Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

里山は晴天なれど

本日は晴天。されど、お寝坊さん達はなかなか起きてこない。
かーちゃんは一人で家事とお出かけ準備。みんな起きて来て、
やっと目的地に出向けば、お目当ての里山ハイキングや
バーベキューの申し込みが終わっていて、がっくり。
そう、今日は箕面森町(みのおしんまち)の「森の祭典」
別に開発に賛成している訳でも、土地付きの家を買う予定も無いが、
良いイベントがあれば、経験させたいのが親の常。
5月の連休中、楽しみにしていたキャンプを入院でふいにした私。
今回NPO里山案内を、誰よりも楽しみにしていたかーちゃん、
ちょっと当てが外れてむっつりのドライブとなった。


会場は予想以上の人出、本当にびっくり。
小枝や松ぼっくりで作るクラフト教室、フリーマーケット
野菜の苗寄せ植え体験、地元の特産・野菜販売等などのイベントに心安らぐ。
娘は頑固一徹職人。木の幹を薄くスライスした板にせっせとやすりをかけ、
何やら一心不乱に取り組んでいる。
緑の芝生の上にはテーブルセットが置かれ、ジャズの生演奏。
気分よく秋晴れの一日を過ごしていると、聞きたくない声と顔が目の前に。
何が嬉しゅうて、よりにもよって1週間置きにナマで観なきゃならん。
星空ファミリーコンサートの時も興醒めしたのに。


私はこの箕面森町が府の肝いりで開発されている場所とは知らなかった。
たまたま「森の祭典」という広告内容に惹かれてやってきた。
ところが、この「森の祭典」の背景は開発と町開き。
箕面森町のポスターには知事の顔、ポスターの字さえも知事の文字。
今日初めてこの事実を知り、これだけでもう、
この箕面森町、知事の手垢、ケチが付いてる感じ。

 

 
で、悪い予感的中。
挨拶に来た知事はFM放送地方局とはいえ生放送の場で、
公式の場・公の発言として、「クソ教育委員会」「クソ」連発。
品性下劣な本性を露わにした軽いノリの発言を続けて、
人々の失笑とも言える笑いを応援と受け取ったのか、
教育の現場にいる人間をこき下ろし続ける始末。
人権や教育の何たるかを無視した発言を続けるので、
司会者にとうとう注意される有様。「これは生放送中ですよ」


箕面森町は府として初の試みの小・中一貫制の学校を作り、
先進的な教育を施そうとしている。しかし、その場において、
教育関係者を愚弄し、罵倒し、自分がさも偉いのだといわんばかりの発言。
ニュータウンのこの催しに来ている大人は、私のように小学生を連れた親、
乳幼児を抱えたニューファミリーが殆ど。
その大勢の子供と親を目の前に、破廉恥な言葉遣いをする人間が、
「このポスターの字は僕が書きましたが、字が汚いので真似しないように。
 みんなは学校でちゃんと字を練習するように」なんて白々しい発言。
「生放送ですよ」と注意されたあと、とって付けたように言っても始まらない。


それこそ公開生放送であろうと無かろうと、公の人間として政治に携わる時、
どのような発言・言葉遣いが望ましいか心得て行動するのが常識。
言葉尻を取ったり、前言撤回を繰り返して相手に揺さぶりをかけることこそ、
改革に結びつくと放言して憚らない人間を間近に見て気分が悪くなった。
大阪府民は、こういう人間を選んだのだ。(私はもちろん選ばなかったが)
実に情けない思い。だから、よそ様から大阪腐民と嘲笑される羽目に。


それでもさすが毛の生えた心臓。平気で開き直る呆れ果てた度胸。
視線も上の空であらぬ方を眺め、(女の子達がいた様子)
再び司会者に「若い子の方ばかり向かないで下さいね」とつつかれる有様。
成績を公表することと、教育の質が上がることがイコールだと吠える前に、
私設秘書に人権無視の隠し撮りをさせたり、大人として恥ずかしい言葉遣いで
公の前でしゃべる常識の無さを反省する方が先だと思うのだが。

先生はえらい (ちくまプリマー新書)

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ニッポンには対話がない―学びとコミュニケーションの再生

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マスコミもその点をつつかずに迎合しているのを見ていると、
とあるボクサーが鼻持ちならぬ立ち居振る舞いであるにもかかわらず、
妙なもてはやされ方をして、言いたい放題。
結局は自分が何をしているのかわからぬまま、本業で失敗し、
業界を追われていった出来事を髣髴させる。
マスコミは当時もぬらりくらりと適当なあしらいで、
当初、彼を煽り続けたっけ。


知事が目をやり注意された、上の空の原因――女の子達は、
箕面自由学園チアリーダー達。ゴールデンベアーズの面々。
“JAPAN CUP 2008 チアリーディング日本選手権大会”高等学校の部で優勝し、
8年連続優勝という輝かしい記録を持っている彼女たちの演技。
それをこんな間近に見られるなんて、もうわくわく。
その溌剌とした演技に、先ほどの不愉快な出来事、
不快な思いをした目も耳もぬぐわれる思い。

 


一つ一つの演技を丁寧に説明し、子供たちと触れ合って、
ミニ・チアリーディング体験。高校生の少女とは思えぬ力強さで、
子供たちを青空に担ぎ上げるその勇姿には、惚れ惚れしてまう。
その後、突然里山ハイキング希望者に追加3名募集のアナウンス。
お陰で私たち、思いがけず当初の目的達成。
楽しい思い出を作る事ができた。

カラー版 里山を歩こう (岩波ジュニア新書)

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NPO「とどろみの森クラブ」の人々はこういうイベントばかりではなく、
地道に里山を、自然を大事にする活動を続けている。
子供たちが小さい時から自然と接する機会を持てば、理解は深まるはず。
今回丹精して作っていただいた山道を歩きながら、青いどんぐり、
鹿の食べた木肌、毒のあるヒトクチダケ、鷹の住む森を眺め、
再び整備された分譲地に戻り、やるせない思いを味わいつつ帰宅。


このイベントを、町開きを真剣に考えている地元の人々。
箕面の人々、この地区を守り立てていきたいと
真剣に考えている人たちが縁の下の力持ちとして
活躍してこそ成り立っている、このイベント。この企画、この集い。
下手に知事を呼んで、ケチが付いた形になった「森の祭典」
次回同様の企画をするなら、「彼」抜きにしてね。
人の上に立ち、組織を鼓舞する以前に叩き潰し、予算をちらつかせ、
威嚇することで足元を掬い、物事を破壊して再生する術を持たない、
教育上よろしくない発言をする彼を子供の前に出さないでね。

狼少年のパラドクス―ウチダ式教育再生論

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