Festina Lente2

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許せない改悪試案

そこそこ字を読める小3の娘。ニュースを聞き、夕刊を見て、
涙を流して叫んだ。「知事に電話する。会ったら殴ってやる。
私の生活をぶち壊しにする知事なんか、許せない。」
うん、過激な発言だが、かーちゃんも同じ思いだ。
勿論かーちゃんはこんな奴は選ばない。
大阪が大変なのは知っている。でも、
財政を逼迫させているものは、赤字施設以外別にある。
君が生まれる前から失策だった事柄が、沢山。
そのつけを、余波を影響をもろに被る事になる。
不幸な府民、憤慨せずにはいられないだろう。
かーちゃんも同じだよ。


娘の生活に直結している施設が、写真入で読売新聞の夕刊に。
娘が悲鳴を上げるのも無理は無い。
1番最初の写真は「青少年会館」娘のキャンプの集合場所。
大阪の青少年育成体験学習・野外活動を支える組織が入っている。
2番目の写真「国際児童文学館」ここでの蔵書や展示。
娘のお気に入りの場所、万博公園の中にあるこれを潰すと?
スケートのできる場所、キャンプ場、博物館、どれもこれも。


08年度廃止施設 青少年会館、文化情報センター、健康科学センター
09年度廃止施設 国際児童文学館 弥生文化博物館 臨海スポーツセンター
10年度廃止施設 総合青少年野外活動センター
11年度以降は、体育会館 現代美術センター


全国に唯一の弥生文化博物館を潰す理由が振るっている。
似ている施設があるから、だそうだ。
近つ飛鳥博物館と「似ている」ので合わせて展示という
発想自体に歴史や文化が土地に根ざした意味を無視する
心の貧しさ、知識の乏しさを感じて唖然。
ウワモノにものを押し込んでおけばいい的発想。


静岡の登呂遺跡をもしのぐ水田の遺構、遺跡を持つ土地に
子供も大人も楽しめる設備、地道に開かれる講演会勉強会、
ホールを利用して開かれる音楽会。
どんなに私達は心癒されてきただろう。
娘も楽しんできたことだろう。
郷土の誇りである遺跡の発掘当時を小学校時代から知るだけに
胸の痛む思いがする。


奈良で長屋王の住居跡というまだまだ研究すべき遺跡も、
結局は赤字採算を出したそごうに潰された時も唖然だった。
弥生博物館もその遺跡を道路下に潰された形になっているが、
それはそれは広大な遺跡だったため仕方なかった部分もある。
それを無視して、「似たような施設」は合併展示とは。
展示という言葉の意味を知らなさ過ぎる。
その感覚は、東京タワーがあるからエッフェル塔を潰そう的。
地球には似たような施設があるから。


ゼロからウワモノを作ろうとした博覧会を辞めた都知事の猿真似?
やっとの思いで作り上げたウワモノつきの組織を根こそぎ潰す。
子育てに直結している文化施設、野外活動施設、
健康に必要な医療費の削減
おまけに職員・警察官・教職員の給料10%カット。
素手のボーナスもカットされてきて、昇給もストップしているのに?
夢も希望も無い、府民の命や健康を削る、地域文化無視。
新聞が読める娘、こんなに怒り狂っているのを初めて見る。
かーちゃんもここで働いて暮らしているのが嫌になるよ。

弥生時代の集落

弥生時代の集落


廃止出資法人 男女共同参画推進財団 保健医療財団 総合福祉協会
大阪がん予防検診センター 大阪生涯職業教育振興協会
大阪国際児童文学館 青少年活動財団
これを見ただけで、大阪が教育や福祉を切り捨てる政策で、
数合わせの実績を作ろうとしている事がわかる。
全国レベルで低い成績を取っている大阪。教育に力を入れない大阪。
小学校35人学級もなくし、教員の数を減らそうとしている大阪。


府民に議論を沸き起こしたい」と彼は言ったそうだが、
悪目立ちをしたい以外、何者でもないような気がする。
彼自身、彼の生活は何の「痛み」も背負っていないから。
彼が利用しない施設は彼にとっては意味がないし、
お金にも困っていないから安価に健康を守る必要もない。
本も博物館も体育館も必要ない人間には、無駄な施設。
価値を知らない人間にとって、切り捨てることは簡単だ。
そこに足を運んだことのない人間が、机上の空論で予算を組む。
それを改革多だと言う。改善ではなくて改悪に向かって、
手放す事が最善だと豪語する。


施設の老朽化という名目で取り潰される野外キャンプ場。
子供が少ないから少子化だから、使わないからいらない。
そういう発想で全てが取り壊されていく。
大人が使わないからいらない。大人に必要な施設も。
例えば「ドーンセンター(女性センター)」もいらない。
「わっは大阪」も移転だそうだ。


大阪名物「くいだおれ」が店を閉めるのも当然だろう。
大阪の食は、文化とは無縁のところで、
金勘定だけに走って行くしか無いのなら、
コストと採算だけでやっていかなければならないのなら、
くいだおれ太郎ちゃんも立っているのは辛かろう。
お店の人は、よく決断したと思う。


大阪に住みながらいうのも何なのだが、
大阪は「文化果つる地」だと思う事がよくある。
神戸や京都に比べて自分の土地柄や文化的な背景を
理解していない、活用し切れていない、
文化的な教養・素養というものを信じていないのではないか。
何しろ、「天下の台所」を自負していた時よりも
教育内容・程度は落ちているのではないか。


食べ物やお笑い、それだけではない大阪の魅力。
生活感を前面に打ち出すといっても、
神戸と今日との間にあって古代から栄えてきた港町、
その誇りや歴史的な背景を無視して、
欲ボケに走った無駄な開発や五輪誘致の失敗、
今までの政治の失敗の付けを、
府民の生活に密着した教育・福祉・文化施設の撤収で
賄おうとしている。こんな知事を選んだのは誰?


実績は金で作る。金勘定、目先の金、懐の金、結局は金。
採算合わせの予算案。まるで赤字の解消が2,3年でできるかのような
乱暴な予算案。試案。府民の生活を無視して、
自分を目立たせたいようなパフォーマンスをする彼。
「見るからに優秀そうなメンバーが集まってくれた」と発言。
如何にも上から人を見下したものの言い方に、うんざり。
はいはい、みてくれ、優秀そう、ね。
試案内容以前に、感情的に嫌悪感で一杯になる。


パフォーマンスでプロジェクトを組んで、話題作りの試案。
そういう芸能人上がりの知事しか選べなかった府民の住む大阪。
自分でものを考えたり調べたり活用する施設は消え、
何が残る大阪なのだろうか。
集約多機能化という上滑りな言葉の中に、
地域の図書館も、青少年センターも皆消えていく。
民営化という上滑りな言葉の中で、実質潰されていく。


実は1学年5クラス6クラスもある小学校にいる娘。
新学期が始まって、まだ時間割が決まらない。
体育館その他の部屋をどのクラスが使うか、決められず、
未だ発表されていないのだ。
プレハブ校舎、身近な小学校、我が家を取り巻く生活環境。
住みにくくなる一方。
店も遊園地も本屋も大型店・外資系・ビデオやにのっとられ、
住みにくくなる一方。


70半ばを過ぎた父が帰宅した夜11時。
ぽつんと呟いた。「大阪は終わりだよ」

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