Festina Lente2

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今週のあんなこと、こんなこと

泥にまみれた「だいち」、空の高みへ「かぐや」
使い物にならない精度しか期待できない、
無用の長物と化した地上衛星「だいち」。
かつてアメリカの衛星が送ってきた情報を書き換える価値のある、
世紀の画像情報を送り続けている月周回衛星「かぐや」。
哀れなる「だいち」は名実共に汚泥にまみれ、
「かぐや」は空の高みに輝き、月の神秘を映し出す。
かわいそうではあるよね。何だか同じ衛星なのに、
この雲泥の差。
             

雲泥の差と言えば、量刑だから心情的に納得と言ってしまうと
許される訳では無いけれど・・・。飲酒運転で子供の命を奪っておいて、
7年と25年では差がありすぎる。同じ、子供を持つ親の心情として
この判決の意味は何なのだろうと思う。
飲酒運転に甘すぎる判決。やっぱり許せない、納得できない。
誰も好きで事故を起こすわけでは無いけれど、
浴びるほど飲んでいるとしか思えない行動、
飲んでいるとわかっていて運転、これの何処が危険ではないと?
人の命の価値をを貶めるような判決に付いていけない。


雲泥の差と言えば、先週の今頃は痛みをこらえつつ
これ以上痛くならないかと、不安に駆られて過ごしていた正月休み。
今は、薬で散らした快適?な状態で、炬燵に入っている。
さすがに通院で仕事が滞り、ブログの更新もずれたけれど、
仕事が始まると、それなりにいい緊張。
こういう時は、ルーティンワークがいいリハビリのような感じ。
新しいことに手を付けるよりも、勝手知ったる仕事の方が。

新しい太陽系―新書で入門 (新潮新書)

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こういう態度は、手の平を返したようとでも言うのかな。
それとも保守的とでもいうのだろうか。コペルニクス的何とやら。
切れ切れに入ってくる情報、聞き流しながら飛ぶように過ぎる1週間。
体が本調子ではないものの、痛みが無い時の浮遊感にも似た軽やかさ。
乳癌・子宮癌検診の結果も異常無しと連絡が来て、安心。
やっと世間のニュースが染み渡って来る様な、そんな夜。


娘の方が良く知っている、史上最年少プロに転向した
ハンカチ王子ではなくハニカミ王子。
正月休みの一家団欒からは程遠い、青森の一家惨殺の尊属殺人
何だか信じられない「松下電器」が、「ナショナル」が無くなるなんて。
パナソニックが悪いのではなく、今までの白物家電のブランド名が、
無くなることに対する衝撃。ショック。昭和は遠くなりにけり。
薬害肝炎救済法が成立したのはめでたい。でも抱き合わせのように、
プラスマイナスゼロの感覚で受け止めてしまう、新テロ法の成立。
飴と鞭、天国と地獄、行きはよいよい帰りは怖いの世界。


怖いのは、どんどん悪くなり無くなる自分の歯。
羨ましいのは、次々に生えてくる娘の歯。
何でも健康に食べる事ができるように感じられる歯。
私は、食べ物どころか言葉を削る作業さえできずに、毎日が億劫。
字面から読み取れるものが日に日に少なくなり、
何を読み取っていいのか、わからなくなっていく。
貧弱な読解力。そんな日々に目の片隅に止まったのは、
ヒラリーの訃報記事。彼がまだ生きていたことにびっくりし、
改めてエベレスト、いや、チョモランマ登頂という業績を思う。


訃報でショックだったのは、『トムは真夜中の庭で』を翻訳した、
高杉一郎氏死去のニュース。このフィリッパ・ピアスの名作、
タイムトラベルファンタジー、夢と成長、臨床心理理論と相まって、
一大ブームを巻き起こした・・・。今から思えば童話に始まり、
児童文学はケースワークの素材みたいなもので、
文学部出身の夢見る夢子は原著に当たる語学力が無いだけに、
良書の翻訳に頼っていたので、翻訳者の感性に支えられていたとも言える。
実に感謝に絶えない。99歳であられたとか。御冥福を祈るばかり。


でも、私の知っている高杉氏の横顔は、児童文学者で
エスペラントを使う人、だったのに訃報欄では、
シベリア抑留体験をもとにした『極光のかげに』や、
源氏物語の英訳の研究』がとりあげられていた。
知らなかった。改めて知り、びっくり。

トムは真夜中の庭で (岩波少年文庫 (041))

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エロシェンコ童話集 (偕成社文庫)

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征きて還りし兵の記憶 (岩波現代文庫)

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ファンタジーの中に描かれる時間の流れ。
現在と過去、現実と非現実。日常と非日常。
その雲泥の差。大いなる溝をあっという間に飛び越え、
私達は物語の世界に遊ぶ。そこからエネルギーを貰ってくる。


今週の「ちりとてちん」せっかく草々兄さんと結婚したというのに、
実力を伴わない仕事のせいで、結婚生活に溝が広がるばかり。
ドラマとはいえ、結婚の現実は甘くない。
仕事を持つという事。家計をやりくりするという事。
お互いの関係を保ち続けるという事。
相手の気持ちを思えばこそ、我慢できることできないこと。
すれ違い、憤り、やるせなさ、切なさ、どうしようもできないこと。
ドラマは1週間で状況ががらりと変わる。今後が心配。


今週の映画『ベートーベン』では、セントバーナードの活躍に笑い、
チャーリーとチョコレート工場の秘密』では、皮肉で孤独な、
ブラックユーモアに満ちた世界・グロテスクな映像を楽しむ。
年長さんの時見せてお話も読んであげて、お気に入り。
おませな娘との、団欒のひととき。
また夜更かしさせてしまった、甘々駄目かーちゃん。


そうそう、久しぶりに見た、『チャングムの誓い』では、
「私を連れて逃げてください」と、ミン・ジョンホに嘆願する
チャングムの取り乱した姿に、娘と一緒にドキドキした。
娘は「私もミン・ジョンホみたいな彼氏が欲しい」とのたまう。
おいおい、君はまだ小学2年生。再放送の中でも、
この回を見たのは初めてなので、びっくりした。

  

新年、あっという間に10日間が過ぎる。
何ができたか、何が起こったか、何が。
世間ではそれなりに大きなニュースがあったのに、
それに引き換え自分自身は、何となくスローなスタート。
ちょっと気が引ける。
いやいや、気にしない気にしない。
差し引きゼロになっているはず、毎日の生活は。
だから、深く気にしない気にしない。

チョコレート工場の秘密 (ロアルド・ダールコレクション 2)

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チャーリーとチョコレート工場 オリジナル・サウンドトラック

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