Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

京都の博物館巡り

本日のキーワードは漢字・万華鏡・飾り。
調べたいことがあったので、娘を伴い京都へ。
仕事中、遊んでいられるように場所を選んでみた。
帰宅してから偶然、その場所が特集記事になっていたのを知った。
でも、ほとんど貸し切り状態で2時間以上堪能した漢字資料館
京都万華鏡ミュージアム
京都府京都文化博物館


京都へは珍しく阪急で。特急に乗れず、快速急行で。
高槻市を通り過ぎる時、大阪医科大の巨大な付属病院が線路から良く見え、
いや見えすぎるほど見え、そのスケルトンな建築構造にびっくり。
まあ、電車は一瞬で通り過ぎる。プライバシーはともかく、
働いている所は良く見える。ある意味、緊張感を要するのでは?


通勤特急が停まる高槻市。私達からすれば、大阪なのか京都なのか、
その活動範囲圏が今一つ摑めない地域のイメージが強い。
実際は、私が住む大阪南部より遥かに便利な交通機関で、
大阪の中心地に出勤可能なベッドタウン
抱える人口も半端ではなく、病院だって沢山ある。
高槻医専と言われた大阪医科大学が、でんと控えているのだから。


何だかんだ行っても大阪の医療は大和川を越えれば、僻地。
老舗とまでは言い切れない、近畿大学医学部が狭山に陣取っているだけ。
私達が高校生の頃(もうかなり昔の話)の医学部は、
阪大・市大・医科大、この3つの存在が大きかった。
そんなことを思い出させる高槻駅前の風景が、あっという間に通り過ぎていく。


京都の地下鉄烏丸線一本で行き来。交通費節約のため、五条まで歩き。
五条から烏丸御池まで地下鉄。烏丸まで戻るのは歩き。
さて、京の五条の橋の上♪ いやいや、橋ではなく交差点手前、
目指すは漢検で有名な日本漢字能力検定協会
実は読売新聞購読者に配布される読売ライフ、
(今月の表紙はポスターと同じ「崖の上のポニョ」)
特集が「漢字の森」道案内。
前半が今は亡き漢字の大家、白川静の遺志を受け継ぐ活動の取材。
後半は資格試験として有名な漢字検定の取材。


私も娘も漢検は受けたことはない。漢検資料館で調べ物ついでに、
漢字体験を兼ねて、娘をここで遊ばせることに。

2級漢字学習ステップ 改訂二版

2級漢字学習ステップ 改訂二版


結果からいうと、娘は低学年用問題をクリアして粗品
私は4級のみ全問正解で、粗品ゲット。それにしても情けない。
TVのクイズ番組でで話題になった2級は愚か、
1級なんぞ読めない漢字続出。読めても書けないし・・・。

 

いや、本気で2級合格目指そうかなと思ったくらい、ちょっと悔しい。
昆虫・植物・動物・魚介類漢字のゲームに熱中する娘。
他にも貝合わせの四字熟語、カルタ熟語など盛り沢山。
けっこう本気で時間を費やし・・・空腹。
係のお姉さんに教えて貰った、烏丸御池新風館へ。


若者向けのファッションビルに、子連れには有難い中華料理バイキング。
各種飲茶料理、ラーメン、黒米のお粥にトッピングが8種類。
ピータンや赤白の腐乳まで揃えてあるのが嬉しい。
子どもの好きな蒸し物、唐上げ、八宝菜、etc.
中国茶でほっこり1時間寛ぎ、まずは本命博物館の前に、
娘の為に京都万華鏡ミュージアムへ。


部屋の中全体に映し出される投影式万華鏡を見ていると、
涙が出てくるほどその美しさに感動!
またBGMがグリーンスリーブスでにくい演出!
様々な万華鏡を一気に見ると眩暈がするが、そこは気を取り直して、
1セット300円のドライタイプ万華鏡製作に挑戦。
・・・これまた我ながら惚れ惚れするような世界が出来ました。
むろん中に入れる素材を変えれば、別世界の演出はあっという間。
係の人が丁寧に教えてくれるので、自分で材料を調達するより安上がり。

