Festina Lente2

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思いがけないお返し

仕事で疲れ果て、予定は未定決定ならずの日々、
義理チョコはしない主義の年齢になりましたが、
先月お泊り出張の際、手伝って頂いた部署にはお土産も兼ね、
久々に個人的にチョコをお渡ししていたのでした。
しかし、お土産の意味が強かったので、バレンタインを意識せず、
今日の日を迎えたのですが、何とお返しが!


いや、渡した当人が意識していないのでサプライズでした。
情報処理担当の彼のソフト面のサブにたまに入る私。
お客が多いときのフォロー。担当部署が違えども、
トランプのジョーカーのように動かねば、回らない職場。
お陰で色んなことが経験できると思えば、前向きでしょ。
年の差こそあれ、母校の後輩という気安さ。
(彼からは先輩という気遣いでしょうが)


かわいい春色、鮮やかな黄緑の袋に赤い天道虫付きクリップ。
勿体無くてまだ開けていないのですが、お返しを頂きました。
当てにしていなかっただけに、喜びも大きいものです。
そして帰宅すると、娘が嬉しそうに
「お母さん、私ホワイトデーのお返し貰ったんだよ!」
え? ええええ?

イマージュ

イマージュ

イマージュ アムール

イマージュ アムール

ハイハイお昼ね、保育園時代からの幼なじみの「彼」から
かーちゃんと作った娘のハート型チョコへのお返しは、
おやつと鉛筆3本、消しゴムでした。(彼のお母さんの心遣いに感謝)
どんなおやつだったのか「もう食べちゃった」とケロリとした娘。
鉛筆は低学年用の2B。女の子用の模様でした。
かえって色々お気遣いさせて申し訳ない。
彼のお母さんは、多分頂いたお家みんなにお返ししたのでしょう。
人気者の「彼」の所には、自宅に持参した同級生の女の子も。
最近のバレンタインと小学生はは凄いですね。


まだかわいらしい小学校2年生のやり取りで、
かーちゃんは笑っていられますが、あと10年経つと
どうなるかわかりませんね・・・、実際。
それでも、この年から「友チョコ」だの「義理チョコ」だの
そんな言葉を覚えて生活して行く世代、なんですねえ。
こちらは「バレンタイン」だの「ホワイトデー」だの、
中学生になるまでちっとも知らない世界だったのに。


さて、後輩からのお返しも嬉しいですが、お世辞でも、
「来年もうちの部署に(手伝いに)来て下さい」という言葉は
お返し以上に嬉しいものでした。
誰かが掛け持ち回り持ちでしなければならない仕事、
みんなが避けたがる仕事、手間隙掛かる割りに実り少ない仕事、
そういうものを誰が引き受けるかで、年度末年度当初は揉める。
一番困るのは、専門知識も何も無いままお客さんで居座る、
戦力にならない人間が「仕事」を強調すること。


年が下だ、若いというだけで発言権が無くなりがちな職場。
情報システムを担当する人間は若手が多い。だからこそ、苦労も多く、
周到にやりくりをしないと、使い回しにされがちな部署。
何しろ上層部では、キーボードさえ触れない人がいる。
人をキーパンチャーとしかみなさない人もいる。
ゴーストライターで成り立っているような文書関係。
サブやアシスタントが実権を握ってもおかしくない。


職場が変わる、進化ということは、
人やシステムが同時進行で変化すると思っている人も多いが、
そんな甘いものではない。自分のやり方に固執する人は、
どこに異動しても自分であり続けるので、
システムのバグになって組織そのものを停滞させる。
フルチェンジできなくても、マイナーチェンジで進化する。
それさえもできないまま、棲み分けでもするように、
「自分だけにしかできない仕事」という幻想に囚われる。


産休・育休・病休・介護休暇を取ったりすると、
自分の首はいつでも挿げ替えられる、代わりがいると痛感。
私いう個人が必要とされているのではなく、
自分のポスト、役割仕事がこなせる人ならば、
出来不出来に関係なく、パズルピースのように押し込まれる。
仕事とは誰が来ても出来るようにシステムを整えておくべき、
心得てはいるものの、心寂しい年度末。


だからこそ、ささやかな心遣いと鮮やかな色使いが嬉しい、
ホワイトデーのお返し。(たぶん奥様が用意されたのだろうけれど)
私が残す所、1クール。後輩君は、3クール。
どんなふうに年輪を重ねて仕事をしていくのだろうか、
私にはその将来を知る由もないけれど。


巷では、日本の期待を背負った宇宙飛行士の目覚しい活躍。
懐かしい母校、その先輩の彼が、世界を股に駆けてではなく、
宇宙まで飛んでいって活躍している姿を嬉しく思う。
後輩である私、地道に地上で仕事をしながら、
春、弥生の空を見上げる。
先輩からの地球にいるみんなへの、でっかいホワイトデーが、
私の悩みを小さくさせる。


ああ、あの高みから見たら地球での、地上での出来事は、
何と小さくかわいらしく見えることだろう。
その、大気渦巻く地球の景色、自然のコラージュ、
俯瞰する世界に比べれば・・・。


私も、その高みに漂って風のように透き通り、
しばし地上を離れていたい。
ホワイトデー。諸々の思い、くびきから解き放たれて、
真っ白な心になって。

スノーボール・アース

スノーボール・アース