Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

夏服を出して

布団干し、クリーニング、洗濯機を3回、掃除機、コロコロ、
味噌漉しで味噌を漉して、具沢山の味噌汁を作る幸せ。
最近トンと生意気になってきて、何か言うと「それが?」と
言い返すのが口癖のようになって来た娘も、朝は大人しい。
そう、今日は夏服を出して、半袖で出かけよう。


でも、ランチを一緒に食べたかったのに、
結局家事に時間を取られて、2人は海遊館へ。
私はまたもや昼食抜きで、ぎりぎりに駆けつける。
本日のテーマは性暴力。昨日の出張に続き、これか・・・。
DV・セクハラ・パワハラ・レイプ・虐待、
毎日のキーワードがこれでは、なあ。
ふう。

DV(ドメスティック・バイオレンス)--殴らずにはいられない男たち (光文社新書 (010))

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強盗罪よりも罪の軽い強姦罪、致傷強姦罪
被害者本人が立証しなければならない理不尽さ。
明治以来の、女性の価値の恐ろしいまでの低さよ。
セカンドレイプ、2次被害、泣き寝入りの実態。
礼儀正しい社会人の仮面の裏の、支配欲。


世間でよく言われる、虐待されて育ったから虐待を行うという
負の系譜は絶対ではない。むしろ、本当の気持ち、本音、本心を
理解されずに育った者が、歪んだ価値観を反映させる対象を求める。
「自分を2倍に映す鏡」を以ってして、心の拠り所とする。

               


職業・年齢にかかわらず、自尊感情の低いまま、
性的幻想をファンタジーとして、自分を主人公として夢見ている間、
現実は、幻想を裏切る形で現れる。
最もむごい形で、被害者を生み出すことになる。
相手は、夢見る人間を主人公になどしてくれる筈も無く、
白馬の王子様でもない。


PTSDは精神症状ばかりではない。世界の境目、身体症状、
皮膚疾患に多く出る。当然、免疫機能は落ちる。
サバイバーは、傷が癒えているのではない。
傷を抱えて生きる努力をしているだけで、元通りにはなれない。
真っ白な紙に、幾度も折り目や皺が付いたら、
アイロンをかけても、元の状態には戻らないように。


昨日に続き、厳しい現実の話が続く。そう、これが現実。
さすがに今日は延長戦はしんどい。
そう、実際、カウンセリングには限界がある。
社会制度も、法整備もまだまだ。保障も整っていない。
この問題に限らず、世間は「冷たい」存在だ。
何かあっても、治療・相談・入院するにしても、先立つものはお金。
親類縁者、保証人がいなければ、身動きが取れない。
単身者は、緊急避難場所も見つけることができない。


弱者は、いつまでも弱者であり続けるのか?
治療や、援助に行き着くまでに壁ばかりある現状。
その中で何を手がかりに、どこを目指していけばいいのだろう。


だから、こんな日は、美味しいご飯を作る。
脂の乗った鮎の塩焼きに蓼酢。お刺身に柚子わさび、
長芋と茸の味噌汁に、三つ葉を散らし、イカの塩辛。
のりたま、梅干、いぶりがっこ
プーアール茶に、抹茶味のピノで締めくくる。
食後のおやつは、アンズ味の信州限定ハイチュー。
      

海遊館で遊んできた娘を羨ましく思い、
そうやって無邪気に遊べる日々を、時間を、相手を確保できるよう、
いつまで守れるだろうかと思い、守ってやりたいと切に願う。
好奇心・独立心・旺盛になって生意気になってきた娘に
手を焼きながら、反抗する力も必要なのだと思いつつ、
少しずつ、この手を離れていく寂しさに直面しながら・・・。


かーちゃんは、せめて美味しいご飯を作ろう。
週末ぐらいは奮発したおかずで。味噌汁の味噌は漉して、
滑らかな口当たりを覚えておいて貰いたいから。
娘が研いでくれたお米を、炊き上げ、3人で食べる幸せを、
この週末、味わいながら。


ささやかで、大事な、週末の食事を作りながら、
夏服を、全部出す段取りをする。
日々成長する娘が、日々脱皮するように大きな服を必要とする。
その心と体の成長に追いついていけないのは、かーちゃんの方。
だから、かーちゃんは弱音を吐きつつも、強くなりたくて。
・・・ね。

子どもと暴力―子どもたちと語るために

子どもと暴力―子どもたちと語るために

あなたが守る あなたの心・あなたのからだ

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