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徳島・小浜・オバマ・おばあちゃん

徳島の話題、残念なことと嬉しいこと。
ええ、例の鳴門若布の話題。
食品の偽装問題が騒がれているでしょ。
鳴門に2年間住んでいただけに、色々思い出しちゃう。
本当に鳴門では沢山の若布を干していた。
灰干し若布で有名だった。なのに、「灰」は駄目。
「灰」は手に入らないという事で、味が今一つ落ちると
通の人たちが嘆く「塩蔵」つまり、塩若布のみになってしまった。


公害問題も大変だけれど、昔のように良質の灰が手に入らない時代。
化学物質の燃えカスではない良質の自然の灰。
それはもはやこの時代貴重品。灰やし尿までリサイクルした
江戸時代と同じようには行かない、エコも苦しい時代。
美味しい若布が食べられなくなってしまった時代。
長い長い若布を砂浜で干していた鄙びた風物詩は人口減、
跡継ぎ減にあえぐ田舎では維持できない光景。


だって鳴門では、祭のお神輿の担ぎ手を若手から探すのも大変。
世話役の方々が嘆いていたのは10年前の話。
少子化は街の活性化の足を引っ張っている。
けれど、けれどありがたい嬉しい話題がここに一つ。


日曜の読売新聞の書評欄で見つけた徳島の話題。
映画『眉山』の話題よりずっと嬉しくなった話題。
そうそう、徳島をドライブして道の駅、頑張っているのは
葉っぱを売っている「おばあちゃん」「おばちゃん」たち。
料亭や気の利いたお料理に使われるあしらい、「つまもの」で
億を越える儲けを稼ぐ、それも自然を傷めずに。


近年里山の手入れが・・・云々の嘆きも聞くけれど、
おばあちゃん達が過疎と心配される田舎の家の庭先で、
里山で商魂逞しく「葉っぱビジネス」を展開している。
何て頼もしいことだろう。まあ、昔から言われてきたけれど。
「阿波女に讃岐男」徳島の女は働き者だと。

いろどり おばあちゃんたちの葉っぱビジネス

いろどり おばあちゃんたちの葉っぱビジネス

同様に嬉しい話題。『ちりとてちん』のお陰で小浜ブーム。
休日の夜、高速道路を走っていると娘が観光バスを指差す。
「小浜ツアー」の文字が踊っている。
単純に喜んでいいのかって? いいでしょ。
でも、塗り箸以外に「若狭」という言葉も全国的な市民権?!
昔「若狭」という地名は憧れの臨海学校の場所だった。
とうとう1度も行く機会が無いままこの歳になってしまったが、
娘と共に「ちりとてちんの故郷を訪ねる」ツアーにでも行こうか。


何故か娘が応援しているのは、小浜とオバマ
8歳の娘が、どうして米国の大統領選に興味など?
何でも小耳に挟んだらしい、選挙運動の時のエピソードを。
急病人が出た時に、演説を中断して労り、見届けたオバマ氏。
相対して、そのまま演説を続けたクリントン女史。
このエピソードを小耳に挟み、オバマ支持ですと。
だってお母さん、優しい人の方がいいでしょ。
そりゃね。


そんな娘がしょうもないギャグを言う。
オバマ、小浜でバレーボール、がんばれー」
どこからそういうことを思いつくんだか。
なかなか「寒い」です。(笑)


大阪の知事。見た目だけ優しそうな人がお上となった。
財政難にかこつけて、今まで減らしてきたものを更に減らそうとしている。
無駄な投資をやめるのもいい、おかしなウワモノも払い下げればいい。
人件費から削ると大言壮語するとは。人事院勧告も無視して、
据え置きどころか、ひたすら削られてきているお給料。
教育職の友人は、彼の顔をニュースで見るたび
仕事をする気が無くなるそうだ。
そして、公立には期待ができないと私立中学に長男を入れた。


そりゃそうだ。やる気のもと、生活保障を削られて、
モンスターペアレンツに育てられたお子様達相手。
公立学校に給料の格差は無い。特別な手当ても付かない。
教えるのが楽な生徒ばかりの高校と、夜ッぴて家庭訪問
しなければならないような高校と、同じ給料だもの。
底辺校手当てや残業手当は無い。


クラブに明け暮れエリート校、エリート大学、弁護士、
芸能人、子沢山だけれどお金に不自由したことのない父親。
そんな人には、授業料未納で消えていく公立高校の生徒、
奨学金係の窓口がいない市役所や区役所の現場なんて
わかるはずもない・・・とぼやく。


こと大阪は、教育・文化果つる地だ。採算を重視しすぎる。
教育・芸術・文学・文化の類は、投資しただけ戻るという単純計算は無理。
1×1=1にも、5にも、10にも、そして0にもなる。
結果は目に見えない。だから儲からないと思う単純に思う輩がいる。
困ったものだ。大阪気質なのか商人気質なのか、今時気質なのか。
頑張りますの連呼は、権力で好き勝手します。
それが英断ですと嘯いているに過ぎない気がする。


ちりとてちん』ではないけれど、いくら繁昌亭が満員御礼でも、
同じ話ばかり掛かって面白くないとぼやかれている昨今。
話芸を磨いて披露するまで、聞く人も話す人も育てる時間がいる。
そのことに気が付かず、何でも望むものだけスイッチを押せば
与えられると思い込んでいる輩が多すぎる。
聞く耳を持つ者も話す力のある者も、表裏一体だとは思わない。
教える側を拘束してへこませて伸びる生徒が育つものか。


応援するよ。ぼやく友人の彼は春から新しい仕事の長に就く。
私はいつも永遠の中継ぎ、ピンチヒッター、遣い回し、
いつも何かどこかの補助でしかない。
けれど、応援しているよ。実行不可能な理念よりも、
分をわきまえて、今できることを精一杯する。
何もかもが止まってしまわない様にするために、ね。
徳島のおばあちゃん達に負けられない。
ささやかな「はっぱ」のレベルだと言われようと。
草の根レベルだと言われようと。

津軽鉄道応援写真集 -のんびり走ろう! Take it Slow!

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