Festina Lente2

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歯科衛生士さん

仕事を早めに切り上げたのに、予約時間に遅れること10分。
幸いなことに、前の人がまだ終わっていないのだという。
別の歯科衛生士さんなら、今からすぐにお手入れできますがと、
顔見知りの受付のお姉さんが遠慮がちに訊いて来る。
いえいえ、いつもの方でお願いします。
前の歯の状態もわかっているので、
今の状態と比べてアドバイスを頂けるので。


それでは、30分ほど待って頂くことになってしまうのですが、
構わないでしょうかと、改めて問われる。
珍しい、予約がそんなにずれるのは。
でも、それくらい待つのは構わない。
仕事を終えてここへ来ているのだ。
初顔合わせの人よりも、いつもの歯科衛生士さんの方がいい。
その小さなストレスよりも、ボーっと雑誌でも眺めて待つ方がいい。
外は雨。昨日の寒さが続いている。


半年振りの行きつけの歯科医での歯のメンテナンス。
もっとも医師による診察は無くて、歯科衛生士さんによるチェック。
歯並びもそうだが、歯間ブラシを使っていてもうまく磨けない。
どうしても磨き残しや歯石に邪魔されて掃除の行き届かない所、
奥歯や歯の裏側からは、うまくお手入れできていないのが現状。
年齢的にも歯茎は痩せて歯も傷みがち、処置歯も多いので、
ガタが来る歯も次々に出てきて、そのメンテナンスに追われている。


体のケアというのは、他人様はどうかわからないが、
同じ人に続けてやって貰うと、それなりに信頼感が沸く。
もちろん、よくわかって貰っているという安心感もある。
人によっては次々に異なる人に触られても、平気な人もいるだろう。
私は駄目だ。そのたびに緊張したり、気になったりしてしまう。
主治医が何時も同じであれば、3分間診療でもほっとできるように、
馴染みの顔、馴染みの声、いつもと同じ雰囲気、
そういうものから居心地の良さを求めてしまう。
皆様はいかが?


身体的なケアというものは微妙なものだ。
別に美容整形や、一般的な診察、体のメンテナンスに限らず、
ケアを受けることは、体と心のバランスを取り戻すことに繋がる。
その部分を気にする自分、それは予防や単なる手入れではなく、
自分の弱っている部分、気になる部分を補強する、
心配事の種を少しでも減らすということに繋がる。
セルフケアというのは、心の問題ばかりではない。
身の回り全般も含めて、セルフケアだと言える。

歯科衛生士の臨床

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  • 作者: E.M.ウィルキンス,全国歯科衛生士教育協議会,Esther M. Wilkins,布施祐二,眞木吉信,松井恭平,松崎晃
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  • 発売日: 2008/01/01
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歯科衛生士のための話せる・わかりあえるコミュニケーション事始め

歯科衛生士のための話せる・わかりあえるコミュニケーション事始め


洗浄して歯の汚れを落として貰い、歯石を取り除き、
歯茎のマッサージも兼ねて歯間ブラシ。
フロスはさわやかミント味。
ブリッジで自分がブラシを通すのが怖い所、通しにくい所は、
ここできちんと診て貰うことにしている。
歯茎と歯の間をじっくり点検、腫れている所、出血の多い所には
歯周病の塗り薬を塗布。


前回・・・でしたね。この間・・・した所、大丈夫ですか。
現在歯科大の方で、・・・ですね。問診の跡にお手入れ。
触ってもいい所と、治療中なので置いておく所と、確認。
ついでに娘の矯正の時の様子や、口内炎の話題に話が及ぶ。
そう、この歯科衛生士さんは、娘の先生にも付いていて下さるのだ。
先日娘の矯正歯科に付き合うことができなかったので、
ここで情報を貰えるのは有難い。かーちゃんとしても、ほっとする。


気になっている新たに割れてしまった、左下の前歯について相談。
だって、ここしかほかに相談することもできないし。
メゲメゲになってしまっている私と、その歯について、
私より知っていると言える、お付き合いの長い歯科衛生士さん。
同性のよしみもあって、何かと気安い。
いや、歯科大附属病院のの先生だって女の先生なんだけれど。


