Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

ぬくもりの逆転

実は久しぶりに娘と一緒に眠りました。
最近、炬燵猫で「仕事」と称して、転寝兼パソパソ。
「おかあさん、風邪引くから、一枚かけておくよ」と
毛布を掛けてくれて2階に上がっていくのは娘です。


「今日は何時まで起きてるの? 1時? 2時?」
心配してくれるのも娘です。
お風呂も一人で先に入っていますが、
「お母さん、時間があったら後から入りに来て」
そう、娘も寂しいのです。
でも、かーちゃんは、一緒にいると何もできなくなってしまう。
厳しい事いう割に、自分にだけ甘いかーちゃんなのです。


でも、久しぶりに一緒にお布団に入りました。
何故か娘はドラえもんを抱っこしています。
赤ちゃんのように、お腹に抱えて毛布でしっかり押さえています。
そんな姿を見ていると、お腹の中にこの子がいたのを思い出します。
肌の温もり以前、もっともっと身近な存在だった事を思い出します。

そのぬくもりはきえない

そのぬくもりはきえない

忘れ物のぬくもり

忘れ物のぬくもり

音楽教室の帰り道、二人で食べるディナー。
こっそり贅沢。レッスンの帰り、娘の好きなイタリア料理をほおばり、
学校の話を聞き、あれこれたわいなく話をしながら、
この子のこんな笑顔をいつまで見ることができるだろうかと、
ふと考えたりする一瞬。


新しい教室に変わってから半年以上経つけれど、
なかなか慣れない。親子共々、戸惑う事が多いです。
コンクールや発表会中心のスケジュールにはとても付いていけない。
よくよくわかって来たので、楽しんで弾ける教室を探さねば。
コンクールに焦点を合わせて、一曲だけを練習、暗譜する毎日。
それよりも、色んな曲を段階に応じて弾けるようになって、
憧れの曲を弾けたらいい。


音楽の世界で生きていくのでもなく、
自分の力を試すのでもなく、
ぎりぎりまで追い立てるのでもなく、
親子で楽しく学べるそんな場が欲しかったというのが本音。
なのに、今は水曜日が来るのを戦々恐々としている。


習い事というものは厳しい側面があって、
乗り越えなければならないものがあるのは百も承知。
個性に合わせて見てもらう個人レッスンでもなく、
一人一人にアドバイスを十分に頂けないのが辛い。
毎回毎回グループで、アンサンブルをするために、
競争意識をむき出しにする、そんな練習を積むために、
ここに来ていたのではなかった私たちでした。


クラブ活動のように、お友達同士で頑張る、
試合で勝ち進むようにコンクールに出る、
それが当たり前の感覚で、頑張る事ができない私と娘です。
今回、歌のコンクールは「夢に向かって」「明日に向かって」が
テーマらしいですが、私に似て変な所にリキが入っている割りに
根本的に脱力系の娘は、「頑張れ」「ファイト」「ガッツ」という
言葉が苦手だとうんざり顔。うーん、こういうところは似るなあ。

共視論 (講談社選書メチエ)

共視論 (講談社選書メチエ)

アピールする前向き思考が、照れくさくも苦手な娘。
じゃあ、どんなふうに励まされたい? と訊くと、
「次があるよ」とか「そばにいるから大丈夫」だそう。
・・・それって、君が言って貰いたい言葉なんだよね、きっと。
ネアカの明るい励まし系元気系が苦手な娘は、
正面からねぎらわれたり、褒められたりするのも苦手。
本当は嬉しいんだろうけれど、逃げたくなっちゃう。


かといって、嫌な事を笑い飛ばすほどでもなく、
ちょっと落ち込んでしまうふさぎ方も、そっくりになってきた。
といっても、格段に落ち込みからの回復は早く、元気で
根っから健康な娘。その温かさ、真っ直ぐな生一本さに、
癒されているのは、いつもかーちゃんの方。


君がいるから頑張れるかーちゃんですが、君の心の中には?
あられちゃん模様の毛布に包まり、いい匂いの髪の毛を
くしゃくしゃにして、ドラえもんを抱っこして寝ている娘。
その横で、かーちゃんも寝ます。
夜明け前、また起きて仕事するまで。
君に暖められて、エネルギーを貰って。

きりがみとおりがみ―人から人、手から手へ ぬくもりをつたえる

きりがみとおりがみ―人から人、手から手へ ぬくもりをつたえる

母のぬくもり (ART BOOK)

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