Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

庭に蛍

出張帰り。物凄い混雑。とにかく渋滞。疲れ切って帰宅。
ああ、明日からの値上げに備えてガソリンスタンドに並んでいるのか。
それとも「ごとび」だから混んでいるのか。
とにかく、必要以上に脱力、疲労困憊。
思うように仕事は進まず、地下鉄の中が一番草案が浮かび、
一番居眠りが出来、リフレッシュしている。
運転中は、イライラが募るばかり。


夕食後、思い立ってガソリンを入れに行く。
どうしても満タンにしておかなければ・・・。
現在166円/ℓ・・・明日からはもっと。
娘へお土産のアイスクリームを買って21時半。
門の前、戸締りをしかけていると、何やら飛ぶ明かり。


え? え? 錯覚、気の迷い? 今飛んだのは?
目の前をふうわりと、飛んで地面で光っているのは、
門の前、玄関に続く庭先の石畳付近の地面に降り立ち、
光っているのは・・・?

蛍を見に行く 蛍の名所ベスト28

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ほたるホテル―やなぎむらのおはなし (こどものとも傑作集)

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私は大阪で蛍を見たのは、この間の万博公園が初めてだ。
あとは宮城の両親の田舎で小学生の時、20代終わり頃バリ島で、
そして社会人院生の徳島で・・・。
よもや庭先で蛍を見ようとは・・・!?


大きく、そして、しっかり点滅する光。
たった1匹の源氏蛍。
しかし、一体どこから飛んできたのか?
この近辺は開発されて綺麗な小川などないし、
用水路が今よりも綺麗だった頃も、泥鰌は見ても、
蛍なぞお目に掛かったことは無し。


私の手の中で光る蛍を娘に見せ、両親に見せ、
台所で網に入れようと思った途端、逃げた。
どこに行ったものやらわからない。
どこかで光れば見つかるのかもしれないけれど、
すぐに諦めた。飼って見るものでもない、蛍なのだから。


縁起物? それともうつけのように仕事がはかどらぬ自分の、
魂がどこぞより舞い戻って来た?
何かいい事があるのかもしれない、だといいな。
家人に電話。驚いている。
田舎の都会の乱開発されたこの土地で、たとえ、
一匹なりとも蛍を見る僥倖に行き当たるとは。


夢か現か幻か。
大阪に住んでいても、こんな事があるのね。
どこかで蛍が住める場所があるのね。
生きていける場所が。


ならば、どうして私にも、そういう場所が無いと言えよう?

蛍の行方―お鳥見女房 (新潮文庫)

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蛍―light of a firefly

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