娘の朝のひとこと

「お母さん、私、転校してもいいからね。」
学校へ出かける娘が靴を履いてお勝手から出て行く時、
行ってらっしゃいの声を掛けたら、突然の転校OK宣言。
何でそういう話になるわけ？　どうして転校するの？
いや、転校したいの？

「でね、喧嘩した奴に、お前なんかどこかへ行っちまえって
　言われたから、転校先ならもう用意してあるからねって
　言い返したんだ。」？？？
それって言い返したことになるのか？
一体、何がきっかけで誰とどういう喧嘩を？
それに、用意してある転校先って？

あ、そうか。私達は仕事の関係で離れ離れで暮らしている。
家人の住んでいる地域は1学年2クラスで、
文教地区とまでは言わなくても、落ち着いた雰囲気。
それに比べてここは田んぼが壊され、急激に田舎の都会化。
１学年が６クラスもある。せせこましいグラウンド。
今時小学校で１学年が６クラス、４年生はプレハブ校舎。

誰ですか、今の流行り文句で、「でもそんなの関係ねえ」
いやいや、関係大有り。なかなか殺伐とした教育環境。
様々な面でどうしても目が行き届かないマンモス校、
工夫はすれど、物理的な面からも先生方は大変だと思う。
教職員もアットホームな雰囲気で仕事は難しかろう。
小学生の１クラス３５人超。
昔の詰め込み１クラス５０人より、ましだといってもねえ。

新しい出会いを活かして: 転校を心理学する (心理学ジュニアライブラリ 08)

転校のススメ・ジパング通信局

まさか、いじめではないよね？　単なるお友達との喧嘩？
そういえば、昨日先生からご褒美の連絡帳を貰ったとか
言ってたよなあ。シナモンロールの連絡帳を貰ったとか。
それも、腹が立つことを言われても、すぐに怒らないで
我慢したご褒美だって担任の先生から貰ったって。
それって、ご褒美なのか？

そんなに喧嘩しているの？　私に似て損気な短気に育ったか？
それとも頑固な石頭に？　融通の利かない正義漢に？
２枚舌の使えない直球型物言いの爆弾発言娘に？
良く言えば裏表の無い、悪く言えばあからさまなこと言って
もしくは、本から得たばかりの生煮えおませ発言で、
一体どんなことで腹を立てたり、喧嘩したりしているのか？

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かーちゃんは気になる。先生とどんな約束してご褒美？
このソフトときたら、ご褒美は誤報日と出るぞ。
いや、何だかいじめで、転校が当たり前のように
なってきたわけじゃないよね。まさかね。
近所ではマンモス小学校に通わせるのが嫌で、
山村留学ならぬ、山手の地区に越境させている家もある。

人口の急増は、ご多分に漏れず町内会のがたつき、
昔からの地域社会と、新しい住宅地の間でゴタゴタ。
子供会だって、地域の変化の影響をモロに受ける。
公立保育園組・幼稚園組、私立保育園組・幼稚園組
その他諸々。様々なグループ。

社宅で育った私は、社宅のいい所も悪いところも知っている。
持ち家は持ち家で、マンションはマンションで、
アパートはアパートで･･･。よその家はよその家で。
社会で不穏な事故が起こる。保護者の見回り隊の募集。
私は仕事があるから参加できない。
平日の社会見学も参加できない。

地域社会に参加できない肩身の狭さを抱えながら、
毎日の連絡事項に目を通す。
１年生の時のように、連絡日誌のやり取りは無い。
娘は一体どんな学校生活を送っているのか。
来週土曜が休日参観日、兼、バザー。

母親が知らない娘の本音がわかる本―小中学生の危険なサインの見抜き方・向きあい方

娘の朝のひとことから、いろんな不安がよぎる。
それは、自分が職場から立ち去ってしまいたい葛藤を
抱きながら、立場上の仕事をこなしているのと
相乗効果で、ちょっと胸を衝かれる思いに
涙もろくなる。泣かないけれど。

引越しや転校で、辛い人間関係をリセットして
自分自身が出来上がるのに、苦労して辛かった
自分の過去を思い出してしまうから。
娘の朝のひとこと。子ども時代を思い出させる。
あっという間に、取り越し苦労の心配性のかーちゃん、
不安で一杯のかーちゃんに変身。

娘よ、嫌なことがあったら、我慢できるのも大切。
我慢せずに話せることも大切だから。
君の朝のひとことを深読みしてしまうから。
娘よ、元気に言ってきますのひとことだけでなく、
言いたいことがあるなら、いつでもいいけれど、
・・・出掛けにそんな言葉を残していかれると、
気になって気になって、仕事に手がつかない。

かーちゃんは思いの外、小心者の心配性だから。
大事な大事な娘よ。愛する愛する娘よ。
親バカのかーちゃんの娘よ。
転校は、リセットだ。
それがどんなものか、転校と引越しを経験した
かーちゃんは知っているから。
その良さも大変さも知っているから。

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