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不思議なおもちゃ屋

今日は家人の通院日。ありがたい事に大過なく過ごしている。
この2年半、ずっと同じ先生に診て頂いている。
大学病院で、毎月毎月同じ先生に見て頂けること、
仕事先にメールで検査結果を頂ける事で、
何かとフォローを頂いて、生活を維持している。
私達は本当にラッキーだし恵まれていると思う。


昼。以前から気になっていたイタリア料理店へ。
小麦の値上がりを反映しているのか、量少な目。
でも、石釜で焼いたピザのもっちりした触感はGOOD!
最近、クリスピータイプが多い中で、嫌味ではない
程よい質感を持ったピザ皮は珍しい。


その後、ちょっと気になっていた映画、
マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋」を観に。
Mr.Magorium's Woner Emporium 
ダスティン・ホフマンと、ナタリー・ポートマンの共演。
どんなストーリーかと期待して行ったのものの。

マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋―magical movie novel

マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋―magical movie novel

家人も私も途中で居眠りしかけました。冗長というか、退屈。
くどいと言うかあっさりと言うか、ポイントがわかりにくい。
確かに魅力的なおもちゃ屋かもしれないけれど、
あんなふうに子どもに好き勝手商品を触られてたら?
店内のドアの先が色んな所に通じているのは、
ハウルの動く家」の実写版みたいな感じ。
家が拗ねて持ち主を困らせているというのもと何だけれど、
それよりも登場人物のキャラクターが何だかなあ・・・。


物凄く意地悪な見方をすれば、自分が200歳を越える天才で発明家、
魔法使いだと信じている躁傾向が強いじーちゃんと、
子どもの頃天才と言われたものの二十歳過ぎればただの人で、
自分の才能に絶望しかけている欝傾向に傾きがちな、
おもちゃ屋でバイトしているピアニスト志望の女の子、
そして同年代の友達が作れない登校拒否気味の問題児、
ファンタジーの世界でのみ自分らしさを発揮できる、
帽子マニアの小学生。まあ、おもちゃ屋さんが安全な場、
守られた空間だから自分でいられるのだろうけれど。
経理士の仕事がペルソナとなり、自分の感情や意見を述べるのが苦手、
ミュータントとあだ名されるいい年の仕事人間の男性。


この4人が噛み合っている様ないないような、会話と行動を繰り広げる。
ある意味付き合うのがしんどい世界。本人達は楽しいかもしれないが。
ちょっと共感して付き合うのには、覚悟がいる。
家人はダスティン・ホフマンの老けっぷりに感慨、
私はナタリー・ポートマンがどうしてこの映画に出ているのか、
はてな? 「Vフォー・ヴェンデッタ」の時の方がずっと良かった。
この映画に出ることで、一体仕事として何を得たのかな?
それ位、はてなの連続。


自分を信じれば奇跡が起きるよ、信じる力が大切よ、
という馬鹿馬鹿しいくらい能天気な展開。
これを子ども映画にするには無理がある。
ストーリーの展開にも無理がある。
盛り上がりが無い。最後の場面が唐突過ぎる。
B級の趣味で作ってみましたファンタジー、という感じ。
出演者で映画を見るんじゃなかったと、つくづく思ってしまった。


心の持つ可能性ということを表現するのに、おもちゃ屋を題材に
比喩的に表したのかもしれないが、遠回りで難しすぎる。
持ち主が亡くなった後、黒くくすんだおもちゃ屋というのは
見る人の目から見て、店に生気が無い状態。店が蘇るのは、
自分の気持ち・物の見方一つで全てが変わるということ。
・・・なんだろうけれど、やっぱり無理がある。
ファンタジーにもリアリティにもなりきれていない、
あいまいな作りが。


オタクっぽく映画の中のおもちゃやぬいぐるみの類を楽しむ、
そういうこともできなかった。
落ち込んでいる、もしくは落ち込みやすい主人公、
心にトラウマを抱える主人公に感情移入し易い私なのに、
この映画の主人公に関しては、とても違和感が大きい。
何かしら反応が安直、作りが雑駁な感じがして、
映画というよりも、ちょっと手の込んだTVドラマみたいな
極端に言えば、「奥様は魔女」では無いけれど、
人生の肝心な部分を、安易に解決している気がしてならない。


唯一、パンフレットの表面に視覚的な細工が。
せめてもの「魔法」っぽい演出と言えましょうか。
娘に合わせて日本語吹き替え版で見たので、
台詞がどう言っていたのか、本当の所はわかりません。
でも、「チーム・バチスタの栄光」と並んで期待外れ。
いや、死と直面する心臓手術というリアリティを追求した
「バチスタ」の方が、果敢に攻めていたと言わざるを得ない。


次の私の目標は、「エリザベス・ゴールデンエイジ」
ケイト・ブランシェットはこの間2児の母となり、
ロード・オブ・ザ・リング」にも出演。
どんな演技が見られるか楽しみです。
いや、期待し過ぎは禁物。今日は、外れ。