先生の一見丁寧だけれど、やや突き放した感じの物言い。
技術的な仕上がりに関する説明は、抜いた後の長期間の治療を前提とする
インプラントに対する私の不安を、無闇に掻き立ててしまうのだ。
割れてしまった以前から歯茎が弱っているので、専門的に見れば、
感染があるから骨は健康な状態よりも減っているから、
必然的に歯茎は今よりも下がった形で歯が入ります。
隙間も今より大きく空く形で歯が入るので、物が詰まり易くなります。


どうするか、決めるのはあなたです。
どの出来上がりで満足するかは、どこまで求めるかにもよります。
本人がどこで妥協するかの問題なので、次の予約までに考えて来て下さい。
インプラントにすると決心すれば、こちらで抜きますし、
ブリッジならば口腔外科で抜いて貰います。
情報提示、テキバキ、言うだけのことは言いましたって感じで、
口調は柔らかいけれど、慇懃無礼なビジネストーク
物凄くガックリこたえてしまう私。


補綴咬合治療科の先生は、もう少し物言いが穏やかだ。
抜歯後、インプラントがすぐできるわけでも無いし、
抜いた後、傷がふさがって骨がどれくらい上がってくるか、
様子を見るのに2、3ヶ月あるので、その間まだ考える時間が作れます。
両隣の歯を削らない分、歯に対する侵襲性は少ないので、
インプラントの可能性が無いわけではありません。
これからより長い間、どれだけ自分の歯を残していけるかという
見通しを持って治療するのが大事ですから。
仕上げに関しても、唇で歯茎の部分は見えないから、
本人が気にするほど他人の目から見えることも無いので、
インプラントの歯が今より長めになるのも、神経質にならなくても・・・。
動揺している私の不安感を宥める様な感じで話す。


二人の先生とのやり取り、上記のような内容
お手入れが終わってから、歯科衛生士さんと雑談。
・・・そうですね、私としても個人的には補綴科の先生に近いですね。
お手入れさえきちんとしていれば、インプラントの技術は昔より
しっかりして来ていますし、ちゃんとメンテナンスを続ければ大丈夫。
歯茎も下唇から見えないので、イーって大きく開けることが無ければ、
それほど神経質にならなくても、大丈夫ですよと言う。


治療方針の異なる先生にぽんぽん言われると、それだけでめげますよね。
(そうなんです! 一杯一杯になっちゃうんです!)
歯の質は人それぞれで、年をとっても本当に固い歯の人も、
若い頃から弱い柔らかい人もそれぞれなので、
あまり気にしすぎてもねえ・・・。どうしようもないこともあるんです。


とまあ、こんなふうにゆっくり言われると落ち着くけれど、
大きな病院の中で、さっさかとモノを言われると、
ちゃんと磨いてもメンテナンスに通っても、
結局、昔の治療の跡が悪くてどうしようもありませんねと
言外に突き放されてしまったら、やるせなくて、
プッツン来てしまう。
それを、いつもの歯科衛生士さんに宥められる。


歯ごとき、ではなくて、一大事なんです。
馬鹿にするなら、一本歯が折れたり抜けたりした前歯で
話したり食べたり、鏡を見て御覧なさい。
どれだけ情けない気持ちになるか・・・。
(仮歯は外れ易いし、結構これも気になるもの)
いつもの方にお願いするのは、弱音を聞いて貰うため、
めげずに歯を労わり続ける気力を持ち続けるためです。
だから、いつもの方でお願いします。
いつもの方にお願いします。


私自身は、精神的に背中を押してほしいから。
自分の見えない部分のケアをお願いしたいから。
自分ができない部分をカバーしてほしいから。
治療を続ける自分を、ケアし続けること、
お手入れをし続けることは、精神的にも基礎体力が必要。
わかっていてもばててくる時に、必要なんです。
いつもの方が。

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