Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

ネズミーランド

病気にならないのが不思議なほどの、ネズミの害を受けている。
山の中の一軒家に等しい実家は引っ越した当初、
洗濯機の中に蛇が入り込んで来るほどだった。
野ねずみにしろハタネズミにしろ、(ドブネズミは無い)
とにかく、ネズミやゴキブリには事欠かない情けなさ。


実家の母は、大好きな植物の世話はするが
一人で買い物や外出はできなくなってきている。
食事に誘っても知らない人がいるから、
誰が作ったかわからないから、
自分でも創られるものにお金を出すのは嫌だから、
何かしら理由をつけて出て行かない。


残念なことに、病気で嗅覚を無くしているので、
冷蔵庫だけではなく、ネズミの匂いも気が付かない。
あれほど大事に世話をしている植物たち、
野菜のみずみずしい香りや、花の香りからも遠ざかるにつれ
心の中も乾燥していっているのだろうか。
ネズミは柱やドアや隙間を齧り、木屑を積み上げ、
新聞紙を引きちぎり、食パンを食い散らし、
小麦粉をべとべとにしている。なのに・・・。


年を取ると、好きなことしかしなくなるせいもあるだろうが
我が家がネズミの糞尿にまみれて、
ごみと化すのを見逃すわけには行かない。
自分の領内侵犯に等しく不快な様子を見せる母であるが、
二日間、この週末はネズミ駆除に精を出した。

安心して住める ネズミのいない家 (講談社+α新書)

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写真で見る有害生物防除事典

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ここがディズニーランドなら、娘と2人で楽しめる。
(実際、ディズニーランドに初めて行ったのは去年の今頃)
ミッキーもミーニーも、愛すべきキャラクターだが、
私は実物たちの家主になるつもりは無い。
梅雨時の、ただでさえ食物の傷み易いこの時期、
食器棚の隅や、置いてある箱の裏、カーテンを伝って、
娘の食べ残したおやつどころか、ウエットティッシュ
石鹸、何でもござれで喰いちぎり齧り倒す、このやから。


沢山詰まれた物品の物陰で、横倒しになっていた花瓶を洗おうと
水を入れたら沸いて出てくる新聞紙の切れ端。
??? そのうちに水と一緒に出て来る出て来る、ネズミたち。
もう、これが白いハツカネズミだったら手品で拍手喝采といいたい位。
飛んで火に入るではなく、水に入るネズミたち。
いや、そういう問題ではなくて、一体何匹どこにどれくらい?
眩暈がしそう・・・。


怒りとやりきれなさをエネルギーにしつつ、
水分補給のみで掃除しまくり。まだ、完璧とは言えないけれど、
とりあえず、台所と応接間と廊下はピカピカに。
外から入ってくる通路なんか無くても、畑や庭に出かける度に
開けっ放しになるから隙だらけ。


数や空間の認知に少々問題が出つつあるので、
掃除をすると出て来る出て来る、齧られて穴の開いた小麦粉
5、6袋で済まない。塩も砂糖も、穀物類に限らず、
買いだめておきたがる戦中派の心の隙間を、勿怪の幸いと
ネズミたち暗躍、保存食料を確保しやすい楽園。


母の感覚は子供の頃育った農家の納屋の如くに、
何でも袋に入れてぶら下げる収納。
缶やプラスチックの中に入れて保存という事ができない。
缶入りの菓子でさえ、わざわざ袋に移し変えて吊ってしまう。
片付けるといって仕舞えば、どこに何があるかわからなくなる。
位置を変えるとわからなくなる。
まだ、自分で台所仕事が出来るのでさせてやりたいと思うけれど、
ネズミ駆除だけは譲れない。


編み物や料理はできるのに、少しずつ色々なものが
抜けて行ってしまっている母のプライドを傷つけたく無いけれど、
ネズミーランドは嫌。カーテンを伝い歩く姿も、
ドアを齧る音も聞きたくない。
ゴキブリほいほいに掛かって、チューチュー鳴く声も。
ここしばらく攻防戦が続く・・・はず。
ネズミ臭のする家に、情けなさが募る。


ここはまだ、ネズミーランドにしたくない。
少なくとも守れる健康は守りたい。

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