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医者にかかる10箇条

本日歯科大付属病院の日。歯内治療科では治療というより、
手術を受けている気分にさせられる。例によって、
緑色のラバーを口の上に被せて、口の中の一部、
神経をいじる歯だけを術野として確保しているから。


それにしても、大きな病院というものはごった返していて、
殺伐とした雰囲気がしていたり、途方に暮れるような
何だか訳のわからない不安感に襲われる感じがしがちなのだが、
女性の医師が多いせいなのか、言葉遣いが丁寧なせいか、
受付の対応も非常におっとりとしていて、不思議なくらい。


会計も混雑する場所ではあるが、私が知る限りでは静かだ。
恐らく普通の病院と違い、子供が少ないせいかもしれない。
高齢者は多いが、点滴を吊ったまま行き来する者や、
車椅子で往来する患者など目にしないせいだろう。
歯科という分野に限られているせいかもしれない。
(眼科も耳鼻科も内科も併設しているということを、
 今回お世話になるまで知らなかったくらいだから)


会計場所の電光掲示板に、「受診心得」が映し出される。
他の案内と共に、実にさりげなく出典までちゃんと表示。
しかし、思いのほか早く字が流れるのでメモできない。
ネットの時代とはありがたいもので、ちゃんと見つかった。
http://www.coml.gr.jp/10kajyo/index.html
医者にかかる10箇条
あなたが"いのちの主人公・からだの責任者"

患者白書―よりよい患者・医療者関係をめざして

患者白書―よりよい患者・医療者関係をめざして


1. 伝えたいことはメモして準備
こんな模範的な患者になれたらいいなと常に思っているのですが、
申し訳ありません。紹介状を取るのがやっとだったり、
パソコンで打って整理・持参する時もあるけれど。
2. 対話の始まりはあいさつから
本当にここのお医者様や受付の方は、挨拶がお好きです。
違和感を感じるくらい。つまり、よそではこんな風に
されたことがあんまりない。いや、本当に。


3. よりよい関係づくりはあなたにも責任が
本当にそうだとは頭ではわかっています。ただ、幾つになっても、
怖かったり話し辛かったり、遠い存在であることが多いです。
先入観を取っ払って、何でも話せるという訳ではないから。
4. 自覚症状と病歴はあなたの伝える大切な情報
確かに通院する度に副作用があった薬など、忘れず述べる必要が。
でも、セフェム禁と大きくカルテに書いてくれているのは、
多分ここだけ。何故? 既往を忘れず伝えるのは結構難しい。


5. これからの見通しを聞きましょう
これは患者からはどうやって訪ねればいいのか、
タイミングがわからないことが往々にしてあります。
医師の治療の見立てと患者が期待する軽快の過程は、一致しない。
現実に即した対応とは異なる次元で、患者は夢を描く場合が多いから。
「見通し」は受け入れがたい現実と、取引する感覚をもたらす場合も。
そう、患者にとっては受け入れ難いだけで、
時間を掛けて納得するしかないんだけれど。
たとえそれが、歯1本の治療であったとしても、
自分の中の納得できるイメージまで近づけるのは難しい。


6. その後の変化も伝える努力を

これも伝えるのが難しい。患者は質問に答える。
それは医師の望む範囲でなかったり、関係なかったり、
事実とかけ離れたものだったりする。
答えるべきことより話したいことを話してしまう。
変化を伝えるのが下手。(上手な人が羨ましい)
訊きたいことがなかなか訊けない。
言いたいことがなかなか言えない。
先生に「慣れない」といえないことが結構あります。


7. 大事なことはメモをとって確認

家族の診察に付き添わないと、悪夢の伝言ゲームだったりする。
メモも同様で、どこまで大事か人によってその範疇が異なる。
医師が伝えたい「大事なこと」とかけ離れていることも。
確認したくても、そんな時間が無い時のほうが多い。

8. 納得できないときは何度でも質問を
わからないことがあったら質問してくださいね。
どこがわからないか、わからない世界。
質問するべきことは確認すべきことは何なのか、
7と同様、接点を模索すべき時間確保が難しい。


9. 医療にも不確実なことや限界がある
それを納得できるなら、苦労はないのが素人の悲しさ。
頭ではわかっていても体や感覚が付いていかない。
10. 治療方法を決めるのはあなたです
これもそう、わかってます。頭では。
でもこのせりふを面と向かって言われると、
見捨てられ感だけ大きくなって混乱すること、
無きにしも非ず。駄目だったちゃ、こんなことじゃ。
この言葉で平静を失うような大事に直面しないことを
祈るばかり・・・。動揺しやすい小心者の私。


でも、この十か条をわざわざ掲げているあたり、
環境整備に苦心している様子が見て取れます。
こちらも啓蒙されます。
この10箇条はここでしか見たことないもの。
学ばせて頂きありがとうございます、です。

医師の死角、患者の死角―もっと豊かな医師患者関係のために

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