合わせ鏡の中に、いつもとは異なる顔で現れるガラスビーズ、
粘土ビーズ、変形させた色クリップ、輝きを添えるスパンコール。
普段見慣れたものがm全く知らない世界のパーツに変貌。
自分が創り上げたはずなのに、たった1度も同じ世界が現れることがない、
一期一会の異世界の現出に驚き呆れるばかり。大興奮!
そして、覗いているうちに癒されてくる。
・・・子ども時代こんなふうに万華鏡を覗き込んだ時間が、
確かにあったはずなのに、どこへ行ってしまったのか。


自分の中に色んなものがある。子どもの頃から持っているもの。
大人になってから失ったもの、得たもの。
心の中は多面鏡。何がどんなふうに映るかわからない。
思いがけない夢や才能が、花開くのを見ることが出来る人は幸い。
割れた合わせ鏡の向こうに、永遠の迷路になった思いが渦巻く。
未来へ過去へ、まだ見知らぬ展開を秘めて賽が振られる。
映し出された心模様、綾なす自分自身の断片を、
どんな風に受け止めていけばいいのだろう、人生の曲がり角。
とある局面、ある日の情景、枝分かれする道。


万華鏡を覗いていると、いつの間にか物思いに耽ってしまった。
娘は遠慮がちに、薄い色のガラスビーズばかり集めている。
「お母さんのは、中身入れすぎだよ」と言う。
かーちゃん、そんなに欲張りかな?
でも、他のお母さんや係りの人に褒められる、嬉しい仕上がり。
「本当に一つ一つ違いますねえ」と感嘆される。
個性に等しく、心に等しく、同じものは一つとしてありはしない、
変幻自在の万華鏡。


夕暮れの風の中、となりの京都文化博物館に戻り特別展、
「KAZARI 日本美の情熱 展」を18時まで堪能。
時代を超え、常に人々の生活の中で、用と美、
聖と俗が渾然一体となり展開してきた日本の「かざり」の世界。
火焔土器から始まり、普段使いの陶磁器で作られた八岐大蛇退治、
平田一式かざりで〆るまで、様々な飾りを紹介。


色、形、紋様、飾り方、様々な飾り、デザイン。
今回の切り口。 第一章 かざるDNA 第二章 場をかざる
第三章 身をかざる 第四章 動きをかざる というもの。
娘もそれなりに楽しんでみていた。驚いたのは、解説を読んでいたこと。
「おかーさん、義経浄瑠璃姫の恋愛ってどんな話?」
そうか、そういうものに関心が向くのね。
年齢的なものか、絵巻物の恋愛譚に見入っている。


今回もう一つの目的は「源氏物語千年紀」にちなんだ
3階美術工芸展示室の「永樂即全 源氏物語五十四帖」展。
私が生まれる前に創られた、源氏物語を主題とした作品群。
楽家の集大成と名高い目も眩むばかりの茶陶の数々。
それらが、書道を嗜む人には嬉しい吉澤義則 筆 
和歌懐紙「源氏物語五十四帖」54点と共に展示。
典雅な世界を静かに繰り広げている。
常設展示室、19時半まで開館。助かります。


書道の世界はもとより、茶道にも縁のない生活。
結婚前に数年習った程度の裏千家
(天目茶碗のお稽古まで、墨を扱うまでは習うことなく)
そんな私でさえも、文学部の学生時代の思い出、
昔取った杵柄の古典の世界、砕けて言えば
大和和紀の『あさきゆめみし』で覚えた源氏物語の世界は、
色々人生を考えさせてくれる、奥の深い作品。

               

京都の町は、京にまつわる作品は、懐の深い世界。
先日は宇治を見せ、今日は博物館巡り。
暑さでうだる京都の町を、博物館で涼しく過ごす。
仕事にかこつけ、充実した一日を過ごした。
皆様、実は烏丸御池駅には京都国際マンガミュージアムもあります。
私もまだ行っていないので、娘にも教えていませんが。
次回、暑い夏を博物館巡りをする時に教えようかと・・・。


ガソリン代も高く、何かと憂い多き日々。
仕事・資料探し、調べ物にかこつけ、娘と過ごした京の1日。
涼しく過ごす美術館、博物館巡り。
お時間があれば、どうぞ。別世界にうっとりなさること、必定。
私にとって今日の(京の)学びの世界は、心を癒してくれる世界。
いい1日でした。

永楽家京焼の精華

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源氏物語の時代―一条天皇と后たちのものがたり (朝日選書 820)

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あさきゆめみし 美麗ケース入り 全7巻文庫セット

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