Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

一天俄かに掻き曇り

待ち焦がれた雨、とうとう降った雨、雷雨、
お湿りありがたやと思いきや、響き渡る悲鳴。
職場で停電。室長、悲鳴を上げた。パソコン操作中。あーあ。
1階のパソコンコーナーも、再起動するも設定が消えてしまい、
マイドキュメントにアクセスできないという、訳のわからなさ。
一太郎IME、共に調子が変。ああ、何だか仕事にならない。


来るぞ来るぞと思っていたけれど、雨だけではなく、
停電のおまけ付き、それも雷雨。
実は雷は嫌いではないのだが、娘のキャンプが気になる。
加えて神戸で鉄砲水の被害者が出たよし、気になる気になる。
丹波笹山方面のお天気やいかに。
今まで問い合わせなどしたことはないけれど、
テント泊ではどうかと心配になり、電話。


雨が降り出したのは、大阪と変わりなかったよう。
さすがにこのまま寝るのはどうかということで、
少年の家の本館に避難しているという。良かった。
ほっと一息。しかし、TVのニュースは暗い。
学童保育で犠牲になった小学生は娘より大きい。
またはかわいい盛りの園児。ご冥福を祈るばかり。


一天俄かに掻き曇り、お湿りの雨は鉄砲水を招いた。
護岸工事の進んだ河川は、蛇行した水の逃げ場がなく、
雨水の増水でも、一気に勢いよく濁流となって流れ落ちる。
河岸を固めたことにより、本来あり得ない、
余裕の無い流れを生み出してしまった結果。
もとい、日本の河川は短く急流なのが当たり前。
それを極端に改造してしまった副作用が、
天気のご機嫌次第で大惨事を招く。


何かを守ったつもりだったのに、結局は元も子もなくす。
何だかメタファーとしてぞくっと来る。
どんなことにも当てはまる、過剰防衛の結果。
心にちくちくするものがある。色々連想する。
守ったつもりが仇となる、望まぬ結果を招くもの。

タルカス(K2HD/紙ジャケット仕様)

タルカス(K2HD/紙ジャケット仕様)

タルカス&展覧会の絵

タルカス&展覧会の絵


ちょっと落ち込みがち、そんな時は懐かしいプログレを掛ける。
車の中に流れるライブ、ELPの「タルカス」。
そう、私はプログレ世代。昔々高校生時代、この「タルカス」を
教えてくれた1年後輩を思い出す。思わずセンチメンタル。
雨に降り込められて運転しながら、中川与一『天の夕顔』を連想。

天の夕顔 (新潮文庫)

天の夕顔 (新潮文庫)


10年待つなんて長過ぎると思ったけれど、20年経っても30年経っても
忘れられないものは忘れられない。思い出は奪うことの出来ない、
脳内BGMやスクリーンセーバーのように、絶えず動き続けている。
強く意識することは無くても、はっと気が付くと切ない。
ゆーみんの歌のように、「君がいた夏の匂いが吹いてくる」だ。 
『情熱に届かない 〜 Don't Let Me Go』


雷雨が近づいてくると、低気圧のお陰であちこち「ガタ」を感じる。
事故・怪我・病気の後遺症、エトセトラ。
敏感なセンサーは、お呼びでない鈍痛を招く。
そして、風が吹き、一瞬の生臭さの中にこもった熱と湿り気。
懐かしいメロディ、どこかで見たような景色。デジャブ。


あの人はどうしているだろう、今頃。
何十年も前の音楽を聴く。昔の夢を思い出す。
あの頃の情熱を。それで、雷雨の向こうに
稲光の彼方に、ふと蘇る幻にどきりとする。
一天俄かに掻き曇る、その向こうに若かりし頃の思い出が、
明滅するのを感じずにはいられない。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

情熱に届かない 〜 Don't Let Me Go


作詞 : 松任谷由実
作曲 : 松任谷由実


快速電車を見送った 川近い駅の夕焼けに
きみがいた夏の匂いが吹いて来る
細めた瞼くすぐるように

遠くの道路の橋桁が最後に眩しく溶けていた
時を追い越して はしゃいだ私達
みんな みんな

きかせてよ あのときのうた
あなたの声で もう一度だけ
ガードが轟きちぎれ飛ぶ
Don't let me, don't let me go
忘れたくない あのときの夢
今は情熱に届かない

きっとそれぞれに思ってた
何を目的に生きてくの
口には出来ない不安を抱きしめて
ずっと ずっと

描いてよ あのときの空
あなたの胸に もう一度だけ
白いキャンバスが燃えるほど
I want to, I want to know
失くしきれない あのときの夢
いつか情熱に届きたい

きみがいた夏の匂いが吹いて来る
そっと そっと

きかせてよ あのときのうた
あなたの声で もっと激しく
夕陽の彼方にちぎれ飛ぶ
Don't let me, don't let me go
忘れたくない あのときの夢
今は情熱に届かない

あのときのうた
あなたの声で もう一度だけ
ガードが轟きちぎれ飛ぶ

DAWN PURPLE

DAWN PURPLE


久しぶりの雷雨に、お湿りにセンチメンタルになる。