Festina Lente2

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子ども会のキャンプ

地域の子供会のキャンプへ初参加。1・2年生の子供の保護者は
なるべく一緒に参加して下さいとのことで、仕方なく。
保育園ではお泊まり保育がなかった為、一人っ子の親としては、
昨年の夏休み、初めて民間の2泊3日キャンプに参加させた。
娘は大喜びだったので、冬休みも申し込み、
5月の連休には家族キャンプも経験した。


これからは地域社会へも溶け込まなくてはと、
中途半端な転勤族の別居結婚家庭の親としては
保育園と小学校の繋がり求めて、子供会のキャンプへ参加。


田舎の都会、都会の田舎、いや、田舎である。
新興住宅地の嬉しくない影響で、1年生は6クラス、
他学年は5クラスという、近来稀なる大規模小学校。
当然、教育環境は悪い。狭い校庭、プレハブの校舎、
先生の異動の多さ、頻繁な不審者情報。
近隣で噂される教育レベルの低さ。


昔からの村社会を基盤に、子ども会は活動。
よそ者としては、おっかなびっくり参加の様子見。
娘はここで仲間を作り、成長し、おそらくは
小学校を卒業するのだろうから、という気持ちで
参加申し込みをしてみたのだが・・・。

日暮らし 上

日暮らし 上

紫外線から子どもを守る本

紫外線から子どもを守る本



子ども会会長を始め、役員の方々の気遣いはあり難かった。
新参者をどう扱うか、どう集団と接するか、お互い難しい。
娘には小学校の同級生もいることだし、
近所の顔見知りもいるからと、たかをくくっていたが、
貸し切りバスの座席から、挫折。
座る所を見つけるのに難渋する娘。
親子共々「場所」を常に模索し続ける結果になった。


みんながみんな初めての集団、から始まる民間のキャンプと異なり、
ある程度出来上がっている人間関係の輪の中に、
どのように入っていけばいいか。それはかつてこの地域に、
転校生としてやってきた自分が、経験したことだ。
何かと世話を焼きたがる人間はどこにでも居るし、
上級生が下級生の世話を焼いたりするのが普通だろうと、
自分自身の子供会やキャンプリーダーの経験を元に
甘く考えていたことが、はっきりし始める。


普通のキャンプは異年齢であれば、縦割りグループ。
年長者が集合のチェックを掛けたり、
2人1組でバディを組んでお互いをフォローする。
もしくは同学年の、年齢の近い者同士でグループを作り、
そこにキャンプリーダーが入る。普通は寝る時も付き添う。
子供は親が側に居ない分、キャンプリーダーの指揮下に入る。


しかし、今回は子ども会のキャンプで、異年齢集団は、
日曜のソフトやキックベースのチームが元に。
固定メンバー、プラス新入生、プラスアルファ、保護者。
そして、寝食を共にしないキャンプリーダー。
宿泊訓練のイメージが強かった私自身のイメージからは、
程遠い「自由」な雰囲気の強いキャンプは、
年齢・性別・グループ・きょうだい・近所など、固定枠。
娘にとって、ハードルの高い2日間の1泊2日の始まり。


一人っ子で、習い事やキャンプで「初めて慣れ」の壁を
経験してきた娘、今回は「入る隙間」を見つけ損なっていた。
せっかく同性・同学年の子が居ても、そちらはきょうだい参加。
この場合、きょうだいの上が声を掛けてこない限り、お近付きになれない。
近所の顔見知りも、娘以上に付き合いのある同級生と
グループを作っていて、その中に入っていけない。
上から声を掛けるようなシステムもなく、
子ども会としては久しぶりの1泊キャンプだったこともあって、
「自分達が楽しむ」ことに忙しい今時の子供たち。


学年別の大縄跳びはともかく、見知らぬ相手ばかりでする
ドッヂボールでは自分の実力だけが勝負。
新参で学年が小さいことは、相手がどれだけ標的にしないで
配慮してくれるかにかかって来る。でなければ的になるだけだ。
娘は形勢不利なゲームに参加することを断固として拒み、
1人遊びを始め、どんどん不機嫌になって行った。
食事をする席も好きなもの同士のグループでは、
座る所が見つからない。
今まで自分から声を掛けて友達を作ることが多かった娘の、
挫折を目の当たりに見る、辛い初日となった。


久しぶりに聞く「カナカナカナ」の蜩は、
昔の自分の経験がある意味覆され、
        ある意味蘇る序奏になった。
キャンプファイヤーの満月は、森の木立に隠れていく。
余韻を味わうこともままならぬ、夜。
川からはかじかと虫の声が響く。


当初の予定は大幅にずれ込み、子供の入浴は21時半を過ぎた。
布団を敷く場所もグループで早い者勝ち、
はみ出した小さな子グループは、寝る場所さえも確保できない。
勝手を知った付き添いの役員は誰も居なくて、
私一人が娘の保護者として、部屋付けに配置されているだけ。
布団の敷き方でひと悶着、滅茶苦茶な風呂の使い方、
23時半を過ぎても静かにならない「女の子グループ」。
男の子グループの方が先に静かに眠っている。
心身、穏やかならざる夜。