Festina Lente2

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本愛ずる姫君

元々、夜更かしが多い生活だった。
仕事柄、そうなったとも言える。
IP電話でいくらでも無料で電話ができる、
という時代ではなかった時に、離れ離れに住んでいた、
家人と私。(ま、今でもそうだが)別居結婚だからね。
電話料金の安くなる23時過ぎから、長電話で近況報告。
それは、妊娠中も続いていた。


検診時、母子医療保健センターの看護師さんに言われた。
「ああ、お母さんが夜更かしだと胎児も似るんですよ、
 妊娠中から注意して下さいね」全くその通り。
活動時間がずれている胎児だった。
夜更け、君のお父さんに電話をしている時
ポンポンお腹を蹴っていたものね。
臨月、予定日を過ぎてもなかなか出て来なかった君、
入院時、朝の診察時、心音を聞いて「寝てますね、
起こしましょう」と、お腹にブザーを近づけられて、
やっと胎動。「あ、起きましたね」と言われていた君。


その君は、寝床に本を持ち込むようになった。
布団の回りに本を並べるようになった。
親のすることを子供は真似る。
私は・・・、夜更かしも叱れない。
読書も、叱れない。躾の甘い母親。
ああ、自分の趣味には甘い。
こんな所も、似てしまうとは。

フクロウは夜ふかしをする (創元推理文庫)

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子どもの睡眠 早寝早起きホントに必要?

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いまや、図書カードは学年で一番の速さで更新中。
図書館の端末で予約、世界の名作は読まないけれど、
巷の迷作はせっせと読み漁っている。
うーん、かーちゃんには付いて行けないシリーズ。
今時の子供の世界なんだろうけれど。
保育園時代に乱太郎もゾロリも卒業し、
少々おませな読書路線。
かーちゃんとしては、いわゆる古典的な名作も
絵本ではなく子供用の翻訳でいいから読んで欲しい。


でも、いつの間にか本の虫。紙魚の住処、ではないけれど。
買い物ついでのお散歩に、図書館が入っていた乳幼児期、
経済的にも、空調の効いた、そこは別世界。
幼かった娘の心の「図書館の風景」の奥底には、
那賀川町立図書館、鳴門教育大学付属児童図書館
八潮市立八條図書館がある。
そして、今はシティプラザに学校図書館


乳児期、社宅に来てくれた移動図書館が忘れられない。
幼児期、沢山の絵本で親子の時間を作ってくれた図書館。
ニコンサートや企画展も楽しかった。
お話会の読み聞かせ、ビデオ上映会、折り紙講習会、
化石から、石膏で作ったアンモナイトは宝物。


真新しいページの多い子供の心に、
図書館はどれほどの刺激を与えてくれたか・・・。
子供時代、図書館の無いところで育った私には
娘と同時に、やはり本に飢えた昔を重ね合わせ
生き直している部分が大きい。


娘が似ているのは、娘が似ていると思うのは、
娘と自分の接点を探したい、私の心。
娘を通して世の中と通じていたい、自分の在り方。
娘を通じて若返り、世界を知ろうとする、私。
私自身。


似ているところを見つけて安心しようとする、
子離れを意識し始めた私、
かーちゃんとしての寂しさとも安堵ともつかぬ、
私、私の気持ち。


そう、本は開けば閉じるもの。
物語に始まりと終わりがあるように。
表表紙になるか裏表紙になるか、それとも背表紙か。
私と娘の、相似形。
作品が作者を離れて独り歩きを始めるように、
かーちゃんから離れ、独り歩きを始めた娘の読書。


似て非なるものへの、成長。
嬉しさ半分淋しさ半分。
かーちゃんは、こんな物思いの夜は眠れない。

こころの傷を読み解くための800冊の本 総解説

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