Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

知覧産の紅茶召しませ

実は私は紅茶党だ。コーヒーだって飲むけれど。
でも、紅茶が好き。いわゆるティータイムは頑として、
紅茶のイメージの元で現在に至る。
きっとTVのトワイニングの宣伝見ながら育ったせいかも。
今みたいに紅茶の専門店なんて、無い時代に育ったから。
だからウエッジウッドのティールームに憧れ、
ホテルのアフタヌーンティーに憧れ、
少しずつ茶器を買い求め、せめてティーバッグでさえも、
ティーポットで淹れるのにこだわった頃が懐かしい。


外国の小説の影響なのか、
何故コーヒーではなくて紅茶なのか。
高校生の頃、3月ウサギのお茶会と称して、
ティーバッグでお茶をいれお菓子をつまんでいた
読書クラブ。図書委員の無い学校での図書部の活動。
あの頃から、本を読むのは紅茶の香りと共に。
そんなイメージを大事にしている。


背伸びをしたい時代だったのかもしれない。
到来物の紅茶缶の時代めいたイラストが、
見知らぬ国への憧れを掻き立てたのかもしれない。
イギリスへ行っても、飛び上がるほど美味しい紅茶に
出会ったという思い出は持たないまま。
海外に出かける友人達から色んな紅茶や、
フレーバーティーハーブティーをお土産に貰った。


子連れでティールームはなかなか行けない。
時々、出張帰りに一服。ディンブラやヌワラエリアを。
プサンスーチョンも好き。紅茶に砂糖は入れない。
もちろん甘いものが好きだけれど、紅茶には砂糖なし。
香りを楽しんで、その色を愛で、まったりしたい。
たまにはねえ、やっぱり。


そんな今日、読売新聞の朝刊で見た記事。「顔」の欄で、
鹿児島は知覧産の紅茶が英国で「紅茶のオスカー」に選ばれた。
「グレート・テースト・アワード2007」での出来事。
茶樹「べにふうき」に惚れ込んだ女性が、育てて手入れし
薩摩英国館で「夢ふうき」として売り出した。
そして、そのお茶が金賞に輝いたのだ。

一杯の紅茶の世界史 (文春新書)

一杯の紅茶の世界史 (文春新書)

ロンドン、とっておきのティープレイスへ 英国紅茶のおいしい誘惑

ロンドン、とっておきのティープレイスへ 英国紅茶のおいしい誘惑


知覧と言えば日本茶、そして思い浮かべるのが特攻隊。
映画「月光の夏」「ホタル」などなど。
むろん、その地を訪れたことは無い。
その知覧で紅茶とは、これまたびっくり。


40年前、大阪出身の女性が医師の夫君の開業に伴い知覧へ。
15年前に娘の英国留学をきっかけに、
幕末期の薩摩と英国の歴史を紹介する薩摩英国資料館で、
英国紅茶の販売を始めたのがきっかけだという。
日本茶ではなく、紅茶を。


枕崎市に茶業研究所があり、そこで開発された
べにふうき」を「夢ふうき」として売り出したのが3年前。
本家英国の食品コンクールでお墨付きを頂いたこのお茶。
今、南薩摩から世界へ向けて、知覧の日本茶ばかりではなく
香り豊かな味わいの紅茶の夢を届けようとしている。


にこやかにティーカップを持つ、田中京子さん。
「顔」の欄に女性が出ることは珍しいので、
どうしても目が行ってしまったのだが、
肩肘を張るような話題や、付いていけない話ではなく、
そして、知覧というと必ず付いて回る戦争の話でもなく、
読書の秋が深まろうとしているこの季節、
美味しい紅茶の話題だということが嬉しい。


女性が記事になると、男性と互角であったり、
今までできなかったことが話題の中心だったり、
記事を読む前から身構えるような、自分の心持ちがある。
そういう偏見はいけないとわかっていても、
この手の記事を読む時に、少し斜に構える時もある。
でも、今日は違った。


日本産の美味しい紅茶が、1人の女性が、お母さんが
「ほれ込んだ味」から生まれてきたということが、
何だかむしょうに嬉しかった。
早速飲んでみたいなあ、夢ふうき。
紅茶党は職場では少数派。でも、気にしない。
せめて仕事の合間に、一服する時に、
小さなティーポットで、お茶を一服。
鋭気を養うティータイムのお供に。
紅茶を召しませ、知覧産の紅茶を。


ちなみに早速こちらで買えそうです。うふふ。
http://satsuma-eikokuka.ocnk.net/
10月以降には、館内のお店でお茶が飲めるそう。
紅ふうきソフトもあるみたいで。
何だか紅茶の話題は、元気な町おこしの話題、
歴史の話題、そして大阪人の商魂も感じさせる
たくましい世界のようで・・・。

ジュリー・カレンの英国伝統のホームメイドお菓子

ジュリー・カレンの英国伝統のホームメイドお菓子