娘は立山登山チャレンジキャンプ

自分で荷物を準備する意識が希薄。過保護に育てすぎた。
前日になってものんびりだったが、とうとう今日出発だ。
保険証のコピー。何とかーちゃんコンビニに忘れてきて取りに戻る羽目に。
昨夜の出来事。今朝、起こさないと起きないくせにご飯と味噌汁、
メロンはしっかり食べようとしている。やれやれ。

せかしながら、心は寂しい。家族全員ばたばたと出発。
受付では学生リーダーが迎えてくれる。小３から中３までの３２名。
何でも４５名募集の所、これだけしか集まらなかったそうで、
やはり登山がメインのキャンプの厳しさのせいだろうか。
山小屋の最低気温が７度！？もっと厚手のトレーナーを持たせるべきだったと、
かーちゃん激しく後悔。ああ、親の不安が募る募る。

立山、たった一度だけ雷鳥を見に登ったのは２０年も前のこと。
無理な計画と体力不足が祟って、下山後関節炎になった右ひざ。
痛み止めで薬疹が出て更に落ち込んだ、夏と秋の記憶が蘇る。
さて、娘と家族用に貰ったしおりには、様々な事が書かれていた。
例えば、こんな内容が。「山にバテないテクニック」

・不足バテ・・・水不足（脱水）　睡眠不足　シャリバテ（空腹）　体力バテ　酸素・高山バテ
・気持ちバテ・・・もう駄目、歩けないと思うとばてる原因に。
・ペースバテ・・・一定のペースで歩くこと
こういう内容が少し詳しく説明されている。
うん、登山も仕事も然り。かーちゃん、すぐ仕事に頭が行く。

山用語辞典には、いっぽん、がれ場、くさり場、アタック、落石など
よく使う言葉の解説が。親切だなあ。親も一緒になって見入る。
娘もふむふむと目を通している。
「雲が横をふわふわ跳んでいるところに行くんだよ」と言われ、
「雲って水蒸気なんだよね」と答える娘。
うーん、ちょっとかわいくない。そこで、「凄い」とか「へえ」とか、
そんなリアクションを期待していたかーちゃん、拍子抜け。

ヤマケイ アルペンガイド8 剱・立山連峰 (ヤマケイアルペンガイド)

立山曼荼羅―絵解きと信仰の世界

保護者だけ集められて、引率責任者の方から話を聞く。
何でもこの企画は文科省の登山研修所とNPOの協力を受けているらしい。
それにしても、小学生から中学生を一まとめにして登るというのは・・・。
学年差・異年齢の集団を経験させると同時に、登山。
それにしても身長・体力もかなりの差。大丈夫かしらん。

高山病についての説明を受ける。やっぱり途中でリタイアする子供が、
毎年出るらしい。それは仕方ないだろう。自分にも苦い経験が・・・。
夜行バスでスキー場に着き、喜び勇んで朝から高速ゴンドラで山頂。
一気に林間コースを下って、頭痛吐き気でダウンした経験を持つかーちゃん。
体力・気力・体調は個人差が大きい。大丈夫な時もあれば駄目な時も。

リーダーが続けて言う。怪我や事故等、何かの場合の保険は掛けていますが、
高山病の特効薬の注射に関しては、保険が利きません。
もしもの場合は実費でお願いすることになるのですが、
この薬は大変高額で、１万千円掛かります。ご了承ください。
高山病の特効薬。そういうものがあるのも知らなかったが、
まあ保険が利かないとなると、お高くても仕方がないだろう。

骨折などしませんように。寒くて風邪を引きませんように。
足が痛くて歩けないなんて事になりませんように。
みんなから遅れて、べそをかいたりしませんように。
リュックを背負ってちゃんと頂上まで元気に歩いていけますように。

心の中で祈るかーちゃんを知ってか知らずか、バスの中の娘の顔も、
ちょっと寂しそうで、いつもより笑顔が少ない。
やや元気のない娘の顔が気になり、かーちゃんまで余計に寂しくなる。
どうやら直前に二人ほどのキャンセルがあって、出発。
とうとう、行ってしまった。・・・、何だか胸の中に穴があいたよう。

１年生の時から、夏と冬、毎年キャンプに参加させてきたのに、
一人っ子だから、できるだけ多くの子と接して物怖じしないように、
他の保護者より年齢的にトウのたったとーちゃんかーちゃん、
体力経験・時間的にも連れて行く事が難しいから、企画におんぶに抱っこ。
いつものことなのに、いつもに増して寂しい。

よく子育て中に「一人の時間を」と言うが、相手あっての贅沢。
本当に一人になってしまうと、即席空の巣症候群で、足元がふわふわ。
あれもしようこれもしよう、片付けもの、予定、書類、読書。
計画は山とあれど、なかなか手に付かない。
今頃どうしているかなと想像してしまう、子離れのできていないかーちゃん。

土曜日まで我慢我慢。いや、土曜日だって仕事がある。
やるべきことは詰まっている。なのに、この体たらく。
全くもって、身勝手な親、親ばか。
ああ、立山の天気が気になる、気になる。

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