家に居て疲れる

２階に本がありすぎて、家が傾いている感じ。
着たくても着られない服、着ることもなく仕舞っている服、
使っていない化粧品、試しに買ってみた色。
のせられて、勧められて、衝動買いに近い品物の数々。
いわば、家の中の空気の流れを滞らせているような
風水でも実際でも問題の、余分な物、モノ、もの。
溢れるような、いや、実際溢れている物の数々。
いつか使うかもしれないと思い、いつ出番が来るのかわからない。
滅多に無い冠婚葬祭用の服は、流行に無関係な物がいい。

二つの家の行ったり来たりを繰り返す私たち。
娘のために頂けるお下がりの服は有難い。
けれども、私はなかなか捨てられない。
思い出のこもった娘の小さい頃の服を。
もう30キロを超えた、来週9歳の誕生日を迎える娘。
お人形の服のようにかわいらしいTシャツや靴下を、
後生大事に置いている。

旅行やお出かけの記念のパンフレットやチケット。
雑誌やカタログの類、専門書、文庫、新書、ハードカバー、
仕事用のノート、レポート、文書類紙類の多さ。
葉書・手紙、ダイレクトメール、昔の年賀状まで。
そう何度も取り出して見ることも無いだろうに、捨てられない。
交友関係の記録兼思い出。

写真、整理しきれないほどの写真の山があるのに撮り続けている。
さすがにデジカメにしてからほとんど現像していない。
PC上で見るだけになってしまった。
小さい頃はお気に入りを引き伸ばしたり焼き増ししたり、
それなりに気合が入っていたのに。
もっともっと撮りたいけれど、その後の始末、メンテナンス、
整理・整頓に途方に暮れる。

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しかし、整理整頓は普段の家事の中では「オプション」だ。
実際は、起きて食べて出かけて帰って、食べて、寝る。
衣食住の基本、掃除・洗濯・食事の用意・買い物。
生活を回転させることで精一杯。
布団を干したり、掃除機を掛けたり、電球を補充、
訳のわからないことをしている母、ばーちゃんのテリトリーを
荒らしたくはないけれど、定期的に掃除せねば埃の山。

昔風の家事や、昔風の調理はまだ頭の中に入っている母。
着物や洋服を縫うことはできなくなってきても、
まっさらな布やタオルをざくざく切ってしまっても、
何が何でも雑巾と足拭きを作ろうとする母。
捨てても惜しくも無い衣類に継ぎはぎを当て続ける母。
元栓を捻るのに、ガスの手元スイッチを切ることができない。
危なくて水出しの麦茶を作ることで対応しているものの、
私はこっそり沸騰させておいしい麦茶に作り直す。

思いつくまま好きな場所に、物を仕舞うことに執着し始めた母。
冷蔵庫の中をきれいに整理するのは私。
気付かれずに、何とか衛生的に整える。
母は茶碗も使えるけれど、好きに出してきてあちこちに仕舞う。
元の場所にさりげなく戻す。

家に居る。それは、仕事中よりも忙しい。
家に居る。それは、やらなくてはならないことが山ほど。
きりが無い仕事、きりが無い三度三度。
入浴するのも面倒な気分。食事も歯磨きもも、
ぐらつく歯を気にしながらイライラが募る。
寝ていても、この頃うなされることが増えているらしい。

そんな私に、家人が低周波治療器を買ってくれた。
本当はプリンター複合機を買いに行ったのに、
お目当ての物が売り切れていて、「使いでがある」方を購入。
そんな訳で、肩・腕・ふくらはぎ・腰・背中に貼って、
お手軽低周波治療。気休めでも嬉しい。

ついでに娘に誕生日のプレゼントのDSソフトを購入。
急いで帰宅、畑の野菜で夕食を作る。両親は先に入浴。
「篤姫」を見る。家人を駅に送る。
パソコンの前に向かう。意識が無くなる。
気が付くと布団に横にもならず、朝。
家に一日居ると、こんな感じ。
ああ、片付かないなあ。

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