Festina Lente2

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石愛ずる姫君

娘が石に凝っている。「癒しフェア」の影響でも無いだろうが。
パワーストーンだか何だかの本を、図書館で見つけてきて読んだり、
誕生石を調べたり、この半年。5月の連休中にはわざわざ徳島で、
「ミネラルズ」を見たりした。
それで、この頃はお友達と住宅の溝で、ごそごそ石探し。
玉砂利やちょっとした色石を見つけてきては、せっせと磨いている。
何も言わなくても、どうしてこんな所は似るんだか。


娘が拾い集めてきたものは、どれも3,4センチはある。
やや大振りの小石。白くてつるつるしたもの、黒光りするもの。
紫色のものが一つ。
・・・、そういえばこの子が3歳ぐらいの時、
温泉にあった碁石に執着していたっけ。


おじゃる丸の小石少年「かずま」を見ていても、
何も反応しなかったくせに、どうして今になって、
磨いて飾る小石ブームになったのか。
どうして、同じような年齢で同じようなことにはまっているのか。
親子だから? こんな所も似るのかな?


小学校低学年の頃、やはり柳の木の下の溝で、
どこかの誰かが捨てたのか、金魚鉢の中に入れておくような
綺麗な玉砂利をみつけて夢中になった。
そして、梅雨時。木造校舎の小学校の雨樋から水が流れ落ちる先。
そこに、長年雨水で鍛えられた名も知れぬ小石たちが、輝いていた。
人知れぬ異界の、魔法の泉に湧き出る砂金を探し当てた気分。
子供の頃の宝物は、石ころでさえも、いや・・・、
石ころだからこそ何物にも変えがたい輝きを、心の中で放つ。


どこに仕舞ってあるかわからないけれど、捨ててはいないから
袋戸棚の奥かどこかに仕舞ってあるはず、私の小石たち。
梅雨の頃になると、雨だれと同時に古い腐りかけた雨どいの先に
いつもは目立たない場所に、きらきら光る小石たち。
休み時間の別世界。
遠い遠い昔、座敷ワラシと遊んだような頃の思い出。


我が家の「石愛ずる姫君」のマイブームは、いつまで続くことか。
自分に似ているところが、嬉しくもあり
何というか複雑な心境。
いや、いいよ。そうやって心の拠り所が、熱中することが、
愛でるものがあるということは、いいことだから。
そして、子供の時しか見えないものが沢山あるから、ね。


そうやって、娘の目を通して、生き直す自分。
再び感じる自分、感受性を取り戻す自分を、
痛ましくも哀しくも、やるせなく温かく見つめてしまう。
そんな自分自身を感じながら・・・。

天空の城ラピュタ サウンドトラック 飛行石の謎

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