一日顔

娘がどうして朝顔と昼顔と夕顔があるのかと尋ねてくる。
朝顔はどうして朝しか咲かないの？　どうして昼には萎むの。
昼顔はどうして昼しか咲かないの？　
夕顔はどうして夕方しか咲かないの？

うーん、お日様がねえ当たると、むにゃむにゃ・・・。
うまく説明できない。
短日性、長日性、日照時間、何を話せば？
どうして、何故、どうやって、どんなふうに、・・・わからん。

娘が言う。どうしてあそこの家の朝顔は昼間なのに咲いているの？
そう、その家の朝顔は濃い紫色で、2階まで這い上がるほど。
しかし、うーん、花は朝顔だけれど、葉っぱもそうなのかな。
こういう品種なのかな。確かに午後を過ぎても咲いている。
昼顔とは思えない、濃い色、大きな花。

おかあさん、朝顔と昼顔と夕顔の花の色を全部混ぜる。
―ふむふむ。
すると、一日顔の色の汁になる。
―？　え？
それで、朝顔と昼顔と夕顔の花の種を取って混ぜる。
―ふむふむ。
そうすると、一日顔の花の種の元になる。
―凄いバイオテクノロジーだね。遺伝子操作だね。
うん、すると一日中萎まない花ができるんだよ。
―ふーむ。

いかがでしょう、このアイディアは？　一日顔・・・。

ちなみに調べてみたら、朝顔と思っていた青い花は西洋朝顔。
ヒルガオ科の仲間なので、ずっと咲いているみたい。
外国から入ってきた、色鮮やかな花です。
娘に、朝顔みたいな花、あれヒルガオなんだってって言ったら、
どんな顔するかな？

アサガオ江戸の贈りもの―夢から科学へ (ポピュラー・サイエンス)

色分け花図鑑 朝顔