
感じる=どうしようが「自由」だから、
気に食わないと文句を言ってもいいこと
辛いことはできるだけせずに、「ありのまま」を受け入れてくれる
そんな寛容さをひたすら求めて、「熱いうちに打たれたことの無い」
もはや鉄にはなれない、若者たち。
操作された情報に、何の疑問も抱かない羊の群れに育成されて。
私立大学の先生方、常勤は少ない。最近は国立でもそうかな?
山のような非常勤を雇っている。
そうやって、学校としての体裁をどうにかこうにか整え、
支えてもらっているといって言いのだが。
学生管理とその資質向上の責任を負わなくても良い、
ゼミを持たない講師は元より、
学生も教員と向かい合うことはしない。
議論も討論も、喧々諤々は理論武装ではなく喧嘩だと思っている。
仮定も想定も無い、単語羅列世代には期待できない。
各論・総論・語学講座、必修とはいえ、学生は手を抜きまくる。
勉強する気持ちなど最初から持ち得ない学生に、
学問の初歩たる「レポート」なんぞ課したら、
どんな悲惨なことになるか・・・。字も文章も書けないのに。
そんな学生の手間隙かかる指導に時間を取られるくらいなら、
自分の研究に時間をかけたい講師・先生方が、
給料以上の仕事をするわけ、ないでしょうが。
- 作者: ヒラリーパトナム,Hilary Putnam,藤田晋吾,中村正利
- 出版社/メーカー: 法政大学出版局
- 発売日: 2006/07
- メディア: 単行本
- クリック: 5回
- この商品を含むブログ (20件) を見る
- 作者: 岡部恒治,西村和雄,戸瀬信之
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2000/03
- メディア: 単行本
- クリック: 3回
- この商品を含むブログ (3件) を見る
私学の先生が、いけないのではない。
みんながみんな、大学に行こうとするのがおかしい。
小中高の学歴で就職できない社会、
大学を出たと言えるのか疑問な、無能力学生量産、
オーバードクター量産、学士様の能力差も甚だしい世間。
象牙なんて見たことも無い世代の象牙の塔、だからね、
この先どうなっても、仕方が無いかもしれないけれど、
研究費用もなく勤め先も無い、現実。
別に大学だけが悪いのではなく、
送り出す高校側だけが悪いのでもない。それにしても・・・
掛け算も九九も漢字の書き取りも満足にできない者も、
進路保障の名の下に高校に進学し、大学に進学する。
「進学」なんていう名称の虚しいこと。
学ぶ気持ちもなく、何かを与えられて、
運が良ければやってみてもいいかも、「かも」でしかない。
心の底から何かをしたいと望んでいるのに、
何も無い、させてくれない、教えてくれない学校が悪い
先生が悪い、社会が悪い、親が悪い、と若者はいう。
大学を中退して、辞めたくなったのは、
高校で進路変更せざるを得なくなったのは、
中学で色々あったのに、配慮のある転校が許されなかったのは、
小学校で・・・
全て回りだけが悪い?
ゲーテは言ったそうだ。
「名が何だ、薔薇は何の名前で呼んでも、良い香りがする」
進学が何だ、中退が何だ、学問が何だ、
何の名で呼んでも、自分の問題だと思えない者にとっては、
何の意味も無い。
- 作者: スティーヴン・P.スティッチ,Stephen P. Stich,薄井尚樹
- 出版社/メーカー: 勁草書房
- 発売日: 2006/08
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 28回
- この商品を含むブログ (19件) を見る
- 作者: 潮木守一
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2004/09
- メディア: 新書
- 購入: 3人 クリック: 136回
- この商品を含むブログ (36件) を見る