親のツボ? ドツボ?
「秘めました!」がちょっとしたブームの私と娘。
相手が何を思っているか、当てっこするゲーム。
それは、○○ですか?と質問しながら選択肢を絞っていく。
自分の心の中にある物が、あっという間に当てられてしまったり、
なかなか当ててもらえなかったり(当てさせてくれなかったり)
質問の仕方も微妙に工夫をしないといけないし、
単に相手の好みのパターン、普段の状態を把握していれば、
勘で当てられる部分もあるが、とにかく「秘めました!」
後は川原泉の漫画の登場人物になり切って、台詞を言って、
誰か当てっこしてみたり、題名や場面を説明したり。
母娘で超カルトでレトロな会話をしていたりする。
これでは一緒に遊べる友達はいないだろうから、
母娘限定の遊び。いつまで楽しめるだろう?
ツボにはまると熱中。
しかし、嵌っているのか、嵌められているのか。
漫画にしろ、本にしろ、音楽にしろ、映画にしろ。
かーちゃんとーちゃんの影響をモロに受けた娘。
呟く台詞。何でこの映画はR指定なの?
私は観られないの? どうせDVDになって誰でも見られるなら、
今見せてくれても同じなのに・・・ブツブツブツ。
一緒に映画を観ていると、CMにダイジェストが流れる。
その予告編を観て、あーだこーだと一丁前に批評。
目下の所WAMTEDを見られないのがご不満。
まあ、ハンコックで我慢してもらいましょう。
インディ最新作が期待ほどではないとほざく、微笑ましい娘。
殆どの映画を両親と見まくる贅沢小学生、我が娘。
源氏千年紀の光源氏じゃないけれど、自分好みに娘を育てる。
きっとこれはいつの世も同じなのだろう。
幾つになっても断絶の危機を回避できる、話の通じる娘に育てる。
趣味が同じだと、どこかで結び付いていられる。
そういう期待と願望がない交ぜになっている。
というわけで、紫の上ならぬ我が娘。
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お子様は本来寝ていなければならない、夜もおそおそ。
「星新一」月曜の夜22:50からの10分間コーナー。
今週も楽しみに寝る用意をして待っていれば、あろう事か放映が無い。
福田総理辞任のニュース番組。どこを向いても政治の話題で、
番組はお流れ。娘の不機嫌になること、なること。
音楽。家族カラオケでキャンディーズを歌うのは、誰のせい。
ピンクレディーを知っているのは、ブルーライト・ヨコハマを、
怪獣のバラードを、涙を越えてを知っているのは何故?
『サウンド・オブ・ミュージック』のDVDが、
『ジーザス・クライスト・スーパースター』のCDが、
萩尾望都や青池保子、一条ゆかりや中山星香。
今風のチャオも学童で読んでいるけれど、
家ではかーちゃんの古い漫画にも手を伸ばしている。
どんなふうに大きくなっていくのだか。
ツボ。親の思うツボにはまって育っているのか、いないのか。
それとも親が嵌められているのか、いないのか。
時々この相互作用のさなかで、成長しきれない親の過去の夢を、
娘の上に、布団の綿を打ち直すように広げているのではないかと思う。
薄く広くならいいだろうが、重すぎては困るだろう。
ツボ。娘の思うツボに嵌められているのか、いないのか。
甘いかーちゃんは娘を躾切れず、育て切れず、教え切れず。
最も「オロソカ」になっているのは、勉強。
塾に通ったことの無いかーちゃんには、みんなが通う塾のイメージが湧かない。
何だか学校の宿題もドリルも無い毎日。小学校は今どうなっているのか、
とんと想像が付かない。公教育はこういうものだっただろうか。
何だか私が小さい頃もっと宿題があり、勉強したようだけれど。
親の趣味に沿って、走っているに過ぎない娘に気が付きながら、
軌道修正の必要性を感じながら、ぶつかる事を避けて、
物分りのいい甘い親になっているのではないかと思う。
一緒にテレビを見ながら過ごす時間。
小さい頃は寝かしつけ、自分の時間を確保しなければと思っていたのに、
今の今、娘が大きくなって閉まって、一緒にだらだら過ごしている。
娘と過ごす時間に嵌っている、嵌められている。
余りにも芸が無い時間だけれど、嵌っている。
私の機嫌のいいことに、仕事後で疲れて寛いでボートなっている。
そのだれだれの状態に便乗してグータラする娘に、嵌められている。
この相乗効果はろくなことを招かないんじゃないか?
いい加減なくせに、自分には甘くて他人には厳しいかーちゃんは、
節操の無い子育ての果てを気にしながらも、
ダラダラと真夜中を過ごす。
今日の深夜TV。NHKBS熱中夜話は『スターウォーズ』がテーマ。
思わずどれどれと、チャンネルを捻ってしまう。
おまけに来週はクィーンのフレディ・マーキュリーが特集。
もう、本当にTVに子守されている。私もお守りされている。
嵌っている、嵌められている。その話題・テーマ、映像、音楽、
私のような年代も首を突っ込まずにはいられない。
ツボ、筋肉痛と肩凝りと背部痛と腰痛と、全てを癒すツボのように、
鍼灸のツボのように、仕事を忘れるスイッチを入れるためならば、
あらゆるツボが同時進行で解放されたがっているように、
大口を開けて餌を待つツバメの子供のように、
はまるツボを、話題を、音楽を、本を、映像を、
それらしく作られたブームや流れ・企画に乗せられ、
自分の時間と労力を投げ出す。
という訳でメディアにも、世間の流行にも流されて、
嵌っているのか嵌められているのかを意識しないように、
用意周到に操られて、今日今日に至っている。
今夜今晩に至っている。そして週末に向かっている。
予定の行動で安穏と過ごすメニューを用意されて、
家族サービスの名で流されているのではないかという、
一家団欒の時間の使い方に、嵌められる。
不安の上の妙な安心感。これでいいのだろうかと、
かすかに疑念を差し挟みながら、自問自答の声も小さく、
仕事から距離、距離を置き続けている現状。
「為すべき事」の「あるべき姿」から距離を置いている、日々。
親としてこれでいいのだろうか、仕事をする人間として。
母として、妻として、娘として、これでいいのだろうか。
この自分の在り方。
何も考えないように、面倒臭くなるように、
仕向けられているのでは無いか?
そういう親子関係に陥らないようにしなければ、
ぼんやりと霞んでいく夜の闇のような頭の中で、
小さく点滅する、信号。青信号? 黄色? 赤?
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