凄い言われ方

世の中、「褒め殺し」という言葉があるというのを、
社会人になってから知りましたが。それも、近年。
昨日来た「心の健康づくり」チェックシート結果は、
「労わり殺し」のような感じがしました。

更年期は、イライラが募る時期。かの秋吉久美子が高校生の頃、
２階のフローリングの部屋で勉強中、床に消しゴムを落としたら、
１階からお母さんが「２階で大きな物音立てないで」と凄い剣幕。
今から振り返ると、お母さんは更年期で調子が悪かったんだなと
語っているのをある雑誌で読んだ。
「夢千代日記」金魚ちゃんのイメージが抜けない秋吉久美子。
今でも華やかな風聞、女らしいことこの上ないが、
彼女とて更年期と無関係ではない年齢。
それゆえ、こういうインタビューも受けるのだろう。

私の場合も音と色。特に、漏れ聞こえてくる音というのに過敏かも。
電車の中のヘッドホンから流れてくる音も嫌いだし、
この間のマンモの検査同様、診察室から筒抜けの人の声や、
心理的に不安にさせる色使い、丸見えや剥き出しには
必要以上に過敏で苛立つのは、自分でも承知の上。

ということで、10月。足が痛い、歯の調子が悪い。
（それに付随して副鼻腔炎もあったのは、先日気が付いた通り）
肩凝り頭痛、目のかすみ、老眼も入っているものの、
体調が良くないオンパレード中に、しちめんどくさい心理検査。
確か、電車に揺られながら記入したような記憶が・・・。

実はこれ、自分で10月に設定してある。
行事が多く、仕事が積んで忙しく、年末の休みまで間がある、
秋とは飽き飽きする季節、うんざりな季節、そういう状態が続く
プライベートを斜め読みする意味で、ここ何年か設定してある。
いつもは大して気にせず読み飛ばすのだが、
今年の評価の書き方が凄いというか、笑い飛ばすしかないので、
ちょっと紹介してみましょう。
対面なし、その場限りのコンピューター診断の結果。

<音楽療法健康CDシリーズ(3)>ストレス解消音楽~心うきうきワルツで楽しい毎日

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チェックリストのお答の状況によって、あなたの「キャラクターグラフ」を描くところでしたが、今回は、あなたの健康状態が芳しくない状況のようですから、表示する事を控えさせていただきました。おそらく心身のエネルギーを使い切ってしまった状態だと思います。本来ならば、あなたが持ち合わせている長所と短所を明らかにして、今後とも大いに伸ばしていただきたい点などをアドバイスさせていただくのですが、今は、何事もおっくうな状態だと思いますから、アドバイスしたとしてもより以上に負担を強いる事になります。これでは、あなたのためにはなりません。今、あなたにとって必要な事は、心身のエネルギーが溜まるように時間をかけることです。「あせらず」「あきらめず」「あわてず」に、じっくりと健康をとり戻す事だけに専念してください。

どうですか、この文章を頂いて、心から安心します？　ほっとします？
あー、私は疲れているんだって？　
ま、この程度しんどいのは誰でもで、１０月から今を振り返ると、
年の瀬の忙しさも例年通り・・・で、「かわりばえなく」ですが。
次に、「プライベートライフ関係」についてのアドバイスコーナー。

色々な症状があるようですから、大変な苦痛に耐えながらの毎日をお過ごしの事と思います。お年からすると体調が変化する更年期といわれる年代かと思いますので、おそらくホルモンの変調が体調を狂わせていると思われます。「しばらくの間、辛抱すれば」という人もいるようですが、ホルモンの関係だけでなく、ほかに病気があるかも知れません。ほかの病気がないとすればホルモン剤を服用することで改善できる場合もあります。一度婦人科での検査を受けるようにお勧めします。

あからさまなまでに慇懃無礼な労りが、更に続く次の文章。
これはブラックユーモアか何か、それとも何かのマニュアル、
口頭で言われれば納得できるものなのか。
それとも、一定のデータに沿って機械的に脅しをかけているのか？
この手で受診を促し、人を本気で病人に祭り上げるのはやめて、
プチ半病人のまま「生活」させてくれよ。
そんな気持ちにさせる、落ち込ませる文章が続きます。
「ワーキングライフ関係」についてのアドバイスコーナー。

ちょっと熱があっても、縦のものを横にするのも億劫になるのが普通ですから、あなたの現在の体調からすれば、どうにもこうにも身体がいう事を聞いてくれない状態だと思います。これまで力を振り絞って頑張ってきたとすると限界を超えていると言えます。今は医師の指示に従って、しばらく休養が必要な時だと思います。長い人生ですから少しくらい仕事から離れたとしても、大勢には全く影響はありません。焦ったり、責任を感じる事はありません。むしろ、健康を取り戻すことが最大の課題だと思います。

うーん、職務上、このアドバイスをした事があるのは現在、１人だけですね。
おまけに、このコンピューターの記述は、どうにも理解し難い文章が続く。
「趣味・運動の判定」「音楽の判定」「コミュニケーションの判定」
全てにおいて・・・問題が見当たりません　と書いておいて、

現在のあなたの心身の健康状態は、相当疲れ切っている状態だと思いますから、積極的に人付き合いに力を注げるような場合ではないかと思います。今は無理して人付き合いをお勧めするものではありません。

ときた。まあ、凄い。他のコーナーの「心のバネ」し故障したため、
身体で最も弱っている部分に内科的な病が発生している云々は
納得できますが。

まあ、あれから２ヶ月近く経ちました。歯も抜いたし、
お陰で鼻も喉も元気、エパデールは服薬中、
仕事は一杯、それが年末、当たり前。
役職上会いたくもない、したくもない人や話。色々様々。
週末は、２度目の忘年会。来年のプロジェクトのメンバーのため。
でなければ、何故？　の世界。大人の約束事、押せ押せです。
スケジュールの調整は図るけれど、それ以上、今何ができるかな。

そんなさなか、
「褒め殺し」より怖い、健康診断のお言葉、
「宥めすかし労わり殺し」の文章に、苦笑いした今日でした。

ブラームス歌曲集

「身」をゆるめ「心」を放つ