Festina Lente2

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万博公園蛍の夕べ

6月のこの時期毎年行われているという、万博公園の蛍の夕べ。
今年は明日、8日まで。去年は余りの人出、車の数に負けて、
駐車場に入る事ができず諦めて帰ったので、今年は電車でリベンジ。
通院を終え図書館で家人と待ち合わせ。予約した和食の店でランチ。
HONDA派の家人に付き合い、新車に試乗。(乗るのはタダだしね)
買えない人間のささやかな夢にお付き合い。


学童に娘を迎えに行き、彼女はピアノの練習。
私は夕食の用意。早めに済まして、再び大阪を北上。
私にとっても久々の家人宅。遠出の外出。
1ヶ月以上開けていたので、家の中が心配。
さて、モノレールで万博公園駅についてみれば子供連れの多い事。
日本庭園に入る前にバラ園にとぐろを巻いて長蛇の列。


こんな人出の中で、本当に蛍、出てきてくれるのだろうか。
見ること叶うのだろうか。
徳島を離れて以来、蛍に飢えている私たち夫婦。
乳幼児の記憶が無い娘は、蛍が乱舞していた記憶を持たない。
ああ、どうにかしてあの感動的な光景を見せたい。
親心、果てしない蛍への憧れは、娘にとってはどこ吹く風・・・。

ホタル―光のひみつ (科学のアルバム)

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ホタル、こい!―ホタルの光を科学する (ASAHI ECO BOOKS 15)

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乱舞と言うには程遠い、1匹2匹微かに見える輝く飛翔にどよめき。
ああ、人波に押されて娘はすっかりおかんむり。「何も見えないよ」
「あそこ、あそこ、飛んでるよ、見えた?」
「暗い所歩いてばっかりで疲れた、お腹が空いた、のど乾いた」
すっかり不機嫌になった娘は、乱舞とまでは行かなくても、
沢山の蛍場群れ飛ぶ絶好のポイントに着いた時、
「見る気力は失せた」と、ぶーたれ顔。・・・あーあ。


それでも、奇蹟のように足元の芝生の上で光っている蛍には、
じっと見とれててを伸ばしていた。「触っちゃ駄目よー」
子供ですもの、思わず手が出ちゃうんでしょうね。
私だって大人だから我慢しているけれど、目の前にいたら触りたい。


小学生の時、宮城県の両親の田舎で、沢山の蛍を捕まえて遊んだ。
阿武隈川沿いの水田地帯には自然が沢山残っていた。
源氏物語で、蛍が女性の美しさを演出する小道具に使われているのを知り、
風流というか、すき心の表れ方に「ふうん」と思った文学少女時代。
仕事の憂さ晴らしに、鞄一つでバリ島に飛び、
地元では「クナンクナン」と称される蛍を手で好きなだけ捕まえて、
ペンションの暗い部屋で解き放して、センチメンタルナイトだった日。


結婚前、結婚後、徳島で見た光の渦のような蛍たち。
美郷村、鳴門大麻彦神社の大谷川沿い、海沿いの町、海部(かいふ)の蛍。
どの蛍狩りも、家人がいて、娘がいて、家族のルーツ徳島の夏の思い出。
しかし、大阪で蛍を見るのは難しい。
ましてや、かつて見たような美しい蛍を見る事は。


いつもは静かで美しい自然文化園も、今日は夜遅くまで賑わう。
でも、肩車し、乳母車で、だっこで子供に蛍を見せよう、
見たいとやってくる若いパパとママ、おじいちゃんおばあちゃん、
お疲れ様。その気持ちが子供に伝わる事が私たちの願い。
蛍の見られる自然を残す、蛍を大事にしたい気持ちを伝える事が。


早いもので、6月も半ば。
あくがれいづる魂かとぞみる、その蛍。
誰をそれほどまでに慕うというのか、その情熱が懐かしい。
娘よ、今日は疲れて不機嫌になってしまったけれど、
いつの日か、恋人と二人きりで蛍を見てごらん。
一生忘れられない思い出になる。
とーちゃんとかーちゃんのように、ね。

だれでもできるホタル復活大作戦―ぼくらの町にホタルがもどってきた

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ホタル百科

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ホタルの木

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