Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

クリスマス2007

歯科大から予定外に遅くなった帰宅に焦っている私。
ありがたい事に、学童から帰ってきた娘をピックアップしてくれる
心強いママ友がいる。同じく一人っ子で、ご主人の帰宅は遅い。
単身赴任でも、同居でも妻の側からすると、ほぼ自分だけで子育て。
私のように仕事があると、はれほれひれハレーになるのだが、
同い年のきょうだい代わり、同性の友達がいるのはありがたい事。
本日の夕食とお風呂は、こちらで頂いている。
私の夕食も、二人で旦那をこき下ろしながら(笑)、
アルコールの入らない、クリスマス。
子供たちはシャンメリーで。


きょうだいのいる家は、それなりに大変だけれど、
何かあった時きょうだいが頼りや助けになる。
そうではない一人っ子は、得している部分もあれば、
損している部分もある訳で、何かで補って経験を積む必要がある。
友達関係を学ぶ上で、母親がどんなふうに他所の家と付き合うか、
来客を喜ぶか、あしらうのか、おもてなしするのか。
その場その場で見て、覚えてもらわなければならない。


挨拶の仕方から、さようならまで。靴を揃えて上がる、
家の中で走り回らない、大人の話に口を挟まない。
自分たちでルールを創って遊ぶ。お片づけをする。
色んな事をお付き合いの中から学ぶ。
自分自身がきちんとできている訳ではないが、
小さい時から、他人の家を見せる事も必要だと感じている。


一人っ子の子ども達は友達が欲しい。母親同士も同じ。
夫は夜遅くまで帰らない、夫は単身赴任。
愚痴ったり、笑ったり、供に食事をする、
そんな時間が欲しい。
特に町中が行事で賑やかな夜は。


母は比較されるのが嫌で、他所の家と比べ、
あれこれ思われる事を避けていた。人を招くのは平気でも、
子供が他所の家へ遊びに行くのを快く思わなかった。
残念なことに、親子で他所の家に出向いた経験が殆どない。
盆暮れの親戚の家を訪ねるぐらいが関の山、それさえも毎年ではない。
母は母なりに気疲れするのが嫌だったのだろうが、
自然に親と疎遠になる思春期に入るまでに、
それとなく一緒に外出しながら、
色々おしゃべりする時間を持ってもよかったのに、と今でも思う。


社宅住まいは間取りも一緒、他に商家もあれば、工場もある、
調度も、襖の絵柄も、箸の上げ下ろしも全て異なる世界、
色んな所に出入りするのは、教育上、差し障りがあるとでも。
何を懸念していたのか、今となっては推し量るしかないが。
親は親なりに生活を維持するのに必死だったのだろうけれど、
核家族はそれなりに自由で、それなりに寂しく、狭い世界。
親以外の大人を知らず、生活も知らない。


クリスマスは家で祝うものかもしれない。
でも、普段のお付き合いも狭い世界では、子供なりにつまらない。
そう、自分の親以外誰も知らないで大きくなる、
そんな生活は、お付き合いではつまらない。
見たことのないおやつ、違う味付け、異なる習慣。
今風に言うならば多様性というべきもの。


比較される事を恐れるより、違って当たり前である事を
意識させた方が良かったのに、と思う。
人付き合いに慣れるのに、今でも時間が掛かる自分を振り返るに付け
意識して調整、仕事をしながら学ぶ。
生活の中から学んでおかなければ、後からでは加減がわからない。
人付き合いは学校の中だけではなく、家の中から始まっている。


母が早くに呆けていくのを見るに付け、電話で話したり、
遊びに出かけたりする友を敢えて作ろうとしないできた、
潔癖さというよりも、余りにも寂しい心根に、胸痛む日々だ。
保険外交員や銀行の人間に座布団を勧めるのならば、
何故、打ち解けてお茶の一杯でも飲む友人を作らなかったのか。
何が母をそうさせたのか。


私とて、友人に気楽に会ったり飲んだりできる時間は少ない。
だからこそ、離れていても気になる友人がいる。
近くにいる心強いママ友達と過ごす夕べ、
気になるのは自分の親の事、何年も会っていない友、
身近にいない人の事ばかりが思い出される。


クリスマスの夜。庭のイルミネーションが美しい。
この新興住宅街は所謂「イルミネーター」が多い。
我が家には決して無い物を見て憧れる時、長じた娘は
いつかこのクリスマスを思い出すだろう。
自分の家に無いものが人の家にある。
そして人の家に無いものが、自分の家にある事を。
色んな家庭があることを。


娘とお友達は、お互いのたまごっちを交換して遊んでいる。
サンタが持ってきてくれたのは、電池の切れた昔の小さなたまごっち。
電池を入れて磨く所から、自分のたまごっちをかわいがり始めた娘。
そう、何もかも新品でなくても遊べる。自分のものに作り変える事ができる。
目に見えるプレゼント、見えないプレゼント、
世の中は色んな自分への贈り物で溢れている。
自分を成長させる喜び、自分を独り立ちさせてくれる哀しみ、
自分を強くしてくれる孤独、人に対し労わりを持つ事のできる苦しみ。


娘よ。今日過ごす事のできたお友達の家の暖かさを、
おもてなしの気持ちを、時間を、お友達と過ごす夜を、
いつの日か思い出して、振り返ってくれるように。
かーちゃんたちが、自分達の親やそれぞれの老後について
語っている傍らで、楽しく遊べる時間は人生そう沢山ない。
思っているよりも、子供時代は短いものだから。


家で落ち着くことができなかったクリスマス。
でも、もうおしまい。20時、おそおその帰宅。
アドベントカレンダーが開けられないと、悲しんでいる君。
来年、また来年のカレンダーを心待ちにしようね。
窓は一つ一つ開けながら楽しむもの。
クリスマス2007 さようなら。
来年のクリスマスは、どんなふうに過ごそうか。


その前に、もう幾つ寝るとお正月、だよ。

オーラ・クリスマス~天使の贈りもの~

オーラ・クリスマス~天使の贈りもの~

feel Christmas

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