Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

退院に向けて13日目

朝一番、血液検査。朝食、抗生剤点滴。
午前診療の切れ目か、お隣さんと同時にX線に呼ばれる。
あ、今日は1枚だけしか撮らないんだね。
それにしても今回の入院中、沢山撮ったなあ。
外来の検査、入院患者の検査、忙しそう。
そして、あっという間に11時半、昼食がくる。


おかゆは嬉しいが、おかずのバリエーションに関しては、
上げ膳据え膳でいうのも何だが、飽きてきた。
潰瘍5分粥食から普通食に戻すつもりは無いらしい。
徹底的に油分の無い、煮物茹で物だけの毎日。
人参、ホウレン草、じゃが芋、白菜、キャベツ、ブロッコリー
花野菜、玉葱、大根、里芋、かしわのささみ、魚の煮付け。
卵とじ、餡かけ、くずでとろみを付けたもの。
野菜類はくたくた。たまに梅酢和え、しょうゆの類なし。
なぜか味噌汁は白味噌、又はお澄まし。


隣の彼女は1ヶ月も入院している。
本日ギブスが取れて、晴れてコルセットに。
食事に関しては制約が無いので、随分差がある。
おまけにここは産婦人科もあって、そこは豪華メニュー。
食器用カートにお盆を返しに行くと、そこに別メニュー盆が。
食べ残しのクラッカーの上にスモークサーモン、
思わず「食べたい」と意地汚くも思った。


先触れのナースがばたばたとやって来る。
え、まだ13時過ぎなんだけれど、どうしたの?
もう院長回診? いつもより2時間は早い。
そんなに外来早く終わったの?
今日午前中、新しく4人も入院したというのに、
だから精力的に回っているの?

毎日食べたいおかゆ

毎日食べたいおかゆ

おいしい病院給食メニュー集〈2〉副菜編

おいしい病院給食メニュー集〈2〉副菜編


相も変わらずお供を引き連れてきたが、院長先生、
勿体ぶって、おもむろにX線写真を診て、思案顔。
思いのほか腸が動いていない様子。
「圧を掛けてはいかん。(いや、私も掛けたくないです)」
 今日は薬を出そう。柔らかくせんと、圧が掛かる。
 炎症は大分おさまって来たな。」


あらら、お珍しい。
ノートPC台ごとベッドに近寄ってきて、
血液検査の数値の変遷を見せてくれる。
私のベッドの上にノートPCが置いてあったせいかしら?
本日でやっとCRP1を切る。やっとか・・・。
「退院は明後日、診断書は、来週土曜日まで自宅療養」
おお、なんとあっさり御託宣。退場。


ナースが慌てて追いかけて訊いてくれる。
「シャワーはよろしいですか」お許しが出た。
ほぼ2週間ぶりにお湯を浴びて、一皮剥けた様な気がする。
夕食時、初めて飲み薬が出された。
パンピオチン散とカマグGの合包。
あー、これは腸のため兼、高脂血症にも良かれか?
お通じは相変わらず今一つ。体を動かしていないから?


水泳教室を終えて、じいじと共にやってきた娘に報告。
明後日退院を喜ぶ。そして、せっかくだからと、
病院の屋上、5階へみんなで上がってみた。
ここに上るのは今日で2回目。前回の入院の時は、屋上なんて。
お隣さんに話を聞いて、今回の入院で初めて上がってみたのだ。


驚くことに、実は、ここから自分の家が見える。
肉眼で見えると知って、1度娘にも見せてやりたかったのだ。
あいにくの小雨ぽつぽつ、夕暮れの景色はおぼろ。
田舎の都会の変貌に、老父は感慨深げ。
「ここらの山に、こんなにびっしり家が建つとはなあ」
少しずつ荷物を持って帰って貰った。


夜更け、久しぶりに「英語でしゃべらナイト」を観る。
何しろ世界を股にかけて活躍する、心臓外科医がゲスト。
須磨久善氏がバチスタ手術やその他に関して語る。
プロフェッショナルとして必要なことは、
1 イメージ力 
2(素早い)判断力 
3 技術


まずイメージありき。間違ったイメージの元に判断したら、
せっかくの技術力も無駄になる。
なるほどね。どの仕事にも通じることだけれど。
持針器を持つ姿も、「今日のネクタイは妻が選んでくれました」と
照れている姿も、どちらも素敵なドクターでした。
これから再放送でご覧になる方、インタビューの合の手に入る
ナレーション・コメントが面白い。
お見逃し、お聴き逃しの無いように。


The man who's touched hundreds of hearts keeps in close touch with his own.
(数々のハートにふれてきた男は常に自分のハートとの対話を欠かさない)
これも大切だよね。忙しさに追いまくられて、自分の体の声、
自分の心からの警告を聞き取れないで、病気になってしまう。
仕事がうまくはかどらなくなってしまう、
自分のハートとの対話。心臓外科医にはもってこいの掛詞。


そして、アメリカン・バレエ・シアタープリンシパル
Gillian Murphyへのインタビュー。
特に彼女のファンというわけではないけれど、
アラベスク」「テレプシコーラ」「ヴィリ」「スワン」のファンとしては、
どうしても主人公達を重ね合わせて現実のバレリーナを見てしまう。
同じバレエ団に属している10年越しの恋人との
桜の木の下でのファーストキスの思い出をさらりと語り、
「恋人が自分を支えてくれている」とニコニコ語る彼女に、
隔世の感を感じざるをえない。いい時代になったものだ。


http://www.nhk.or.jp/night/archives.htm
再放送があるので、今から見る人はどうぞ。深夜ですが。
病院でこっそりTVを見るだけ、元気になってきた証拠ですね。

プロジェクトX ザ・マン―すべては感動からはじまる

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