Festina Lente2

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退院に向けて12日目

(この項 5/13UP)

上げ膳据え膳でお粥を頂く朝。たまに鯛味噌や海苔が付いてくる。
牛乳パック。給食を思い出して懐かしい。
もっとも私の小学校時代は三角形のテトラパックだったけれど。
デザートはバナナ。プラスα、毎朝抗生剤の点滴がやってくる。
静かな雨の日曜日。隣の人にリハビリのPTの先生も来ない。


退院出来る見込みがあると言われると、俄然心が軽くなる。
改めて体を横にすると、自分が疲れているのがわかる。
余り楽しい夢は見ず、夜中3時頃、左腹部の鈍痛で目覚める。
宵っ張りパターンの私は、ぐっすり朝まで熟睡できない。
それでもさすがに病院の生活パターンに慣れて来ると、
ある意味、心穏やか、ある意味、恐ろしい。


こんな静寂、穏やかな時間に慣れてしまったら、
日常に戻れるだろうか? そんな不安がふっとよぎるから。
多くの人に会い、声を出し、しゃべり、書類を作り、会議をし、
出張に出かけ、段取りし、仕事の合間に家事をするような日々。
そういう日常に戻っていけるのだろうかと不安になる。
奇しくも世間は「母の日」だそうな。

雨上がり、空の色

雨上がり、空の色

布絵画集 雨あがり

布絵画集 雨あがり


どうやら今年の3年生の男の担任は、
母の日のお手紙なんぞ書かせなかったらしい。
まあ、学級通信を出すのも嫌だと言っていたくらいだから、
そういう作文指導は望めないだろう。
昨年はお仕着せの「お母さんありがとう」のお手紙にげんなりしたが、
全く何も無いとなれば、それはそれで寂しい。


まあ、このかーちゃんは十分家族に心配と迷惑をかけているので、
家族にとっては「母の日」ってなんぞ? かも知れない。
案の定顔を見せに来た家人と娘は、着替えも何も持たずに登場。
本当に「顔」だけしか見せに来ないとは・・・。
「母の日」何だけれど、差し入れも何も無いの?


家族といっても、家で一番よくしゃべるのはかーちゃん。
一番よく怒鳴るのもかーちゃん。一番食べるのもかーちゃんか?
とにかく好きでねじを巻くのではないが、家庭を持ってから、
元々のんびりやだった私がキリキリ来ざるを得ない状況。
性格が変わってきたような気さえする、家人と娘のおっとり具合。


これはこれである意味、少々のことにも動じない性格?
何だか眺めていると無性に腹が立つものだ。
病室に来て、人のベッドで昼寝していくとは・・・。
娘は漫画を読んでいる。もしくはゲームをしている。
何なんだ、これは? 何でそんなにくつろいでいるの?


ああ、そうか。カーテンで区切られたベッドの周囲が
我が家の居間状態になっているわけか。
君たちが来ることで病室は居間状態。
君たちにとっては、かーちゃんがいる所が居間なんだね。
そうか、そうなのか、そうだったのか。


結局一緒にいると、何だかんだと色々言いたくなり、
苛々そわそわ、じっとしていられないかーちゃんと、
何を言われてもマイペースでのほほんとしている娘と家人、
家の中がベッドの上にそのまま引越してきている、日曜の午後。
喜んでいいのか、悲しんでいいのか、かーちゃん微妙な心境。

ここがわが家でいちばん大事な場所!家族のキッチン&ダイニング

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