Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

頭を冷やして

夜中から朝に掛けて振り出した雨は、そのまま止まなかった。
娘は久しぶりに長靴を履いて登校、それもまた良し。
なかなか散らない今年のいちょうも、この雨で落ちるかも。
そんなことを考えながら、いつもより混む道路を走る。
カーラジオから、環境について切れ切れに聞こえる。


熱が出て頭が高温にさらされたら、体全体の調節が利かなくなる。
同じ様に、地球の頭に当たるヒマラヤやチベットの雪や氷が、
地球温暖化で溶けるということが、どんなに危険なことか。
みんなもっと意識してほしい。
なるほどね。頭寒足熱が基本だものね。


思うに、雨が降って私の頭も少しだけ冷やされる。
なぜ、こだわるのか。苛立つのか。あの舞台。
思うに、純粋に舞台や音楽を楽しんできた自負がそうさせるのだろう。
職場の若手が四季の舞台だったら、何でも良いと発言し、
チケットが手に入れば何でも見るのだという姿勢に、
違和感を抱いているだけなのだ。


自分も、趣味に限らず仕事の仕方一つにしても、
諸先輩方の言葉にならない嘆息、失敗して覚えさせようという掌の上で、
好きなようにやりながら、何とか形を作ってきた時代があったはず。
自分の思うような仕上がりを要求することの難しさ。
達成感を与えながら、伸ばしていくことの難しさ。
慈雨を与えたとて、吸収せぬ新人類以降の世代と、
一線を画した気分でやってきたものの、
恐れ多くも上から見れば、所詮五十歩百歩の世界。

頭寒足熱―ほのぼの元気!!

頭寒足熱―ほのぼの元気!!

「依存する人」を「変化を起こす人」にどう育てるか

「依存する人」を「変化を起こす人」にどう育てるか

残り10年余りしかないと見るか、10年以上もあると見るか。
足跡というほど大げさなものではなくても、
自分が残せるものは何なのだろうと思うと、形の無いものばかり。
これといって、ファイルにまとめて見られるようなものではない。
自分の抱く実感だけが頼りで、後は何の保障も無い人間関係。
成長していく人間一人ひとりの姿。それのみ。


そこに、自分の何が投影されているというのか・・・。
光でもない影でもない、中途半端な存在。
兵隊であって兵隊には徹しきれない年齢となってきた今、
何を育てて現場を去るのか、何を現場に残したいのか、
否が応でも考えさせられる。
若手の新人の、本来、年齢的には自分の子供以上の年齢差。


以前転勤した場所では、「3年は会議で何も発言するな」が
暗黙の了解。そういう時代の転勤、職場。
平均年齢が、40を超えるような所では30台は相手にされない。
最初の職場が平均年齢27、今は・・・。自分が平均年齢。
若い頃、組織の頭は熱し易く冷め易く、
考える以前にフットワークの軽さだけがとりえ。
今は、船頭多くして船陸に上がるみたいな感じ?
その頭もやや軽いのが哀しい。


頭を冷やして、今、純粋にできることを積み重ねておかねば。
否が応でも増えていく白髪、付いてしまう溜息、
思う通りに運ばぬ様々な出来事を、過去からの積み上げ、
一瞬にして照らし出し、比較検証して、過小評価することのないよう。
頭を冷やして、煮詰まった物思いを雨に流そう。


久しぶり、炬燵猫で雨の音を聞く。車から雨を眺める。
足元を気にしながら、石畳を歩く。
誰にも会わない朝、いつもより早い朝。
毎日がカウント・ダウン。必要なのはクール・ダウン。
毎日がアップ・ダウン。必要なのはクール・ダウン。
だから、雨雨降れ降れ、もっと降れ。


早く木の葉を散り敷いておくれ。

雨の降る日曜は幸福について考えよう Think Happy Thoughts on Rainy Sundays

雨の降る日曜は幸福について考えよう Think Happy Thoughts on Rainy Sundays

地下街の雨 (集英社文庫)

地下街の雨 (集英社文庫)